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3月 25, 2023

毎日尽力。

昨日も今日も初診を1日2人診察。

診察前の準備なども含めれば少なくとも1人に90分は時間をかける。

正味2時間、トータル3時間。残りの6時間程度で60人以上の再診患者さんを診察しなければならない。

体調変化があって臨時受診希望する方はしかるべき時間に案内する。

 

予約時間通りに進行するためにトイレも我慢して息するのも忘れているときさえある。

受付の完璧な予約調整と予約時間を守ってくださる患者さん達のおかげで、驚くほどの待ち時間短縮が可能になっている。

毎日分単位でのスケジュールを全力疾走で駆け抜け、完全燃焼で1日を終えている。

 

それでも、患者さんとの初めての出会いである初診は手抜きすることはしない。

病気の内容によっては自分自身を理解するために生い立ちを振り返ることも必要である。

両親との関係や育ってきた環境によりその人のテーマ・課題や不安との向き合い方など心理的なことがわかる。

患者さんも自分1人で振り返るのは意外と難しいので一緒にやってあげると新しい発見もあるようだ。

どうして今このような症状が出ているのかヒントが隠されていることが多い。

 

ただ、心理的な見方に偏ってしまうと、脳の問題、身体の問題などを見落としてしまい、

関係のないことを無理やりこじつけてしまうことがある。

やはり、医学的に脳科学の視点、あるいは身体医学、生理学的な視点からも縦横無尽に病気がどこからきているのかチェックする。心理士ではなくて医師であるアドバンテージだ。

 

90分の時間(正味の診察時間は60分程度)でも患者さんに何が起きているのか全く見当もつかないということは100人診察して1人くらいはいる。

そのうちの半分以上は、正直に病歴や生活歴を話してくれない場合だ。

治りたいと真剣に思って、正直に全てを話してもらえれば、かなり色々なことがわかる。

しかし、大事なことを隠しているときは、やはり話の辻褄が合わなかったり、論理や感情の道筋にギャップができてしまうので、理解不能となってしまう。中には会社に身勝手な要求を飲ませるために精神疾患を装っている人もたまに紛れ込んでいる。

実は電話の時点でそのような人は見抜けるのだが、断る理由が見当たらないときは、一応診察する。

しかし、身勝手な要求に対しては私が微動だにしないので、相手はかなり焦りだす。破談になれば罵詈雑言浴びせて去っていく。

 

私は基本的に患者さんとの会話全てをカルテに記載する。できるだけ、どんな言葉遣いで、どんな風に放った言葉かありのままを記載する。患者さんの話をまったく聞いていない、カルテもほとんど書かない精神科医も少なくない中、自分のことをきちんとキャッチしてもらうという体験は治したいと真剣になっている患者さんにとっては嬉しい体験だと感じてくれるようだ。それと同時並行で、医学的な評価、心理的な評価をカルテにまとめたり、論理の矛盾点や次回もう少し掘り下げたいことなどをメモしていく。脳はフル回転である。ただ、カルテに打ち込み続ける私の背中と首はバキバキだ。

しかし、人を操作して自分の都合のいいような結果を勝ち取りたいと思って嘘をつく人にとっては、いちいち全部記録されていると嘘はすぐにバレてしまうし、厄介で気持ち悪いと感じるようだ。

こちらが全力投球で診療を行なっていても、どういう目的で受診しているかによって全く受け取り方が変わることになる。

 

そのような中、またもやありがたいお言葉を頂戴しました。

本当に嬉しく、励みになります。

私は頑張ってきた人を応援したい。

わかってくれる人がいれば、その方の役に立てればこの上ない。

今は私なりの誠実な医療というものを実践していこうと思う。

私も10年前、5年前の私とは違う。

これからも変わっていくので、この先はどのようになるかわからないが、その時点の最大限を提供しつづけるつもりです。

 

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