今夜も慶應精神神経科学教室のクルズス参加です。
メモリークリニックを担当されている先生に認知症の講義を受けました。
製薬会社のエーザイがレカネマブというアルツハイマー病の新薬を完成させ、欧州で申請が受理されました。ニュースでご覧になりましたか?
とうとうアルツハイマー型認知症の特効薬が出て、もう自分は認知症になっても大丈夫!と思ったそこの皆様、
残念でした。。。
「認知症症状の進行を27%遅らせることに成功した」という文面が一人歩きしていたかもしれません。
実際はレカネマブを使った人と、使っていない人(プラシーボを使った人)を比較し、18ヶ月間経過を見たところ、CDR-SBスコアという認知症症状のスコアが、18点満点中0.45点低かったという内容でした。これを画期的と言うべきかどうか人によるかもしれません。また18ヶ月以降の経過は不明です。
新薬ではありますが、特効薬ではありません。
アルツハイマーが原因の軽度認知障害以外の認知症には効果は期待できません。
適応かどうか調べるための大掛かりな検査機器は全国的に普及していません。
副作用で、脳の浮腫や脳出血のリスクがあり、治験段階では21%発症とのことです。
薬品代が年間350万円(米国)。医療費をなんとしても抑えようとしている日本でこのコストをどうするか難しいところです。
お金持ちのみ選択できる治療になるのか、しかし効果とリスクにおいて高価格に見合う薬なのか、まだまだ課題が残ります。
でも、とりあえず、一歩前進です。がんばれエーザイ!
今の段階ではやはり認知症を発症する前のリスクを評価し、予防に力を入れることが大切です。
当院ではアルツハイマーによる軽度認知障害(MCI)=ざっくり言うと認知症の前段階 のリスクを、
血液中の9つのタンパク質を測定することで判定する検査を行なっています。
費用は自費で25000円です。
認知症予防マニュアルもお渡ししますので、ぜひこの機会をご活用ください。