本日はうれしい尋ね人があり。
お一方は病院勤務時代の仲間。
もうお一方は漢方の恩師の一人 三浦於菟(ミウラオト)先生にゆかりがある先生。
三浦先生は中国・南京中医学院、台湾・中国医薬学院に留学された中医学の大家です。
三浦先生のお話はとても面白く、毎回教えていただくことを楽しみにしていました。
三浦先生より一足先に中国に留学し中医学を学んでいらした先生がサプライズで私を訪ねてくださいました。
日々の臨床でわからないことを教えていただきました。
ラッキーでした。
世の中では「漢方」と漠然と表現しますが、厳密には中国で伝わってきた中医学や日本独自の発展を遂げた日本漢方など流派があります。
私は中医学や日本漢方など流派に関係なく教わりましたので、ミックスした形で考えることがあります。
おいしいところ取りすればよいという考えです。
そもそも、東洋医学の薬物療法の古典とされる傷寒論や金匱要略の原文というのは実在しないそうです。
いろいろな人が残っている資料を集めたり言い伝えをまとめたりして今に至るわけです。
ですから、正解というものはないのです。
以前患者さんが転勤で関西に行かれることになって、紹介状を書きました。
漢方での治療を行っていたので私なりの解釈を記載したのですが、日本漢方ではなく中医学の解釈で書いた部分がありました。
しかし先方の「漢方専門医」はご存じなかったようで、返書で間違いだとしてご指摘を受けましてしまいました。
親切心だったかもしれませんが、ちょっと苦笑い。
このことで思い出しましたが、
今から10年以上前、漢方がそこまで医師に浸透していなかったころのこと。
即効性のある漢方を頓服で使ったり、寝る前だけ服用するよう処方することもあるのは今となっては常識です。
当時そのような使い方をしていたところ、患者さんから言われました。「内科の先生に処方を見せたら、漢方は毎日3回長期間飲まないと効かないからヤブ医者だといわれました」
絶句しました。臨床医にとって無知は罪です。
私は深遠な学問の前に常に初学者であると感じています。とにかくずっと学び続けるしかないと思っています。