ブログ

ブログ

4月 2, 2023

坂本龍一さん。

たった今、音楽家の坂本龍一さんの訃報に接しました。

唯一無二の素晴らしい楽曲が心に響いた音楽家でした。

坂本さんの言葉が印象に残っています。

 

「私には友達の定義がある。

本当に困った時に電話する奴。」

 

創作活動に伴う苦しみは甚大なものであったようです。

その苦しみを打ち明けることのできる友達がいたのでしょう。

 

私も精神科医を生業としているということも要因かと思いますが、深刻な悩みを相談されることが時々あります。

幼稚園の時の友達から大学の同級生、仕事仲間など人生を通して出会ってきた大切な仲間から。

そのような時、改めて私のことを友人として信頼されていたことを痛感します。

 

ただ、私の能力が低いためにお悩みの解決の力になれることは半分もなかったかもしれません。

力になれない時は私もとても悔しいし、悲しいのです。

それでもできることが何かないか懸命に搾り出そうとする姿勢は相手に伝わりますし、友達であるという実感自体はお互いの支えになると私は考えています。

信頼関係は簡単なものではないですが、とても力になるものです。

 

坂本さんも良いお友達に囲まれて天に召されたのでしょう。

 

坂本さんはドビュッシーに影響を受けたそうです。

憂のある美しい旋律がドビュッシーのアラベスク1番を彷彿とさせます。

坂本龍一 BTTB

心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

4月 2, 2023

1日1善。

睡眠検査のレポートを必死に仕上げ、チャリで公園へ。

花見をしてたら雲行きが怪しくなり・・・

引き上げたものの、途中から雨でずぶ濡れになりました。

ベビーカーを押すご夫婦からタオルがひらりと道路に落ちたのを目撃。

周りの方々は見て見ぬふり。

遠くから駆けつけタオルを渡して差し上げると、満面の笑みでお礼の言葉。

お節介かもしれないけれど、体が動いてしまうのです。

でも、良かった。

 

横断歩道を渡ろうとしている人がいたらなるべく車を停止させるとか(本来そうしなければいけないのですが)、

たいしたことではないけれど、

少し気分が良くなるかもしれません。

ぜひ、お試しあれ。

 

4月 1, 2023

クリニックの心臓部。

今週は休診日を中心に電子カルテの入れ替えでバタバタしておりました。

想定外のことが発生しないか緊張して診療を行なっていました。

運用初日に私が電子カルテにログインできないというアクシデントが発生。

担当者が原因を突き止められない中、ちょっと頭を使ってみました。

院長のパスワードをIT担当者が設定した際入力ミスをしたのではないかと考えました。

「人がミスをする時どんなパターンが想定できるか」

まず最初に浮かんだヒューマンエラーの想定通りパスワードを変えてみたところすんなりログイン成功。

冴えてるな、俺、笑。

しかしいつもより疲れマッスル。

 

PC関係は消耗品だと言うけれど、同じ機械でも医療機器扱いになるとかなり高額です。

ただのPCでも、電カル会社の保守をつけるために、機械自体の価格が何倍にも跳ね上がります。

毎月の保守料も合わせると結構な額で・・・。

3月 31, 2023

アマリリスその後。

睡眠ドックのキャンペーンで、専門医のレポートに加えてさらなる補足が必要なケースでレポートを立て続けに作成していました。

精神科の先生も睡眠ドックを受けてくださったので、少しはマニアックな知識を披露しようと思ってレポート作成しました、笑。

詳細な解説に驚いてくださり、頑張った甲斐がありました。

当院では採血結果もそれぞれの患者さんに対して私がコメントを記載したレポートを作成しています。

内科も含めてそこまでやっているところはあまりないと思います。

感動してくださった患者さんがいたので、続けて頑張っているだけです。

どんなに丁寧な仕事をしても全く収益にはなりません、笑。

そんなことばかりやっているので、いつまで経っても忙しくて仕方ありません。

 

文脈的には何ら関係ありませんが、去年開花不全で不完全燃焼だったアマリリス。

球根から新しい葉がニョキニョキ生えてきました。

今年こそ花を咲かせたいですね。

 

だいぶ前に498円で購入したラナンキュラス。

雨風に晒されて、幾度となく倒れたりしていましたが、まだ花を咲かせています。

花瓶に行けた切り花の方がトータルの美しさに軍配が上がりますが、こちらの方が愛着沸きます。

 

 

3月 27, 2023

初診の受け入れ状況につき。

ただ今の初診の予約状況をお知らせいたします。

混雑しており、初診の予約可能日は早くても5月下旬となっております。

ご不便をおかけして申し訳ありません。

また、通院患者さんの人数が一定以上になりますと診療の質を維持できなくなるため、

初診受け入れをしばらくストップさせていただくことがありますので、

どうかご容赦ください。

3月 25, 2023

毎日尽力。

昨日も今日も初診を1日2人診察。

診察前の準備なども含めれば少なくとも1人に90分は時間をかける。

正味2時間、トータル3時間。残りの6時間程度で60人以上の再診患者さんを診察しなければならない。

体調変化があって臨時受診希望する方はしかるべき時間に案内する。

 

予約時間通りに進行するためにトイレも我慢して息するのも忘れているときさえある。

受付の完璧な予約調整と予約時間を守ってくださる患者さん達のおかげで、驚くほどの待ち時間短縮が可能になっている。

毎日分単位でのスケジュールを全力疾走で駆け抜け、完全燃焼で1日を終えている。

 

それでも、患者さんとの初めての出会いである初診は手抜きすることはしない。

病気の内容によっては自分自身を理解するために生い立ちを振り返ることも必要である。

両親との関係や育ってきた環境によりその人のテーマ・課題や不安との向き合い方など心理的なことがわかる。

患者さんも自分1人で振り返るのは意外と難しいので一緒にやってあげると新しい発見もあるようだ。

どうして今このような症状が出ているのかヒントが隠されていることが多い。

 

ただ、心理的な見方に偏ってしまうと、脳の問題、身体の問題などを見落としてしまい、

関係のないことを無理やりこじつけてしまうことがある。

やはり、医学的に脳科学の視点、あるいは身体医学、生理学的な視点からも縦横無尽に病気がどこからきているのかチェックする。心理士ではなくて医師であるアドバンテージだ。

 

90分の時間(正味の診察時間は60分程度)でも患者さんに何が起きているのか全く見当もつかないということは100人診察して1人くらいはいる。

そのうちの半分以上は、正直に病歴や生活歴を話してくれない場合だ。

治りたいと真剣に思って、正直に全てを話してもらえれば、かなり色々なことがわかる。

しかし、大事なことを隠しているときは、やはり話の辻褄が合わなかったり、論理や感情の道筋にギャップができてしまうので、理解不能となってしまう。中には会社に身勝手な要求を飲ませるために精神疾患を装っている人もたまに紛れ込んでいる。

実は電話の時点でそのような人は見抜けるのだが、断る理由が見当たらないときは、一応診察する。

しかし、身勝手な要求に対しては私が微動だにしないので、相手はかなり焦りだす。破談になれば罵詈雑言浴びせて去っていく。

 

私は基本的に患者さんとの会話全てをカルテに記載する。できるだけ、どんな言葉遣いで、どんな風に放った言葉かありのままを記載する。患者さんの話をまったく聞いていない、カルテもほとんど書かない精神科医も少なくない中、自分のことをきちんとキャッチしてもらうという体験は治したいと真剣になっている患者さんにとっては嬉しい体験だと感じてくれるようだ。それと同時並行で、医学的な評価、心理的な評価をカルテにまとめたり、論理の矛盾点や次回もう少し掘り下げたいことなどをメモしていく。脳はフル回転である。ただ、カルテに打ち込み続ける私の背中と首はバキバキだ。

しかし、人を操作して自分の都合のいいような結果を勝ち取りたいと思って嘘をつく人にとっては、いちいち全部記録されていると嘘はすぐにバレてしまうし、厄介で気持ち悪いと感じるようだ。

こちらが全力投球で診療を行なっていても、どういう目的で受診しているかによって全く受け取り方が変わることになる。

 

そのような中、またもやありがたいお言葉を頂戴しました。

本当に嬉しく、励みになります。

私は頑張ってきた人を応援したい。

わかってくれる人がいれば、その方の役に立てればこの上ない。

今は私なりの誠実な医療というものを実践していこうと思う。

私も10年前、5年前の私とは違う。

これからも変わっていくので、この先はどのようになるかわからないが、その時点の最大限を提供しつづけるつもりです。

 

3月 22, 2023

世界一。

WBC世界一。

バッキバキのメジャーリーガー達を相手に勝利。

実は診察の合間にスマホのアプリでWBCを視聴。

職員の導線にスマホを立てかけておいて、

私も職員も通路を通る度に戦況を確認しては興奮し仕事に取り掛かっていた。

パラパラとしか見れなかったけれど、感動したな。

その後も診察で患者さんと感動を共有する場面が繰り返された。

一生物の感動と表現した患者さんも少なくない。

コロナ禍やロシアの侵略戦争などで閉じていた心を開かせてくれたのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月 21, 2023

桜。

朝はWBC。

日本が祝日だなんて、なんという素敵な偶然。

メキシコ戦、9回裏逆転勝ちに感動。

お天気が下り坂なので、曇っているけど今日が花見頃?

チャリで大宮、浦和、見沼へと突き進む。

 

 

 

3月 18, 2023

不眠症治療。

本日は不眠症の大家である内村直尚先生のご講演を拝聴しました。

デエビゴ(スボレキサント)などオレキシン拮抗薬について掘り下げた内容を伺えました。

一つ二つ新しい知見も出てきて、また新たな視点で不眠症治療ができそうです。

眠いので、これにて・・・

 

3月 17, 2023

高齢者のうつと認知症。

今日は慶應大学の三村教授のご講演。

LLD(LateLifeDepression)と認知症について。

慶應での研究は三村教授が就任されてからより一層活発になり、世界レベルとなっている。

認知症も発症してからの治療では間に合わないので、βアミロイドやタウ蛋白が沈着し始めたタイミングから治療ターゲットになっていく様相を呈している。

現段階ではアミロイドPETが可能な施設は限られているし、費用も30万円程度はかかってしまう。

スクリーニング的にアミロイドPETを行える状態ではない。

しかしAβ42/40などのバイオマーカーならばもう少し簡単に検査できるし、

なんと形態MRIでβアミロイドの沈着の状況を80%以上の確率で推定できる技術も開発した。

認知症治療が一気に加速する可能性がある。

高齢者のうつと認知症の鑑別は難しいとされてきた。

しかし、高齢者のうつでもアミロイドパチーだったりタウオパチーかもしれず、うつと認知症は移行あるいは併存していることも評価が必要で、治療も大きく変わっていく可能性がある。

先日は精神科の一部は神経内科に吸収されるのではないかと述べたが、慶應の研究を見る限り、むしろ精神科が神経内科の一部を吸収していくかもしれない。

認知症は治らないから、臨床がつまらないといっていた先生もいたが、これからはとてもやりがいのある仕事になるかもしれない。