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1月 10, 2024

振り返ると。

有難いことにこの年末年始はあちこちからお誘いがありました。

 

まずは大学の同級生から冬山でのキャンプのお誘い。

彼らはつい先日もガチのトレッキングランや登山をしてきたばかり。

そんな人たちと冬山に行ったら私だけ帰ってこれないのではないかとビビり、即お断り、笑。

 

また、久々に一回り年下の友人が直管マフラーの車で自宅に来て、「先輩、正月暴走に行こうよ」って・・・

「今、そんなの無いから!」

「そんなことやってるおっさんどこにもいないから!」

と、即お断り、笑。

 

乗った誘いもありました。

高校の同級生の集まり。

今や進学校のランキングなどには全く出てこない普通の学校なのですが、なぜか当時私のクラスの3分の1以上は東大へ進学、3分の1弱は医学部、残りは早慶に進学という偏った感じでした。それぞれが歩んできた道のりも特異な者が多く、色々な業界の話が聞けて面白いのです。

文科一類経由で東大法学部に行った人達はほとんどがいわゆる官僚へ。通産省に行って半導体会社ラピダスのプロジェクトリーダーやっているやつ、総務省で大活躍しているやつ、東大主席で卒業して財務省に行ったやつとか。元々右寄りな人達が多かったので、やっぱそうなるよねって感じで。

通産省のエリート君はナンパだけど柔軟でバランス取れてるやつで、総務省の彼はまじめで硬派だけど、アスペルガーのような偏りが全然ないやつでした。ほどほどの成績でちょっと偏りがあって1人の世界で自惚れてしまった人は官僚になってからも他者を見下し支配することに注力してしまっているのは感心できないな、と感じています。たとえば財務省は「ここは気に入らないから予算つけてやんない!」とかそういうノリが実際にあったりします。このような自惚れ者を持ち上げて予算つけさせるために、ノーパンしゃぶしゃぶ接待などというものが存在したのです。

東大理科一類に入った(学力的には理科3類以上に優秀だった)同級生は、研究者として海外へ行った者が多かった。ポスドクなどの待遇が悪いのは日本の国力を明らかに損なっているよね・・・と問題視してましたが、ほらみろその通りになってきた。国策の間違いの結果なのです。

とてつもなく優秀な研究者となった彼らもとてもバランスや常識のある有能な人たちでした。

慶應、早稲田に進学した者は量子力学の教授、投資の専門家、商社などいろいろです。

多くの友人の共通項はこの年齢にしてかなりのアスリートであること。フルマラソンとかウルトラマラソンとか。東大卒業して100マイル(165キロ)マラソンとかトレッキングランで世界クラスで表彰台に上がっている者もいると聞いて驚きました。振り返ると超ストイックな人が多かったのですね。

私は最近テニスを始めたのだけれど、はっきり言ってリハビリ程度。もう少しがんばろうと思ったのでした。

なんだかんだ言ってまだまだ競争社会だけど、異業種の友人との付き合いがあって、お互いにリスペクトしていれば、妬みから生じる足の引っ張り合いみたいなことはさけられると思います。

 

 

 

 

1月 1, 2024

能登地震トラウマケア初期対応に就き。

本日、能登半島で震度7の地震がありました。余震や津波の情報もあります。
被災地にお住まいの方、お見舞いを申し上げます。不安な夜をお過ごしになるかと思いますが、第一に命を守る行動をとってください。

被災地でケアする側の(トラウマケアを専門とされない)医療従事者に向けてのメッセージとなります。

ダメージは気付かぬうちに遅れて現れます。まずは支援者としてご自身が無理をしすぎないようにしてください。

トラウマケアの初期対応を簡単に記します。病気を治すのではなく、病気にならないための対策ですので、通常の精神科診療(すでに定着しているトラウマ症状を軽減したり、トラウマの処理をする治療)とは異なる対応になるかもしれません。

被災中あるいは被災直後ではこの恐ろしい体験や不安な感情が脳に刻み込まれてしまうことをできるだけ避けなければなりません。

命に関わるような怖い体験をすると涙が出たり、過覚醒となり不眠、不安、気分の高揚などが認められることがあります。それらは自然な反応です。悪夢のような記憶を睡眠によって脳に定着させるのを眠らないことで阻害するという防衛反応でもあります。(睡眠には記憶を定着させる作用があります)。被災急性期においては無理に眠らせようとしなくてよいです。眠れなくてもよいので、身体を休めるようにしてください。

お子様がいればできれば身を寄り添ってください。恐怖に打ちひしがれているひとの話を聞くときは、ネガティブな内容に肯定しすぎたりオーム返しをしないでください。恐怖やつらい気持ちをリピート・オーム返しすると負の記憶の定着が強化されてしまいます。本人が自分のペースで体験を語るのでなければ体験を無理に聞き出そうとしないでください。

話を怖くてつらいままで終わらせず、「逃げてこられた、命が助かってよかった」というポジティブな内容で話をしめくくるようにして下さい。恐怖の場面からコマ送りして過去の出来事として処理し、今は助かって生きているという部分に意識を向けるようにしてください。

トラウマ記憶とは恐怖体験がその時空間のまま異質な形で凍結保存されてしまうからです。

メンタルクリニックに通院中の方で処方薬をお持ちの方、(内科医でもいいので)医師の指示をうけられる状況にある方へのお薬のアドバイスを下記に記します(服薬は医師とご相談の上で行ってください)。

恐怖体験の記憶の定着を阻止する作用があるものとしてβブロッカーがあります。もしドキドキしていたり血圧が上がっている状況で腎機能障害などなければ、インデラル(プロプラノロール)などの服用も有用です。

また、抗精神病薬はトラウマの蓋をしてくれるかもしれません。オランザピン、クエチアピン、リスペリドンなど抗精神病薬のうち飲み慣れているものであれば利用できるかもしれません。過覚醒の症状が強すぎるような場合に有効なことがあります。

急性期には睡眠薬はあまりおすすめできないかもしれません(無理に眠らなくていいです)。

(内科の先生はSSRIを使用するかもしれませんが、急性期には向かない薬です。)

少し経つと地震ごっこ遊びを始める子どもがいるかもしれません。凍結保存された恐怖の記憶が溶け出して、処理をしているところです。大人であれば思い出してフラッシュバックするかもしれません。記憶の処理の過程なので、無理に止めなくていいです。地震ごっこを嫌がる子もいます。怖い体験からの回避行動でこれも自然な反応です。嫌がる子に地震ごっこをさせないでください。みなさま一人一人様々な反応を起こします。それぞれ別の場所で遊ばせましょう。ガタガタ揺らしたり破壊行動を伴うような危険な地震ごっこをする子どもには、地震ごっこをしたい気持ちは認めつつ、怪我をしないような形で遊ぶように誘導しましょう。できれば、一緒に遊んで、安全な場所に逃げて助かったというハッピーエンドにして遊びを終わらせてあげてください。

以上とりいそぎのトラウマケアの情報提供です。

どうか安全な場所で、まわりの人と寄り添い、暖を取って温かいものを口にできる状況でおすごしになれますようお祈り申し上げます。