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7月 6, 2025

食べ物と愛と薬。

精神分析的なお話。

だいぶ前にも何度か書いた内容ですが、、、

 

食べ物は親からこどもへの愛情の証し。

こどもが健やかに育つように、

愛しいこどもに、母乳を与え、食べ物を与え

愛情を伝えます。

味噌汁の出汁はそれぞれの家庭の味。

手間暇かけて美味しいものを食べさせたいと工夫します。

こどもはその愛情を口から取り入れて成長していきます。

多すぎてもだめだし、少なすぎても飢えてしまう。

過食も拒食も他者からの愛情の取り込みに課題があります。

他者への警戒心が強いASDの傾向がある人の中には偏食が多く認められるし(本来は味覚過敏によるのだけれども)、他人のおにぎりや手料理が食べられないという人も少なくありません。

食べ物と薬は全く違うものだけれど、同じことが言えます。

信頼できる医師の処方薬は飲めるけど、信頼してなければ飲めない。

また人を信用できず、全てをコントロールしたいという人は医師の処方通り服薬せず、自己流の飲み方をし、医師のアドバイスを聞きません。

逆に医師から見れば、薬は患者さんへの治療という愛情の表現でもあります。

患者さんが健やかになるように、考えぬいて、

なるべく毒が入らないよう最善をつくす。

過量であってはならないし、効かないものもいみがない。

どんな薬を処方するのか、それを決定するために、患者さんの詳しい細かなことまで力を振り絞って把握し、調合(調理)するのです。

開院当初から常に意識してきたことです。

6月 20, 2025

どこのクリニック・病院がいいの?①

良いクリニックや病院をどうやって見分ければいいんですか?

他のクリニックや病院でひどい目にあった経験がある方によく聞かれる質問です。

いいか、わるいか、絶対的な基準というよりは結局相性なのかな、とも思います。

うちみたいに、こだわってやっているところは合う合わないあると思います。

ただ、私は医療人なので、「しっかりした誠実な医療をやっているのかどうか」

自分や家族が患者だったらどこにかかりたいか、この1点にはこだわって判断します。

私は私自身がかかりたいと思うような医療を実践すべく日々努力していますが、接遇や営業的な側面ではかなり弱いとは思っています。

一番確実なのは自分がまともだと思う医師からおすすめの医師を聞くのが良いと思いますが、

一般の人はなかなかそういう情報にアクセスできませんね。

医療にどっぷり使っている人は、一般の皆様が想像している以上に正義感が強いです。

また善意がある人も多いのです。(今少々荒れている人もいるのは、追い詰められているからです)

 

たとえば通院中の患者さんが妊娠すると、どこの産婦人科で出産しようか迷うことがあります。

無難に?近くの大きな病院を受診する方も多いのですが

何人もの患者さんが担当医の対応に不信感を抱いてきました。

とても悩んでいたところ、保健師さんも同じ意見だといわれたそうで、悩みがさらに増し、私に相談されました。私はあっさり別の病院を勧めたところ、本当に安心してすごせたと喜んで出産することができたそうです。

 

一般の方はどのように病院を選ぶのでしょうか?

Googleレビューを参考にされる方も多いと思います。

我々には、「これはやらせ=ステルスマーケットの口コミだな」「これはモンペにからまれちゃったんだな」「業者の書き込みだな」「これはほんとっぽいな」

などと大体わかってしまうのですが、皆様には判別がつかないのかもしれません。

そこで、患者さんに聞かれたら答えているメンタルクリニックや精神科病院の口コミの見分け方の一部をお伝えします。

 

以下は専門家から聞いた精神科の場合の話ですが、、、

Google口コミ・レビューが4以上はやらせの可能性があるとのことでした。特に4.5以上というのはメンタルクリニック・精神科病院ではかなり現実離れしています。

メンタルにトラブルをかかえている方のなかには必ず攻撃的・他罰的な方がいて、どんな対応でも必ずトラブルになる人がいます。全員がいい評価というのはまずないです。どこでもトラブルになるような人は大抵医療機関でトラブルを生じ、その腹いせにGoogleレビューに書き込んでダメージを与えようとするのです。

 

開院してからまもないのに、やたらと口コミの数が多いのは、ほぼステルスマーケットの可能性が高いです。

手段は色々です。

口コミ業者を雇って、良い口コミをさせる

というものが以前は主流だったそうです。

見分け方は色々ありますが、やたら院内の写真、外観の写真など掲載して、他人に受診を勧める内容だったりします。

患者さんは普通写真など撮りません。

良い体験をした人は良い口コミをして他人に受診を促すのではなく、感謝の気持ちを伝える場として使うことが多いのです。

仲間のクリニックの近くにほとんど同じ名前の医療機関ができたそうです。

新しいクリニックのレビューはやらせの口コミでいっぱいでした。

しかしある日仲間のクリニックのレビューに、近くにできたクリニックに対しての賞賛のレビューが誤って書き込まれていたそうです。

慌ててレビューを新しいクリニックのレビューに引っ越しされていたとのことでした。

さくら業者が間違ってちがうクリニックの口コミを書いちゃった、そんな話です。

 

別の手段は、実際に患者さんにかかせるというものです。

初診の段階で、感想を聞いて不満に対応したのちに、口コミを書いてくれたら本を差し上げますとか、飲み物を差し上げますとか

その場で書くように促し、場合によってはどんな内容かチェックするそうです。スタッフの目の前で悪いことは書きにくいですね。

これは違法行為だそうです。

 

医療って割とそういうところは真面目にやっている人が多かったのですが、

ビジネスの悪い側面ばかりを学んできている人たちは平気でそういうことをするのです

 

株式会社が純粋に儲けだけを追求して参入してくると医療の良いところはどんどん失われていき、

続く

 

 

 

 

 

6月 8, 2025

ホームページをパクる。

下品な表題で失礼いたしまする。

開業以来ずっとこんなくだらないブログを書き続けているメンタルクリニックも珍しいのではないでしょうか?

どういうわけか、このブログをご覧になって受診される方も少なくありません。

「ブログ見て来ました!」って言われると、嬉しい一方、顔から火が出るほど恥ずかしい気持ちになります。

医療情報に限らず、私の暴言も書き殴る。

眠気に耐えられなくなるまで書いて、

 

校正せずに途中でもとりあえずそのままアップする。

そんなスタイルでやって来ました。

校正して、きちんとした文章にしてから公開していたら、ほとんど更新できなかったでしょう。

そんな暇、ありません。

 

ブログ以外のホームページの本文については、最初は真面目に真面目にしっかりした内容を吟味して作文しました。

一部業者さんが用意してくれた文章を使っている部分もありますが、疾患の説明などは厚生省などが公表しているものをそのまま使うのではなく、私のオリジナルの解釈も織り込んだ内容となっております。その違いに気がついた方が受診してくださったりしました。

10年以上経ってアップデートすべきところもありますが、先延ばしになっています。

 

その他診察の案内など横浜の先輩のホームページを参考にさせていただきました。

先輩から拝借した文言以外は、できるだけ自分の考え出した表現を使い、他のHPとは違うものを作ろうと頑張りました。

 

しばらくすると、私の独自の文章の一部がそのままさいたま市のクリニックのHPに載っているのを発見。

最初は自分のH Pを見ているのかと錯覚しました。面識がないわけではないので、一言言ってくれればいいのにと思いました。

その後も新しいクリニックのHPに私の言葉が・・・

また精神科病院のHPがリニューアルしたと思ったら、また私の表現が・・・

みんな結構普通にパクるんだな、と感心しました、笑。

 

でも、模倣されるということは、彼らに響くものがあったということなのでしょう。

それは誇らしいことでもあります。

ただ、私のHPが陳腐になってしまったので、また他人とはちょっと違うものを作ろうかと思いましたが、

もうどうでもいいか?笑。

 

 

 

6月 5, 2025

薬はいつまで飲むのですか?

全例にできるわけではありませんが、当院ではなるべく初診の時点で詳しい病状とその原因や背景、さらには見通しまでも立ててお伝えするように全力で診察を行っています。(どうしてもわからないことや最初の見立てが違っていることもありますが)

ある程度の治療計画が見込める場合は、どのくらいのスパンで服薬が必要になるかお伝えすることもありました。

最近では、それもちょっとやりすぎだなぁと思う節がありまして、少し落ちついたころにお話ししようと思うようになりました。

たとえば、うつ病の患者さんはとても悲観的な状態で受診されます。それでもご本人はどこかで「受診して治療すれば風邪のようにすぐに治って薬も不要になる」という理想を思い描いていることも少なくありません。

自分がどういう状態なのか、

改善するのか、

それらがわかるだけでかなり安心できることが多いです。

しかし、その先の維持療法の見込みまで言われてしまうと、理想と違っていることで少し落胆してしまいます。

正直に全てをお話しする誠意も大事ですが、お伝えするタイミングも簡単ではありません。

また、初診時に全てを盛り込むと患者さんも理解仕切れないかも知れません。

 

できれば、患者さんのほうで疑問に思ったタイミングで聞いていただければと思います。

 

「薬はいつまで飲むのですか?」

答えは「ケースバイケース」です。

 

うつ病と言ってもそれぞれの背景や特性、生活、置かれた状況など千差万別です。

一般論で論文のデータを提示して説明することは簡単ですが、でもそれって目の前の患者さんに当てはまるの?っていう話です。

初めてうつ病になった人と、2回以上うつ病を繰り返している人では統計的に再発率には差があり維持療法の期間は違ってきます。

それは一般論でもあり、だいたい目の前の患者さんにお伝えしても間違っていないですが、

初回であっても、長めにした方がいい人と、早めに切り上げても良さそうな人もいて、ある程度見通しは立てられることがあります。

 

発達障害という言葉が知られるようになってから久しくなりましたが、当院では発達障害とまでは言えないまでも非定型発達の部分特性がどのように発症に関連しているのかなど、背景にある要素を詳しくアセスメントしています。

ネックになっている発達特性が、現在の環境でどれだけ支障をきたしているのか、環境が変わる見通しはどうなのか、その辺りまで考えると、維持療法をどれくらい続けるべきか検討する材料になると思っています。

 

また、服薬の期間と障害の程度は必ずしも一致しません。

「睡眠薬が悪」という風潮がありますが、(薬剤の種類は厳選しますが)ケースによっては年単位で使用した方が良い場合があると思います。

とある大企業の取締役としてご活躍されている能力の非常に高い方が何人か通院されています。

どの方も社会適応は問題ないわけです。

ただ、元々の特性として過集中、過覚醒、マルチタスクの特性があって、かなりのタスクをこなされているわけです。

そういう方は色々な生活習慣を工夫しても、なかなか良い睡眠が取れなかったりします。

「寝れなくても死にはしない」という乱暴な言い方をする人もいますが、睡眠はとても大事な役割があります。

心身の調子を整え、記憶を整理し、脳のゴミを排泄する働きがあります。

脳にゴミが溜まると認知症の発症を加速させます。

治療してでも睡眠をとった方が良いと考えます。

役職定年などのタイミングで減薬して、定年後に(対象喪失のうつ症状がなければ)廃薬に持ち込めることも少なくありません。

長期的な計画ですが、そのようなケースもあります。

 

漫然と処方を続けるのではなく、ちゃんとビジョンを持って維持療法を行っているのです。

 

 

 

 

5月 19, 2025

自己肯定感って。

今日の診察の中で、患者さんと「自己肯定感」についてお話しする場面がありました。

「自己肯定感が低い」

「自己肯定感を高める」

そんな表現が巷で溢れています。

メディアでも若干誤解してこの言葉を使っており、多くの方が少し違った捉え方をしていると思います。

「俺ってすごいぜ」

「俺、完璧」

「ラーメン、つけ麺、僕イケメン♪」

こんなふうな感覚が「自己肯定感」としてイメージされていますでしょうか?

最後のはちょっと違うかもしれませんが・・・しかも古いか、、、

 

以前のブログでもお話ししたことがありますが

「自己肯定感」ってもっと控えめなもので

「これでいい」

「こんな私だけど、それでいい」

「これで〜いいのだ〜これで〜いいのだ〜ボンボンバカボン、バカボンボン」

という感覚です。

最後のは昭和世代にしかわからないかもしれませんが、笑。

すごくなくて全然いいのです。

キラキラしていなくていいのです。

インスタで羨ましがられる生活しなくて全然構いません。

 

私の場合、精神科医として「これでいい」と思えるようになったのは正直最近になってからかもしれません。

医療が生身の人間を相手にしており、まだ解明されていないこともたくさんある中で、「完璧な医師」というのは成立し得ないのですが、ずっと完璧になりたいと思ってきました。どんなに勉強してもどんなにあがいても、わからないことがたくさんあって、うまく行かないことがある。

でも、クリニックをはじめて10年間、ひたすら丁寧に、納得がいくまで、特に初診を大事に診察して最初の見立てとその後の答え合わせをするということを繰り返してきました。

5分の初診で患者数をこなす医師もいれば、初診の大半を心理士やPSWに任せて最後だけ医師の診察で締めくくるという医療機関も多い中、医療経済上とても効率が悪いと言われようが、専門医が最初から最後まである程度の答えが出るまで時間をかけて初診を行うということを愚直に繰り返してきました。患者さんが抱えているものが大きな場合は2時間以上かける場合も少なくありませんでした。

その結果、やっと自分なりに納得のいく見立てができるようになってきました。

決して完璧でも完成でもありませんが、ひとまず、今のやり方で良いと思えるようになってきたのです。

折しも、患者さんからのポジティブなフィードバックを次々といただけるようになり

それを噛み締めています。

10年前とは別の次元になってきました。

 

ここ1週間の例では、

「今まで何十年と人に理解されないだろうと思って話すこともしなかったけれど、今回先生に話してみようと思って理解してもらえるという体験が衝撃的でずっとあった胸のつかえがとれました。先生はすごいとおもいました」

「はじめて先生に傾聴してもらった時、水中にいるような一瞬空気が止まったような、なんだこの静寂な世界はという感覚がしたことを覚えています。自分のこだわりが足を引っ張っていることに気がつきました」

「当たり前のようにたくさん話をさせてもらいましたが、自宅に帰って友人に話したら、こんなに初診でじっくり聴いてくれてきちんと評価してくれるところは他にないよって言われました。本当にありがとうございます」

 

こんなありがたい感謝の言葉をいただきました(ご本人たちのお言葉其のまま)。

その他にもお褒めの言葉を頂戴しました。

 

俺ってすごいぜ!

 

あれ?なんか違いますね、そういう話ではありませんでしたね。。。

これはうぬぼれに近いかもしれません。

うぬぼれはよくありません。

すみませんふざけてしまい、ちょっと照れ隠しです。

 

これからも健康に気をつけながら、しっかりとした診療を行なっていくという今までの方向性でやっていきたいと思っています。

 

さて、冒頭の「自己肯定感」。

やはり生育環境の影響は大きく、親からの心理的虐待など受けてきた方が「自己肯定感が低い」大人になりやすいと感じています。

虐待の難しい問題は、「こんなことをするひどい親」なのだけれど、「やっぱり親に愛されたい、認められたい」「親だから嫌いになれない、親のことがどうしても気になる、親を否定しきれない」という葛藤が生じやすく、自分自身のあり方に混乱が発生してしまうことです。この矛盾した葛藤があるからこそ虐待の問題は苦しいのです。これは人生の長い間の課題となります。

こういった被虐待の問題を抱えた人たちが、その苦しみから抜けるためには、一旦「親は自分の望む形では愛してくれないのだ、事情があってそういうことができない人なのだ」と親に期待することをいったん諦めることではじめて再生が始まります。

自分の頭の中、心の中に棲みついて、「自分を否定する、責める、見捨てる親」の存在に気がついて、自分なりの親との適切な距離を見直す必要があります。

例えば、親とはお盆と年末年始にしか会わない、年に1回連絡を取るだけにする、別居する、

あるいは一切関わらない、そんな選択肢もありだと思います。

自分でどのような距離を保つか選ぶのです。

そこからはじめて辛かった自分を慰め、癒し、育てて再生することが始まります。

 

そういった一連の再生を支援するために「心の安全基地」が必要となるのです。

患者さんのことをしっかりと理解し患者さんの持つ本来の良さをきちんと評価してあげる「心の安全基地」となることが開院のテーマでした。

10年ほど前のブログに書いたかもしれませんが、当院のロゴマークはそのような意味を持っているのです。

 

当院で全ての方を受け入れることができないのは心苦しいのですが、多くの方に「心の安全基地」を実感していただけるようになったことはこの上ない喜びです。

いつもありがとうございます。

https://www.uta-net.com/movie/3150

 

ちなみに親子関係のカウンセリングなどは当院ではやってませんので悪しからず。

虐待親の治療も行なっていません。

治療対象となる症状を抱えた方々の背景にある問題を、診察の中でタイミングを見計らってご指摘したり、助言したりしながら症状の改善を目指すのが当院の治療となります。

6月 12, 2017

上尾市広報誌ー不眠

 

 

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http://www.ageomed.com/index.php?action=guide62:index

 

平成29年7月上尾市広報に私の執筆した「今月の健康ー不眠」が掲載されます。是非ご一読を!

今の時期、キンキンに冷やした水でつくる水出し緑茶も睡眠によいですね。冷えた水でつくる場合は、カフェインはあまり抽出されず、リラックス効果のあるテアニンが抽出されます。熱いお茶はカフェインが含まれますので寝る前だと冴えてしまいますので、ご注意を。

 

 

☆ただいま初診の予約が8月以降となっております。

折角お電話をいただいても他の機関に当っていただくことになった皆様、すみませんでした。

ご予約の方、お待たせして大変申し訳ありません。

 

 

11月 1, 2014

はじめまして。

はじめまして。

本日開院の

上尾メンタルクリニック

院長の八木です。

心療内科、精神科のクリニックです。

私はブログというものを書くのは初めてなので、何を書いてよいものかわかりませんが、

気が向いたら更新しようと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。