Written by 上尾メンタルクリニック
精神分析的なお話。
だいぶ前にも何度か書いた内容ですが、、、
食べ物は親からこどもへの愛情の証し。
こどもが健やかに育つように、
愛しいこどもに、母乳を与え、食べ物を与え
愛情を伝えます。
味噌汁の出汁はそれぞれの家庭の味。
手間暇かけて美味しいものを食べさせたいと工夫します。
こどもはその愛情を口から取り入れて成長していきます。
多すぎてもだめだし、少なすぎても飢えてしまう。
過食も拒食も他者からの愛情の取り込みに課題があります。
他者への警戒心が強いASDの傾向がある人の中には偏食が多く認められるし(本来は味覚過敏によるのだけれども)、他人のおにぎりや手料理が食べられないという人も少なくありません。
食べ物と薬は全く違うものだけれど、同じことが言えます。
信頼できる医師の処方薬は飲めるけど、信頼してなければ飲めない。
また人を信用できず、全てをコントロールしたいという人は医師の処方通り服薬せず、自己流の飲み方をし、医師のアドバイスを聞きません。
逆に医師から見れば、薬は患者さんへの治療という愛情の表現でもあります。
患者さんが健やかになるように、考えぬいて、
なるべく毒が入らないよう最善をつくす。
過量であってはならないし、効かないものもいみがない。
どんな薬を処方するのか、それを決定するために、患者さんの詳しい細かなことまで力を振り絞って把握し、調合(調理)するのです。
開院当初から常に意識してきたことです。