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1月 15, 2023

GOODBYE KEN BLOCK

私の憧れた神業ドライバーのケン・ブロックが1月2日午後、ユタ州においてスノーモビルの事故で亡くなりました。

死と隣り合わせのヒリヒリするような圧倒的なコントロールによるケンのドライングは私の心を奪いました。

ちょっとジャンルは違うけど、私もモータースポーツに命をかけていた時期がありました。

彼はスピードの先に何を見ていたのかな。

GOODBYE KEN BLOCK

 

https://m.youtube.com/watch?v=aZTDfqX7ZxU

https://m.youtube.com/watch?v=LuDN2bCIyus

 

これ、CGじゃないです。

 

1月 6, 2023

本日より通常診療。

年末年始のお休みが終わり、本日より通常診療です。休み中に変調をきたした方もおらず、平穏に年明けを迎えられています。

何年も前から窓際を陣取っているパイナップルも寒さにも慣れたようです。

今年は体力をつけて、ダイエットもしたいです。私と一緒にダイエットに励む方は声かけてくださいね。

 

1月 3, 2023

耳鳴りの治療。

メンタルクリニックに通院されている方の中には、めまいや耳鳴りなどの症状を訴える方が少なくありません。

めまいや耳鳴りって辛いですよね。

そしてこれが続いたら仕事や家事もできないし、とても不安です。

めまいは不安と結びつきやすいので、めまいの原因が何であろうと、精神科に回ってくることが多いのです。

そして私の臨床感覚ではうつ病(特に高齢者)には耳鳴りの症状が合併することがとても多いように感じています。

 

一般の耳鼻科では(最近は変わってきたかもしれませんが)めまいや耳鳴りに対して熱意を持って専門知識を駆使して診療にあたっているところも多くなく、「ストレスなんじゃないの?」とか「耳鳴りは歳のせい」「耳鳴りに治療法はない」と言われ、困っている患者さんをたくさん見てきました。

そこで私は患者さんに私の知っているめまい専門外来をやっている有名な先生をご紹介したり、めまいや耳鳴りの勉強をしながら私自身も慢性のめまいや耳鳴りの患者さんの治療も行なってきました。

基本的には当院で治療を始める前に、まずは頭蓋内に異常な病変がないか、1回はMRIなどでチェックすることをお勧めします。脳腫瘍があったなんてこともあり得ますので。次に眼振の検査など一般的な耳鼻科ならではの検査をしてもらいます。(めまい急性期は心療内科や精神科には来ないで、耳鼻科や内科、脳神経内科、脳神経外科あるいは救急科を受診してください。心療内科での対応範囲は慢性期のみです。)

 

だいぶ端折りますが、心因性のめまいと診断された方は心因の特性と症状の出方がマッチしているか確認します。

矛盾がない場合は、薬物調整のほか、環境調整を行います。

 

耳鳴りに関しては原因は諸説あると思いますが、私なりのオリジナルの仮説を立てて、治療を行なった結果それなりに効果を認めたものもあります。炎症や脳の過敏反応などの関与が疑われるケースがあり、ひどい場合は耳鳴りだけではなく、頭鳴と言って頭中に音が響き渡ることもあります。一般的に使用されるストミンA、当帰芍薬散、八味地黄丸などの耳鳴りの処方以外に奥の手を用意しています。

うつ病に伴う耳鳴りはうつ病の治療で改善することも少なくありません。

偏頭痛に合併するめまいや耳鳴りは片頭痛の治療をしてみます。

 

論文レベルだと、鼓室内デキサメサゾン注射+メラトニン、メラトニン、アミトリプチリン(製薬会社の都合で入手困難となっています)、アカンプロサート、亜鉛、ガバペンチンなどの薬物の有効性が示されています。

当院では他の科の先生はほとんど使うことがない薬、精神科や心療内科でも割と年配の先生で心身症になれた先生が時々使う程度の薬などが著効することがあります。渋いところでは頭鳴に川芎茶調散を使ったり。。。

また、専門的なクリニックでしかやっていないようですが、コンドロイチン硫酸ナトリウム注射液の筋肉注射も行なっています。

当院は耳鼻科ではありませんので、耳鳴り患者さんは全体のごく一部。注射などはコストと利益の採算が合わず赤字ですが、サービスとして行なっています。なお、音響療法などいかにも耳鼻科的な治療は当院では行いません。補聴器をお勧めすることはありますが、それに関しては耳鼻科にいったんお戻しします。

1月 1, 2023

新年。

2023年元旦。

色々な境遇にある方がいらっしゃるので、おめでとうって簡単に言えなくなってしまいましたが、

取り合えす区切りをつけます。

 

初日の出。

これは私が撮ったのではなく、親しい知人が送ってくれたものです。

とても良い日の出で、今年への期待感が沸いてきたとのことでした。

なんか、ロマンチックですね。

私はその頃夢の中。

大晦日に年賀状を書いて(元旦に間に合わず・・・)

昨夜は思いっきり寝ました。

9時間も布団に入っているの久しぶりです。

普段の2倍以上の睡眠をとりました。

患者さんには6時間は寝ましょうと言っているのに、去年の私は実践できませんでした。

 

山のように積もった仕事を一刻も早く片付けないと、年明けにパンクしてしまうため

元旦早々、仕事初めです・・・

道路は空いています。

一日中頑張って年明け早々の作成期限の書類を中心に作成してきました。

ただ、別に大きな案件があり、その準備もしてきました。

産業医の更新、専門医やコンサータの登録医の更新レポートのタイミングも重なってしまい、

やるしかありません。

 

昨年を振り返ると、働き過ぎでした。

自分でいうのもアレですけど、家事も完璧で(ほんと、自分で言うなって)

自宅の設備点検にいらした業者さんが、「今までたくさんのお宅にお邪魔していますが、綺麗にしてメンテナンスもしっかりしていて都内でベスト3に入ります」と褒められました(自宅はもちろん埼玉県ですが、都内の業者だったので)

クリンネスト、収納アドバイザー、デジタル収納アドバイザーの資格をとってとても役に立ちました。

まだ紙物の整理が苦手で、クリニックの膨大な資料をどうにか整理しなくてはいけません。デジタル収納ももっと勉強して

仕事の効率を上げたいと思っています。(そこまでの過程が大変)

 

診察への集中の仕方も年々強度が上がっており(気がつくことが増えて自然と聴くことが多くなっていった)、初診のカルテは少なくとも10ページ以上。

やはり初診で、患者さんが生まれてからここに来院するまでの過程がどのようなものだったのか、イメージが沸く程度には理解したいという気持ちがあり、どうしても全力で診察してしまいます。そして、再診以降でまた経過を見ながらストーリーを積み上げ、初診で朧げに作った枠組みをまた壊して作り直していくという作業を繰り返します。もちろん正直に語ってくれなかったり、記憶が曖昧過ぎて初診でわからないことだらけという方も時々います。

それゆえ、余裕の全くない1年でした。

 

今年は色々と力配分について改善したいと思っています。

 

12月 28, 2022

本年度の診療は終了致しました。

本日で今年の診療は終了となりました。

世間は久々に賑やかな年末の様相を呈していますが、一方で昨日1日のコロナ感染による死者は438人と過去最多となっています。

コロナの5類への引き下げも検討されています。

感染症の専門ではない私には是非はわかりませんが、まだ収束といった雰囲気ではないように感じています。

当院は精神科クリニックということで、ゼロコロナ政策?を3年間続けてきて、スタッフの感染者もゼロ、患者さんの院内感染を疑われるケースもゼロでやってきました。

また、暴力的な方や他者を損なう方を排除する形で、通院患者さんの安全基地を守ってきました。安全基地の中はできる限り温かくしたいと心がけてきました。

事故や事件もなく、無事に締めくくることができました。

このような不寛容とも言えるあり方は私自身は好ましいあり方であるとは思っていませんが、世の中の状況を見ているとやむを得ないと判断してきました。

閉塞感のある世界の中で戦争や身勝手な殺人や他者を損なう行為を行う者が増えていると肌で感じています。

残念ながらそのような人と言葉で通じ合うことは難しく、

嗅ぎ分けて距離を取るという方法も安全を確保するためには必要だと考えました。

これは暫定的な対応です。

どうやったら世界が平和になるのか、その答えはまだ見つかっていません。

コロナ禍に入ってからは予測ができない不確かな状態がつづいています。

そうです、ネガティブ・ケイパビリティが求められているのです。

診療でもブログでも私は中学生がわかるようなわかりやすい言葉を心掛けているのですが、

いきなりカタカナ用語ですみません。

しっくりくる日本語訳がわからないのですが。

「答えがすぐに出ない不確かで未解決な状態にとどまって耐える」力のことです。

不安に対する抵抗力と比例しているようにも感じます。

来年も答えを探して彷徨う日々がつづきそうですが、

1日も早く平和な世界が実現するようお祈りし、

まずはこの小さなクリニックと繋がっている大勢の方々の幸福を心から願っています。

 

当院を信頼してくださっている患者さんの皆様、関係者の皆様、

本年のご厚情を心より感謝いたします。

どうか、良いお年をお迎えください。

 

 

 

12月 26, 2022

感謝。

2022年。今年もあと少しです。

世界では色々な出来事がありました。

コロナ禍の先が見えない中、ロシアの侵略戦争、中国、北朝鮮の軍事的な動き、エネルギー資源の高騰、物価の高騰、円安に、住宅ローンの金利上昇…

そして私はこの一年友人、恩師、友人の息子さん、患者さんのご家族など何人ものお別れに触れてきました。

喪失を強く意識した年でした。

また、頑張っている人を応援したい、善良な人の安全基地を守りたい、嘘やごまかしのない診療をしたい、という真剣な気持ちで診療に向き合ってきました。

その分、障害者年金を不正に取得しようとした者や院内で暴力を振るう者、嘘をついて騙そうとする者などには厳しく対応した結果、摩擦もありました。これは私の師匠が信念のためには断固とした態度で戦った武闘派であった影響を強く受けています。

そんな中で、友人や仲間の支えもあり、友情に強く感謝した一年でもあります。

 

とにかく大切な人達の安全基地となれるよう1年間力を尽くしました。

その努力が実ったのかわかりませんが、年末に際して大勢の方から心のこもった暖かい言葉を頂戴しています。

逆に、臨床の実感として、感謝の段階を経る方は確実に良くなる印象を持っています。

私が患者さんに「この人いいところあるな」「強面のおじさんだけど可愛いところあるな」「誠実で素晴らしいな」などと愛着が湧くとさらに治療が進むことがあります。お互いのオキシトシン(愛着ホルモン)が治療促進的になるのかもしれません。

 

「この1年は本当に平穏に過ごせました。」

「お陰様で、美味しいものを食べたり、お風呂に使って温まる時に幸せを感じて過ごせるようになりました」

「先生に診てもらわなかったら生きていなかったかもしれません」

「先生の言葉が励みになりました」

「次の受診までの間、次の診察でお会いできることを楽しみにして1ヶ月頑張ってこれました」

「本当に苦しい時を支えてくれて助かりました。振り返るとあの時はおかしかったなと思います」

「ここにきた時は不安で何もできなかったけど、今ではインスタのインフルエンサーとして2万人のフォロワーができました」(これは私とは関係ないと思います、笑)

 

今日も感謝のお手紙をいただいて、思わず涙ぐんでしまいました。

至らぬ点も多い私の生涯の中で、これ程まで多くの感謝の言葉をいただいたことはないと思います。

 

感謝されるために仕事をしているわけではないし、それを目的にしてはならないのですが、

私にはこれほどのご褒美は他にありません。患者さんの辛さが軽くなったり、幸せになったり、安らぎを取り戻したりすることはこの上ない喜びです。それをフィードバックしてくださることはなんと有難いことか。

こちらこそ有難くて胸がいっぱいです。

 

私も人の優しさに助けられて生きてきました。

人は愛されて愛を知り、

愛し合って愛を悟ります。

人生はサバイバルですが、

励まし合って行きていきたい。

 

通院中のほとんどの方が平穏な新年を迎えられそうで、ほっとしています。

 

岡崎体育:生きててよかった

12月 25, 2022

いろいろ書きましたが。

今までの印象に残った精神科に偏見を持っている方々についていろいろ書きました。

関わってきてマイナスの言葉を放ってくると言うのは、強い関心があるという裏返しです。

精神科や精神科の薬に対する偏見が強い方ほど、実はご本人が大きな問題を抱えている方が多いように見えます。

関心があるけれど、自分は問題ないと思いたい、自分自身の問題を認めなくない(否認)ケースも多くあります。

またはマウンティングを取ろうとしてくる方は、コンプレックス(自己愛)があるかもしれません。

相手が立派に見えたり、もしかしたら有能かもしれない、と感じてしまうと、自分の心が痛み、妬みを感じて相手を叩きのめしてやりたいという攻撃性が出てきます。

そういう方達の関わり方を明らかにしましたが、普段の診療ではもちろんこんなことは滅多にありません。

有り難くも当院をとても信頼してくださる他科の先生もたくさんおられますし、

関わっている医療機関は私が尊敬している先生ばかりです。

通常のやりとりだけで信頼関係が醸成できることもありますが、やはり医師会などで顔見知りになっていることがとてもポイントになっていると思います。

ご依頼いただいても対応できないこともありますが、お引き受けした内容に関しては全力で回答します。

すると私がわからないことをいろいろ教えていただけるのです。

教えていただいたら、ありがとうございます、

間違えたら、ごめんなさい、

至ってシンプルなコミュニケーションですが、

しみじみと有難くいつも助けられています。

一点注意しなければならないのは、きちんとした診療をされている先生に頼りすぎると

ご負担をかけてしまうので、そのようにならないように気をつけています。

特に信頼関係のできていない患者さんは紹介しないようにしています。

クレーマーを苦し紛れに他の機関に紹介する方がいますが、禍根を残します。

当院に初診のお電話をいただいたものの、対応いたしかねる内容だった場合に

「じゃあどこに行けばいいんだよ!」と怒鳴られることがありますが、

他の機関の名称をお伝えしないのはこのような事情によるものです。

当院は他の機関との信頼関係も大事に考えています。

 

ただ、これだけ精神科や精神科の薬に対して不信感がある人がいるということは、そのような精神科医が実在してきた結果であるとも言えます。「体のことはよくわからない」と言って薬の副作用を無視するような精神科医、患者さんの背景を無視して5分程度の初診で薬物依存を作り上げる精神科医。意外かもしれませんが、若手の医師にはそのような人は少なくなっており、むしろベテランの精神科医にそういう医師がいました。若手の医師は研修医時代にいろいろな科を回って勉強するシステムになったこと、精神科医の自浄努力により教育がされるようになったという時代背景があるかもしれません。

そういったことを踏まえて、精神科医自身が研鑽を積んで、信用される医療を実践していかなければならないと一層気を引き締めたいと思います。

12月 25, 2022

精神科薬副作用ー精神科医編

医師のお母様。当時のさいたま市では人気のクリニックでうつ病と診断され、治療を受けていた。スルピリドというお薬を主体に処方されていたが、日に日に症状は悪化し、焦燥感が強くなってきたが、何ヶ月間も撃つ手なしで経過していて、医師の息子さんが転院を希望。先方の診断ではうつ病が重症化しているという趣旨で、紹介され私が担当になった。すぐにスルピリドの副作用であるアカシジアが出ているとわかった。アカシジアとは抗精神病薬の一部で出現することのある副作用で、とにかく非常に辛くて苦しい副作用なのである。座っても寝てもじっとしていられないソワソワした感覚は地獄のようなものである。私は経験してはいないが、そのような患者さんを何人も見て、これほど苦しい副作用はほかにないと思っている。一刻を争って対処してあげないといけない副作用なのである。当時のガイドラインでは原因となる薬を止めて経過をみるという方法が推奨されていたが、一刻も早く症状を治めるために、私は英国では使われていたベータブロッカーを含めたメディケーションも加え、全力で加療に当たった。努力の甲斐があってか、徐々に楽になり、元々のうつ病の治療薬も本人にあったものを探してどんどん元気になっていた。(精神病理や老年期うつ病あるいは高齢者のうつ病に詳しい専門医もご覧になっているといけないので、念の為記載しておきますが、その後10年間血圧などでフォローしていますが、レビー小体病などを認めておらず、至って良好な経過をたどっています)

同じような時期に隣市の初老医からも不安神経症という大雑把な診断名で1人の患者さんが送られてきた。やはりアカシジアで焦燥感が出ている患者さんだった。

その時は、開業しているクリニックの精神科医はよく勉強されていないのだと感じていた。

その後、さいたま市の先生とお会いすいる機会があったが、大変勉強熱心でいつも新しい知見を取り入れている精力的な先生だと知った。だから、たまたま状況が見えなくなってしまったのかな、と振り返る。

どんなに立派な先生でもその時に気がつかないこともある。医師を変えてみてちがう視点から見てもらうというのも悪くない。

もう一方の精神科医は毎回とても時代遅れの治療と診断名、そして誤診というセットで患者を送って来ていたので、そちらは昔の精神病院勤務の知識のままで勉強不足の先生だったのだろう。

 

1人の精神科医で行き詰まったら手を変えてみる、というのは患者さんにとってメリットがあるかもしれない。

私も私の治療で行き詰まったケースでは転医という選択肢もあることは正直に伝え、1人で抱え込もうとはしない。

見捨てるというのとは話が違う。

自分に見えていないことがきっとあるはずだから。

 

12月 25, 2022

精神科薬の副作用ー性機能障害。

お薬は効果を期待して使うものですが、好ましくない副作用も生じることがあります。

新しくお薬を処方した時はお薬の副作用などないか必ず確認します。

患者さんは大体気になることを教えてくれて、それに対する対策を立てたり、お薬をやめてみたり、変えてみたり話あいながら治療を進めていきます。

しかし、患者さんから相談しづらい副作用というのもあります。

SSRIあるいはSNRIなどの薬剤で、性的な感覚が鈍くなってしまうことがあります。

現状では一般的に使用頻度の高いフルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、エスシタロプラム、デュロキセチンなどの薬剤です。

まず、中年男性はすぐに教えてくれます。

でもなかなか言えない人もいると思います。

若い女性が教えてくれたことは今までで数えるほどです。

しかし、これは副作用が少ないのではなく、統計的にはもっと沢山いるはずなので、

おそらく相談できずにいるのだと思います。

なんか理由も言わず、その薬を飲みたがらない、という女性は沢山いました。

正直にお話しにならないのでわかりませんが、その中の何割かは性的な副作用が嫌だったのではないでしょうか。

私の方も、初診で処方するときにいきなり性的な話をするのもどうかと思い、お伝えしないこともあります。

しかし、マイルドな表現で最初の段階でお伝えすべきだと考え、表現の仕方を検討しています。

 

また、スルピリドをはじめとしたドパミン拮抗薬と分類されるお薬は生理が遅れたり、乳房が張って時に乳腺炎様の痛みを伴ったり、乳汁が出たりすることもあります。お薬をやめれば大概は1〜2ヶ月で徐々に戻っていきます。

若い女性には第一選択薬とはなりませんが、どうしても今の段階ではこれしか使えない、という場合もあります。

その時は最初から副作用のお話をしておきます。

 

もしかしたらこれは副作用なのかな?と疑問に思ったら他の科の内容かもしれないと思ったとしても、とりあえず診察時に主治医に投げかけてみてください。当院では誤魔化したりせず、きちんと向き合って説明します。

 

 

12月 25, 2022

漢方薬の副作用-薬剤師編。

医療情報にも流行がある。

漢方には副作用が全くないと誤解している人が多かった時代もあったが(いまだに多いかも・・)、漢方にも副作用があるのだということが一般にも少しずつ広まってきた。

例えば、漢方薬の一部に含まれる甘草という生薬によって血圧が上がってしまうことがある。

だいぶ古い話になるが、認知症には抑肝散という漢方が流行っていたが、生薬として含まれる甘草によって血圧があがってしまう人がいることが抑肝散の普及に伴い知られるようになってきた。

漢方とは違うが、それまで副作用がほとんどないと言われていた下剤の酸化マグネシウムが腎臓にたまってマグネシウム中毒を起こすことがあることもわかってきた。

これらの例のように副作用の注意喚起が医師の間で広まってしばらくして薬剤師の間で広まったりする。

 

私がある患者さんに甘草含有量の少ない漢方を処方していた。

血圧も正常だった。

患者さんが急に薬局を変えてから異変が起きた。

ポイントが付くから変えたという。(そもそも保険診療で値引きをして患者を誘引することは禁止されているので、ポイントを餌に患者を誘引することも違法となるのだが、大手薬局チェーンなどの政治的取引で黙認されている現状がある)

その薬剤師にこういわれたそうな。

「甘草の入っている漢方薬を使っている。血圧があがるかもしれない。処方医はそのことを知らないだろうから気を付けたほうがいい」と。

生薬から勉強している私には甘草が何グラム以上の場合は注意が必要とか、甘草で血圧が上がりやすい人がいるとか、そのような話は当たり前の前提となっています。その時点で変更すべき根拠は何一つありませんでした。

どうして私が副作用を知らずに処方していると考えたのかわからないが、何か疑義があるなら直接こちらに言って欲しい。

 

漢方ではないですが、下剤の酸化マグネシウムについても以下のようなやり取りが。

私が若くて腎臓もばりばり元気な人に酸化マグネシウムを低用量処方していました。

「酸化マグネシウムを続けて飲んでいると中毒になります。処方医は知らないと思いますので気をつけたほうがいいですよ」

もはやここまでくると、ただ自分が医師より物知りな薬剤師であるとマウンティング取りたいだけだとわかります。

マグネシウム中毒になる人はごく一部です。

高齢者など腎機能がおちているということがまず前提です。

そういう方に量が多めの酸化マグネシウムを継続処方していると中毒が生じかねないのです。

怪しい人は腎機能とマグネシウム濃度を測ります。

もはや医師の間では副作用も常識として使用されている酸化マグネシウム。

医師が知らないだろうと決めつけている根拠はわかりませんが、精神科医だから知っているはずがないと決めつけられたのでしょうか?

 

患者さんそれぞれ背景が違います。副作用も人によって出現する可能性や出現した場合のリスクも違います。

その患者さんに可能性の低い副作用のリスクを強調して不安に陥れることで自身の存在感を高めようとする薬剤師がいることは残念です。

 

以前は近隣の薬局との合同勉強会を開催していたこともあり、どういう意図で処方しているのかお伝えできる機会もありました。

患者さんがどこの薬局に行くかわからない状況だと難しいですね。