アスクドクターズ。
何年か前に患者さんから教えてもらった。
インターネットで病気や健康のことを医師に質問できるサービスがあるんだって。
そこでアドバイス受けたからこうしてみたいって言われた。
それをネタに受診時に話し合って理解を深めてもらうのは全然歓迎。
ただ、もしもそのサービスを利用してアスクドクターズのアドバイスが違うからって、私に黙ったまま、違和感を感じつづけるのはやめてほしいな。ちゃんと話してほしい。
何年か経って私の契約する保険商品に、無料でアスクドクターズの利用ができる特典があって、登録してみた。
医師側ではなくて、患者側でね。
ひとつの質問に複数人の医師から回答があるんだよね。
いろんな人の質問とその回答が全て見れるんだけど、精神科や睡眠関連ではどんな質問が多いのかな?と覗いてみた。
私の専門領域を見ていると、「この症状SREDだよね」とかわかるんだけど、回答している医師たちは全く知らないみたいで、的外れなAI返答してたんだ。かなり断定的に。知ったかぶりはよくないと思う。
回答する医師はペンネームだったり、もしかしたら本名かな?っていう医師もいたけど、間違った答えをしても実際診察したわけではないので免責ではあるはずなんで、やはりインターネットの情報は信用できるのかよく吟味しないといけないよね。
いろんな質問と回答のデータを蓄積してAI化する目論見だろうと私は勘繰っている。そしたら医師に払う報酬も要らなくなるからね。
でも、間違った答えを集積してもどうなんだろう??
一方最近はチャットGPTなどのAIにいろいろ質問する場面もあると思う。
とても知性的な回答が得られたり、優しいフリをすることもできるので、驚かされることもあるが、専門領域となるとやはりネット情報をただかき集めただけで、全然物足りない印象である。
AIといえば車の自動運転が思い浮かぶ。
まだ、下手な人の運転のレベルかな。
運転がこなれた人と下手な人の違いの一つは、まわりの状況を広く認識できているかどうかである。
下手な人は目の前の車のお尻を見ているだけ。前後左右の状況をモニターリングできていない。
うまい人は目の前の車だけでなく、数台先の状況もよく見ている。ブレーキランプがついたり、減速したり、何かを避けたりする動きがあれば、準備して先手で対応する。それゆえに急ブレーキが少ないし、上手に回避していける。
目の前しか見ていない人は急ブレーキかけたり、前の車と一緒に身動きがとれなくなる。
自動運転はそのレベルである。
まだまだ精神科医としてはAIに対抗できているが、AIの学習能力は脅威的だ。
ガイドラインヲタク的な医師がいて、臨機応変にケースバイケースで対応することを拒むことがあるのだけれど、そういうタイプは真っ先にAIに仕事を奪われてしまうのだろう。
私はますます感覚を研ぎ澄まして応戦するしかないな。
つづく