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7月 8, 2023

安心してください、履いてますよ!

当院では待合室から診察が始まっています。

私のセンサーが比較的広いクリニックの待合室にまで及んでいるというのは冗談のようで本当のことです。

診察しながらでも、待合室の様子が手に取るようにわかることがあります。

雰囲気とか物音、声色など。ああ今日は子供連れてきているな、

お子さんADHDっぽいな、

今日はテンション高めだな、とか。

 

通院患者さん以外の人が自動ドアから入ってくるとすぐにわかります。

予約外で初診を受けようと直接いらした方に、完全予約制であり当日の診察はできない旨丁重にご説明することがありますが、納得されない方もいます。ちょっと不穏な雰囲気を感じればスタッフの安全確保のためすぐに駆けつけます。

強迫性障害の方が洗面所で激しく手を洗っているのもわかります。

仕事中はずっとアンテナを張っています。

 

また特に初診の方に関してですが、待合室での様子を詳細にスタッフが観察し、私に報告してもらいます。

受付で横柄な態度をとっていて、医師には媚びているとか患者さんの様子は筒抜けになっています。

トイレはどなたかが使用されるたびに清掃しますので、通常ではない使い方で汚される方も把握しています。

排泄と攻撃性の心理的な関係も診断の一助になることがあります。

 

ある日、スタッフが焦った感じで私に報告してきました。

◯◯さん、ものすごい露出したミニスカートなんです!

 

まあ10代後半から20代前半の女性がミニスカートを履いていることはたまにあります。

境界性パーソナリティ障害の方を診察していたときは、かなりの露出の方も少なくはなかったです。

しかし◯◯さんは落ち着いた大人です。

そんなわけはない、まさか今まで躁状態を見逃していたのか?などと思案しながら入室を待ちました。

 

ああ、なるほど。

薄いピンクのタイトなパンツの上に短い紺のスコート(っていうのかな)を履いてたのです。

履いているどころかとてもおしゃれに着こなしておられました。

 

電子カルテを経由して

「履いてますよ!ピンクのパンツ」

と通知したら、スタッフが吹き出しそうになり大変だったそうです。

 

いえいえ、いつもはこんなふざけていません。

 

限られた時間の中でも患者さんの本質を見る為にここまでやっているクリニックも少ないのではないかと思います。

診察室の中はその患者さんの一面しか見ていません。

待合室は別の顔があるかもしれません。

自宅の様子が知りたければご家族に伺うことが必要だし、

会社での様子は上司に伺うことが必要な場面もあります。

(ご家族や上司からの面談のご要請の場合は面談料がかかる場合がありますので必要な方はお問い合わせください。予約が必要です)

院内ではできるだけのことをやります。

だから疲れるんですよね、笑。

7月 6, 2023

保護中: 野生という視点でみた発達障害。

人は動物であるという側面と社会的存在である人間の側面両方を併せ持ちます。

野生の動物と同じように生存本能、生殖への本能があります。

生存競争のための攻撃性も恐怖心もあります。

自分の身を守ためには自分にとって危険な場所や状況を恐怖し避けるという本能があります。

例えば、広場恐怖症。

身動きが取れず、その場からすぐに逃れられない状況を恐怖する病気です。

でもこれって、野生の状況であれば当然ですよね。

すぐに逃れられない場所にいてライオンが襲ってきたら命に関わります。

そういうところにはいたくないと感じるはずです。

現代人ではそのような危険は少なくなっていますが、

小田急線での無差別殺人未遂事件など

実際にはあります。

 

私の臨床経験からは広場恐怖にかかりやすい人の傾向がわかってきました。

それはASD、自閉スペクトラム症の傾向がある人たちです。

部分症状だけの非定型発達の人も含みます。

(もちろんそうじゃない人もたくさんいますよ)

 

自分が危険と感じたり不安を感じた状況に対する記憶が凄まじく、

たとえば体調不良で満員電車に乗って、緊急停車した時に具合が悪くなったことがあったとします。

その記憶を強く脳に刻み込んで、またなったらどうしようと、危険に対する警戒心がマックスに高まります。

 

ASDの特性がある方には以下のような特徴が認められることがあります。

 

7月 5, 2023

保護中: 悪夢障害。

夢ばかり見て寝た気がしないんです。

そうおっしゃる患者さんが時々います。

ノンレム睡眠とレム睡眠

睡眠計ではN1、N2、N3と3段階で表示されます。

うとうと、すやすや、ぐっすり

リアルな夢を見るのはレム睡眠

目がシャカシャカと左右に動いています。

無呼吸

日中の活動性

ストレス

イメージリハーサル法

結末を書き換える

7月 4, 2023

睡眠ドック実施中。

当院は埼玉県のメンタルクリニックで初の睡眠ドック(SUIMIN)を導入した機関です。

自宅で5日間脳波の検査をしていただき、睡眠の質を評価し、アドバイスを行います。

費用は自費で、医療保険は使えません。当院通院中の方は割引きの優待があります。詳しくはお問い合わせください。

 

当院では睡眠に強い関心を持ち、睡眠センターと連携しながら各種睡眠障害の治療のほか、睡眠の検査にも携わってきました。

従来の睡眠時無呼吸症候群の診断のための検査も行ってきましたが、

診療を行う中で、睡眠の質を知りたい!という声をたくさん聴いてきました。

今回睡眠ドックで病気の有無にかかわらず、睡眠の質をチェックできる検査をはじめました。

精密な検査による睡眠ドックは上尾メンタルクリニックが埼玉県の医科、心療内科、精神科で初となります。

(従来の睡眠検査のゴールドスタンダードであるポリソムノグラフ検査との同時計測試験で、中央値86.9%の一致率を確認しています。)

 

睡眠時無呼吸の検査は一般的に一晩の検査であり、その日のコンディションによって数値がだいぶ変わってしまうこともありました。

任意の5晩の睡眠の検査をすることで、平常の睡眠がどうなっているのか評価しやすくなります。従来の酸素濃度の検査はそのうち2日間同時に行います。

睡眠のトラブルのリスクについても評価します。(ただし、通常の診療ではありませんので確定診断やその結果に基づいて治療を開始することはできません)

そして睡眠改善のアドバイスも行います。

 

検査結果は睡眠の専門医が評価して書面にいたします。

さらにご希望の方には当院では睡眠障害の治療や検査に携わってきた院長がその結果を解説いたします。

 

あなたの睡眠しらべてみませんか?

ちゃんと眠れていないと、こんな影響があります。

こんなお悩みも睡眠が関係している?!

自宅でできる精密検査!(脳波測定のため、おでこや首にシールを貼りますので、ご自分で貼れない方はご家族に貼っていただく必要があります)

 

睡眠の質を知るには、脳波計測が最適です

申し込みはお電話の上ご来院いただき、申込書と同意書、問診票にご記入いただきます(メールアドレスが必要です)。

窓口で費用をお支払いいただくか、お振込みを確認させていただいた時点で契約成立とし、その後QRコードと検査のIDをお知らせします。

WEBでの手続きが完了次第、検査キットをご自宅にお送りいたします。

任意の5晩の検査を終えたら、お早めにキットを返送してください。(最初の検査も含め、毎回機器の充電が必要です)

結果は2~3週間後にご自宅にお送りします。

さらに院長による解説をご希望の方はご来院の予約をお電話でお願いします。

(インターネットがご利用できない方は当院でネット手続きを代行いたしますので、睡眠アンケートを手書きで提出していただきます)

(ご来院無しでの申し込み、専門医の報告書を直接郵送やWEBで確認いただくプランも可能です。その場合は院長の解説はありません。)

費用についてはお問い合わせください。

少し価格を抑えた2晩のコースもご用意しています。

2022.9

7月 4, 2023

異常性。

ちょっと気になる本があったので購入してみました。

サイコパスとか犯罪を繰り返す反社会性パーソナリティ障害、尊大型アスペルガー、極端な虐待親とか、

そういう異常性の際立っている、対応に困るような方々について、他の精神科医がどのように対応しているのか

知りたいと思ったのです。私のレベルでは手に負えないので今は診療を行なっていない方々です。

 

ところがざっと拝読したところ、そのような内容では全然なくて、真っ当な精神科医の誠実な日常の診療を描いた小説のような書籍でした。

しばしば臨床で出会う病識のない統合失調症、躁うつ病、境界性パーソナリティ障害、前頭側頭型認知症、自殺未遂者などの診療がリアルに描かれていました。一般の方にもわかりやすく話し言葉で解説してあります。

自分が病気であるという病識の有無、正常と異常の境界線はどこにあるのか、など丁寧に書かれています。

著者の先生は小説家としての才能もお持ちのようです。

文才があるっていいな〜。

小学生のような感想文で失礼いたしました〜。

 

 

7月 3, 2023

マインドフルネス認知療法(MBCT)。

今日も患者さんが多く、一日頑張りました。

仕事も終わらないまま、オンライン研究会。

今晩は慶應認知行動療法研究会。

マインドフルネス瞑想と認知行動療法とが統合されたマインドフルネス認知療法は、英国NICEガイドラインでも、軽症のうつ病の再発予防などに対して実施が推奨されています。(とはいえ医療資源が足りないため、実際は一部の患者さんしか受けられません。どこも金と人が足りないのです)

佐渡教授のレクチャーでマインドフルネス認知療法が作られた経緯を振り返りながら、プログラムの概要についての解説とともに、どのような機序で効果を発揮すると考えられるかなどについて議論されました。

うつ病の再発予防に関しては抗うつ薬と同等の有効性があるようです。

Segal、Teasdale、Williamsらは再発予防を目的としたCBTの開発を計画する中で、一度寛解に至ったうつ病患者がなぜ再発するのか?と言う点に関して、日常生活の中で生じた些細な落ち込みが引き金となって否定的な思考が誘発され、思考が反芻を始める(ぐるぐる思考)ことで抑うつ気分が増大し、うつ病に引きずりこまれていくと言う仮説に辿り着いたようです。

それに対して「脱中心化」と言うスタンスをとることが重要だと気がついたのです。

その手段として瞑想技法を活用しました。

脱中心化=メタ認知能力

不安や落ち込みは消えはしないけれど、冷静に対応できる可能性が高まるのです。

そして、脱中心化が進むと自動的にセルフコンパッションも上がっていく、

これがとても面白いところです。(暖かく側から見ている感じ)

私が精神療法でやっているところも、脱中心化をお手伝いし、トラウマを受けた小さい頃の自分を労ってあげることを支援していますが、

同じ真実を見ているのではないかと思い感動しました。

ただ、MBCTでは、トラウマがきついパニック障害やPTSDに対してはフラッシュバックを起こしてしまうことがあるので注意が必要とのことでした。

またバリバリの反芻思考にはMCBTでは対処が厳しいところがあり、そのようなケースには反芻をターゲットした従来のコラム式CBTを推奨されるとのことでした。

なぜこうなったのかと言う沼に落ちてしまうので、WHYではなくHOWどうやっていくかターゲットにしていくところも、最近の精神療法に共通した手法ではないでしょうか。

 

ちょっと一般の方には難しいかな?

 

7月 3, 2023

キーボード。

電子カルテを入れ替えたのですが、色々と

メリットよりもデメリットが大きかったような気がします。

その中の一つにキーボードがとても打ちにくくなりました。

そこで、別のキーボードを試しに購入しました。

エルゴノミックなんちゃらは高い割に慣れないので、結局オーソドックスな形の大きめのキーボードにしたところバッチグー!

2500円くらいです。

少しかちゃかちゃ音がするので、気になる方はごめんなさい。

タイピングよりも話を聴く方に集中したいので、お許しください。

 

 

電子カルテ繋がりのお話しですが、

国はマイナカードと保険証を一体化し、さらに電子カルテを共通カルテとして他の医療機関のカルテも見れるようにしようとしているようです。

特に精神科だとかなりプライベートな話もあるので、例えば知り合いの医療事務のスタッフとかが勝手にあなたの個人情報閲覧できるとしたら問題じゃないでしょうか?

断固反対ですね。みなさんも声をあげてください!

このまま強行するなら(まあ、いつも無理やり強行するよね)当院では2重カルテにして、プライベートな内容は別に保管し、外部からアクセスできないようにしようと計画しています。

7月 2, 2023

ラケット買います。

テニスを始めてから2ヶ月半。

おっさんでもまだ間にあう!を合言葉に練習に励みました(オオゲサ)。

優しいコーチにうまい!うまい!とおだてられ、

結構いい感じになってきました。

とりあえずラリーして遊ぶところまではできそうです。

 

と言うことで、今までレンタルラケットでしたが、自分のラケット買います!

コーチのおすすめでレベルが上がっても使えるモデルにしました。

楽しみです。

 

一方、ショッキングなことも・・・

テニスを初めてから体重は鰻登り。

太ももやお尻が筋肉でムチムチしてきました。

 

なかなか体重減らないんですよね、

とコーチにつぶやくと

「テニスは痩せないよ。

だって、止まっている時間多いし、瞬発系だから」

だって。

 

痩せるって信じていたのに・・・

体が軽くなって、階段とかスイスイ登っちゃうイメージだったのに・・・

 

テニスとは別に、ランニングなど有酸素系の運動しないといけません。

 

ん〜、テニスの時間作るのに相当大変だったのに、走る時間作るの厳しいっす。

 

 

それはそうと、テニスは楽しいし、運動後のシャワーが超気持ちーのです。

コーチと話していると、いかに生徒に楽しんでもらうか、生徒が楽しいとコーチも楽しい、

そういう視点で教えているとのこと。

 

いいね!

 

そう考えると我々の世代の部活ってなんだったんだろうか?。

技術も楽しさも教わることなく、素人の先輩からのしごき、無限坂ダッシュ。

予算の関係上、きちんと教えられるコーチを中学生や高校生ごときに配置するなんて無理だったのはわかります。

しかし、あれだけの時間と熱意を費やしたのに、大した技術も習得ことなく過ごしたのはなんともったいないことかと振り返ります。

テニスなんて言うおフランスの貴族が始めた高貴なスポーツと違って、ストリートから発祥したサッカーやバスケをやるのが精一杯だった少年時代、コーチをつけるなんぞ、夢のまた夢でしたね。

 

 

 

7月 1, 2023

薔薇色の人生。

イブピアッツェ。

香水のような香りのするバラ。

昔バラガムってあったの知っている中高年の皆様はいらっしゃいますでしょうか。

ガムを噛むと汗がバラの香りになり、体臭が心地よいものになるとか、ならないとか。

好きでよく食べていたのですが、すぐに廃盤になってしまいました。

汗がバラの香りになった自覚はなかったですね、笑。

 

薔薇色の人生って言う表現、最近はあまり使わないですけど、

そんな人見たことないですね。

精神科医だから?

どんなに輝かしく見えても、それぞれ事情があります。

 

自分で自分のこと薔薇色の人生だな〜って思うのはとても良いと思いますが、笑。

 

 

6月 29, 2023

幸せ。

6月29日。

肉の日。

連想が、食欲丸出しでお恥ずかしい。

 

新宿で研修会があり、お腹が空いたので、昔訪れたことのあるブラッスリーに立ち寄った。

ちょっと贅沢な2500円のランチ。

でも、この物価高で、この美味しさで、2500円は破格だと思う。

家賃も相当高いはずで、赤字なのではないかと心配してしまう。

 

ラム肉と魚介グラタンのワンプレート。

カシスソースが香ばしく焼いたラムチョップによくあう。

パンにつけるオリーブオイルも絶妙に美味しい。

もちろん大人になってから初めて食べたものだが、

懐かしくて、温かい気持ちになった。

ぼっちであるが、素敵な時間を過ごせた。

ありがとう。