診療後も毎日残業で書類作成などに追われており、さすがにしんどいなぁとお疲れ気味だったのですが、嬉しいお知らせが。
おおっ、
Emiさん、お久しぶりです!
思い出してくださったのですね。
いろいろつらい思いをされてきたものの、徐々に幸せを掴みはじめ、私も嬉しかったですよ。
また、こうしてご連絡いただき、良い想いを分かち合ってくださり、ありがとうございます。
こういうのって、またご自身にかえっていき、良い循環になっていくのだと思います。
どうか、お幸せに!
うつはうつでもいろいろな種類があるので、簡単ではありませんが、
急性期のうつ病で休職せざるを得ない状況になることがあります。
今まで病気一つせず、仕事もバリバリやってきた方がそうなると、
まるで人生お終いであるかのような落ち込み方をする人がいます。
うつ病は頑張りすぎの黄色信号、いえそれどころか赤信号とも言えます。
しかし、うつを克服すれば、人生さらにステップアップできます。ピンチはチャンスなのです。
例えば、インフルエンザにかかった後、かかる前と比べて、よりヴァージョンアップされた状態になることがあります。
抗体ができて、インフルエンザに強い体になるのです。
それと同じように(若干強引な例えではありますが)うつ病を乗り越えれば、よりよく生きられる力をつけることができるのです。
これはPTSDを治療した後に、心の成長が促される心的外傷後成長(PTG)が認められることと同じことだと私は思っています。
当院では病状から必要と判断される方には休職を勧めることがあります。
ただ、すぐに休ませたい方でも、あまり強い言い方はしません。
なぜならば、ご本人が腹を決めて休むのか、そうでないか、それによって今後の回復や成長が変わるかもしれないからです。
同じ休職するにしても、休む目的を理解して休むかどうかで結果が異なるのです。
しっかりと休養をとって、心の充電をし、健やかに生活していけるような成長をしてから復職することが大事です。
人生でまとまった休みを取ることなんてなかなかありません。このチャンスを活かして成長できれば、振り返ったときにかけがえのない財産だと感じる人も少なくないのです。
一方、休職後も「あの仕事どうなったかな、あの人にどう思われているかな」などと心の消耗を続けているのでは、休職しても休養にはなりません。無駄に時間を過ごしているだけです。
そうならないために、必要ならマインドフルネスの指導もしますが、まず一番大事なのは、「また元気に人生というマラソンを走るための、大事なメンテナンス期間なのだ」と言う意識を持って自分の意志で休職をスタートさせることが大事なのです。
そのために、私は病状の詳しい説明と休養の目的についてしっかりご説明したら、ご本人の腹が決まるまである程度待つことにしています。
(注:いまにも自死してしまいそうな時は別のルートに乗せます)
ご本人が休む覚悟が決まったら、休職診断書を書いてお渡しします。
そうすると結構上手くいくことが多いのです。
開院当初から必要な方にはそのようにアドバイスしてきました。
休職中の過ごし方についてはここには書けませんが、私独自の考え方も伝授します。
昔の銀行員など、一回休職すると出世ルートから外れる業種もあって、私も患者さんと一緒に何が一番ダメージが少ない方法か頭を悩ませてきましたが、今は一つの会社にこだわることもなくなりました。
休職して思考力が戻ってから今後のことを考えればいいのです。
うつ病は決して人生の終わりなんかではありませんよ。
(注:当院では、「治療は必要ないけれど、ご本人の希望で休職診断書を作成してほしいというご要望での初診は受け付けていません。休職の要否は当職の診断ののちに判断することにしています。オンライン診療で安易に発行された診断書の継続の診断書作成も致しません。)
(注:うつはうつでも色々な種類があり、発達特性、パーソナリティ特性、双極性、慢性うつなど状態に応じた対応が必要です。上記が全てに当てはまるわけではありません)
ご両親と旅行に行ってきたよ、とお土産頂戴しました。ありがとうございます。
虐待のトラウマのフラッシュバックがひどかったけれど、EMDRというトラウマ治療をやったり(かなり苦戦しました^^;毎回通常の診療後、夜遅くまでよく頑張りましたね!)薬の調整もあれこれとやり、今では(気を遣うものの)親と一緒に旅行にいけるようになるとは想定外でした。
治療って一緒に成長することなんだと実感しました。
こちらはお手紙を書いてくださり
すごく嬉しいです。
幸せのあり方を私自身学ばせていただきました。
あ、無断で掲載しちゃったのですが、まずかったらご連絡くださいm(__)m
あと、こんな感じで日々の診察で書いていただけると状況がよくわかります。
全身全霊で診療にあたっていますので、このようなお言葉いただけると大変励みになります。
精神分析的なお話。
だいぶ前にも何度か書いた内容ですが、、、
食べ物は親からこどもへの愛情の証し。
こどもが健やかに育つように、
愛しいこどもに、母乳を与え、食べ物を与え
愛情を伝えます。
味噌汁の出汁はそれぞれの家庭の味。
手間暇かけて美味しいものを食べさせたいと工夫します。
こどもはその愛情を口から取り入れて成長していきます。
多すぎてもだめだし、少なすぎても飢えてしまう。
過食も拒食も他者からの愛情の取り込みに課題があります。
他者への警戒心が強いASDの傾向がある人の中には偏食が多く認められるし(本来は味覚過敏によるのだけれども)、他人のおにぎりや手料理が食べられないという人も少なくありません。
食べ物と薬は全く違うものだけれど、同じことが言えます。
信頼できる医師の処方薬は飲めるけど、信頼してなければ飲めない。
また人を信用できず、全てをコントロールしたいという人は医師の処方通り服薬せず、自己流の飲み方をし、医師のアドバイスを聞きません。
逆に医師から見れば、薬は患者さんへの治療という愛情の表現でもあります。
患者さんが健やかになるように、考えぬいて、
なるべく毒が入らないよう最善をつくす。
過量であってはならないし、効かないものもいみがない。
どんな薬を処方するのか、それを決定するために、患者さんの詳しい細かなことまで力を振り絞って把握し、調合(調理)するのです。
開院当初から常に意識してきたことです。
良いクリニックや病院をどうやって見分ければいいんですか?
他のクリニックや病院でひどい目にあった経験がある方によく聞かれる質問です。
いいか、わるいか、絶対的な基準というよりは結局相性なのかな、とも思います。
うちみたいに、こだわってやっているところは合う合わないあると思います。
ただ、私は医療人なので、「しっかりした誠実な医療をやっているのかどうか」
自分や家族が患者だったらどこにかかりたいか、この1点にはこだわって判断します。
私は私自身がかかりたいと思うような医療を実践すべく日々努力していますが、接遇や営業的な側面ではかなり弱いとは思っています。
一番確実なのは自分がまともだと思う医師からおすすめの医師を聞くのが良いと思いますが、
一般の人はなかなかそういう情報にアクセスできませんね。
医療にどっぷり使っている人は、一般の皆様が想像している以上に正義感が強いです。
また善意がある人も多いのです。(今少々荒れている人もいるのは、追い詰められているからです)
たとえば通院中の患者さんが妊娠すると、どこの産婦人科で出産しようか迷うことがあります。
無難に?近くの大きな病院を受診する方も多いのですが
何人もの患者さんが担当医の対応に不信感を抱いてきました。
とても悩んでいたところ、保健師さんも同じ意見だといわれたそうで、悩みがさらに増し、私に相談されました。私はあっさり別の病院を勧めたところ、本当に安心してすごせたと喜んで出産することができたそうです。
一般の方はどのように病院を選ぶのでしょうか?
Googleレビューを参考にされる方も多いと思います。
我々には、「これはやらせ=ステルスマーケットの口コミだな」「これはモンペにからまれちゃったんだな」「業者の書き込みだな」「これはほんとっぽいな」
などと大体わかってしまうのですが、皆様には判別がつかないのかもしれません。
そこで、患者さんに聞かれたら答えているメンタルクリニックや精神科病院の口コミの見分け方の一部をお伝えします。
以下は専門家から聞いた精神科の場合の話ですが、、、
Google口コミ・レビューが4以上はやらせの可能性があるとのことでした。特に4.5以上というのはメンタルクリニック・精神科病院ではかなり現実離れしています。
メンタルにトラブルをかかえている方のなかには必ず攻撃的・他罰的な方がいて、どんな対応でも必ずトラブルになる人がいます。全員がいい評価というのはまずないです。どこでもトラブルになるような人は大抵医療機関でトラブルを生じ、その腹いせにGoogleレビューに書き込んでダメージを与えようとするのです。
開院してからまもないのに、やたらと口コミの数が多いのは、ほぼステルスマーケットの可能性が高いです。
手段は色々です。
口コミ業者を雇って、良い口コミをさせる
というものが以前は主流だったそうです。
見分け方は色々ありますが、やたら院内の写真、外観の写真など掲載して、他人に受診を勧める内容だったりします。
患者さんは普通写真など撮りません。
良い体験をした人は良い口コミをして他人に受診を促すのではなく、感謝の気持ちを伝える場として使うことが多いのです。
仲間のクリニックの近くにほとんど同じ名前の医療機関ができたそうです。
新しいクリニックのレビューはやらせの口コミでいっぱいでした。
しかしある日仲間のクリニックのレビューに、近くにできたクリニックに対しての賞賛のレビューが誤って書き込まれていたそうです。
慌ててレビューを新しいクリニックのレビューに引っ越しされていたとのことでした。
さくら業者が間違ってちがうクリニックの口コミを書いちゃった、そんな話です。
別の手段は、実際に患者さんにかかせるというものです。
初診の段階で、感想を聞いて不満に対応したのちに、口コミを書いてくれたら本を差し上げますとか、飲み物を差し上げますとか
その場で書くように促し、場合によってはどんな内容かチェックするそうです。スタッフの目の前で悪いことは書きにくいですね。
これは違法行為だそうです。
医療って割とそういうところは真面目にやっている人が多かったのですが、
ビジネスの悪い側面ばかりを学んできている人たちは平気でそういうことをするのです
株式会社が純粋に儲けだけを追求して参入してくると医療の良いところはどんどん失われていき、
続く
異動があって大変な中
差し入れいただきました。
ありがとうございます!
難病を罹患し、大変な思いをされてきましたが、お仕事を再開しそこで作ったコーヒーを持って来てくださいました。
初給料でご馳走してもらったような感激です。
働く喜びを噛み締めておられ、よかったですね。
私はお子ちゃまなのでコーヒーちょっと苦手ですが、牛乳入れていただきました!
香りがすごかった。
表を写すと個人情報がバレちゃうので、裏面で撮影。
フィリピンから当地のお菓子をお土産でいただきました。
珍しいものをありがとう。
ちょっと英語が上手くなったね、笑。
日本語と英語ミックスされると時々聞き取れないよ、笑。
高級そうなトイレットペーパーをいただいたの人生で初めてですね。
最初からわかっていましたけど、感性・発想が天才的です。
私も贈り物にはこだわるタイプですが、負けましたね。
けど、使うの勿体無い、笑。
今日は複数の患者さんから嬉しい言葉をいただきました。
「20年ぶりくらいに平穏な気持ちで過ごせました。とても嬉しいです」
ずっと気を張らないと行けなかった、
どうしてそうだったのか、
そこまで突っ込んで言葉にして心から切り離す。
そしてお薬で心のアンテナの感度を調整する。
ただ、薬を出すだけではなく、そこまでのステップがあるからこそだと私は信じています。
そのことを理解してもらえるのは、私にとっての最大の喜びです。
「めまいで不安になっていたところ、電話で対応してくださり、とても安心できました」
めまいは不安を伴いやすい症状です。
小脳出血など見逃してはならない病気が潜んでいることもあり、油断はできませんが、
症状経過から耳なのか、脳なのか、メンタルなのか
大体見当がつくこともあります。
医師として冷静に対処するサポートができて何よりです。
感謝を求めてはいけませんが
当然私のモチベは爆上がりです、笑。
当院では予約票を連絡票として再利用しています。このように上手につかって医師とコミュニケーションをとりましょう。受付されるときに事前に渡してください。
一般的な心療内科のクリニックに比して当院の占有スペースは相当広いです。
それにも関わらず、患者さんのカルテが倉庫いっぱいになってしまいました。
長期間お見えになっていない方で保管の義務期間を過ぎたカルテについては廃棄することにしました。
手書きの問診票や詳細な資料など電子カルテに入力されていないものもたくさんあるため、
電子媒体での情報ものこりません。
サーバー負担のこともあり、そのほかの電子媒体の情報自体も削除する可能性があります。
以上ご報告です。
これをアップした直後に、10年前に受診していて、まさに廃棄しようとしていたカルテの患者さんから連絡が・・・
転居後ずっと地方の病院にかかっていたそうなのですが、結局障害者年金を申請することになったそうで、初診時の状況の診断書をご希望でした。
こういうこともあるのですが、保管にもコストがかかるので致し方ありません。
今後は保管期限を過ぎた方に、過去の状態を記載するような診断書は作成できなくなります。
全例にできるわけではありませんが、当院ではなるべく初診の時点で詳しい病状とその原因や背景、さらには見通しまでも立ててお伝えするように全力で診察を行っています。(どうしてもわからないことや最初の見立てが違っていることもありますが)
ある程度の治療計画が見込める場合は、どのくらいのスパンで服薬が必要になるかお伝えすることもありました。
最近では、それもちょっとやりすぎだなぁと思う節がありまして、少し落ちついたころにお話ししようと思うようになりました。
たとえば、うつ病の患者さんはとても悲観的な状態で受診されます。それでもご本人はどこかで「受診して治療すれば風邪のようにすぐに治って薬も不要になる」という理想を思い描いていることも少なくありません。
自分がどういう状態なのか、
改善するのか、
それらがわかるだけでかなり安心できることが多いです。
しかし、その先の維持療法の見込みまで言われてしまうと、理想と違っていることで少し落胆してしまいます。
正直に全てをお話しする誠意も大事ですが、お伝えするタイミングも簡単ではありません。
また、初診時に全てを盛り込むと患者さんも理解仕切れないかも知れません。
できれば、患者さんのほうで疑問に思ったタイミングで聞いていただければと思います。
「薬はいつまで飲むのですか?」
答えは「ケースバイケース」です。
うつ病と言ってもそれぞれの背景や特性、生活、置かれた状況など千差万別です。
一般論で論文のデータを提示して説明することは簡単ですが、でもそれって目の前の患者さんに当てはまるの?っていう話です。
初めてうつ病になった人と、2回以上うつ病を繰り返している人では統計的に再発率には差があり維持療法の期間は違ってきます。
それは一般論でもあり、だいたい目の前の患者さんにお伝えしても間違っていないですが、
初回であっても、長めにした方がいい人と、早めに切り上げても良さそうな人もいて、ある程度見通しは立てられることがあります。
発達障害という言葉が知られるようになってから久しくなりましたが、当院では発達障害とまでは言えないまでも非定型発達の部分特性がどのように発症に関連しているのかなど、背景にある要素を詳しくアセスメントしています。
ネックになっている発達特性が、現在の環境でどれだけ支障をきたしているのか、環境が変わる見通しはどうなのか、その辺りまで考えると、維持療法をどれくらい続けるべきか検討する材料になると思っています。
また、服薬の期間と障害の程度は必ずしも一致しません。
「睡眠薬が悪」という風潮がありますが、(薬剤の種類は厳選しますが)ケースによっては年単位で使用した方が良い場合があると思います。
とある大企業の取締役としてご活躍されている能力の非常に高い方が何人か通院されています。
どの方も社会適応は問題ないわけです。
ただ、元々の特性として過集中、過覚醒、マルチタスクの特性があって、かなりのタスクをこなされているわけです。
そういう方は色々な生活習慣を工夫しても、なかなか良い睡眠が取れなかったりします。
「寝れなくても死にはしない」という乱暴な言い方をする人もいますが、睡眠はとても大事な役割があります。
心身の調子を整え、記憶を整理し、脳のゴミを排泄する働きがあります。
脳にゴミが溜まると認知症の発症を加速させます。
治療してでも睡眠をとった方が良いと考えます。
役職定年などのタイミングで減薬して、定年後に(対象喪失のうつ症状がなければ)廃薬に持ち込めることも少なくありません。
長期的な計画ですが、そのようなケースもあります。
漫然と処方を続けるのではなく、ちゃんとビジョンを持って維持療法を行っているのです。
当院では、不安と関連しやすいめまいや耳鳴りといった耳鼻科領域の症状にも強い関心を持って診療を行ってきました。
開院当初からめまい体操を指導するなど、通常のメンタルクリニックでは行わないような治療も行って来ました。
耳鳴りに関しては一般的な耳鼻科さんよりもより突っ込んだ診療を行っています。(補聴器など耳鼻科で行う治療は行っていません)
めまいに関しては、近隣だと目白大学耳科学研究所さんが熱心に専門的に診療を行っていらっしゃいます。当院では目白大学さんとのやりとりを繰り返し、信頼関係を築いてきました。
そのような中で、PPPDという疾患概念を教えていただき、以前より当院でのSSRI治療などチャレンジしてきました。
最近になってようやく巷でもPPPDという言葉がちらほら聞こえるようになってきました。
PPPDとは持続性知覚性姿勢誘発めまいで近年提唱された新しい概念のめまいです。
以前回転性めまいを経験したことがあるが、今のめまいは回転性ではなく、浮動性めまいが3ヵ月以上にわたってずっと続いている状態です。浮動性めまいとは、ふわふわグラグラ、雲の上を歩いているような、まっすぐ歩けないような感覚のめまいです。
当院にも耳鼻科で異常がないと言われ、通院されている方々がいらっしゃいますが、治療はなかなか大変です。
本人の不安感が強く、リハビリテーションを続けることが困難であったりします。
そして当院を受診するタイミングとしては、耳鼻科で異常がないといわれ続け、長い期間が経過してしまっているため、嫌な感覚がこびりついてしまっている状態なので、ちょっとやそっとではびくともしないのです。
とても力を入れてきた分野ではありますが、当院での治療実績は残念ながら満足できるような結果は得られていません、苦笑。
一方で当院での耳鳴りの改善率は30%くらいでまずまずといった感触です。
たったそれだけ?って思われるかもしれませんが、
「年だから治らない」と言われて相手にされなかった耳鳴りが少しでも軽減するなら、
「すごい!」ことなんです。
背景には非定型発達の感覚過敏やこだわりなどの同一性の特性が関与していることも少なくありません。
その点に着目して治療をするというのが、耳鼻科ではない視点だと思いますので、そこがオリジナルなのです。
認知行動療法は不安に着目した別の視点です。
それは簡易な形でしか当院では行っていません。
色々偉そうに言いましたが、耳鼻咽喉科精神科医ではありませんので、期待しすぎないでください。
悪しからず。