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11月 30, 2022

睡眠リズム障害におけるメラトニンやラメルテオンの使い方。

長ったらしい題名になってしまいました。

今晩は慶應大学の若手向きの睡眠障害のクルズスに参加しました。

大学では教育目的にしばしば若手向きのクルズスが開催されます。

若手向きというと入門者向きの初歩的な内容の講義と連想するかもしれませんが、

しっかり最先端の知見が盛り込まれ、しかもわかりやすいということでちょくちょく参加しています。

製薬会社とは全く関係なく開催されるので、ニュートラルな内容でとても良いのです。

今回は睡眠リズムと関係の深いメラトニンという物質についてのお話がありました。

私もメラトニンについては高校生の時に興味を持って調べたことがあり、医師になってから薬として処方するに至り感慨深いものがありました。

それなりに勉強いたしますと、ロゼレム(ラメルテオン)などの使い方は普通の眠剤とは異なることを知ります。

メラトニンが作用する受容体にはMT1受容体とMT2受容体があって、前者は眠気に関連、後者は睡眠のリズムを前後に位相させる働きがあります。容量と服薬する時間帯によって効果が変わってくるので、添付文書の用法用量の知識では使いこなせません。

詳しい知識を持って処方した内容が理解できない薬局さんもいらっしゃいます。

慣れていないある薬局は「処方が間違っている。医師がわかっていないのではないか」と患者さんにも伝えたそうです。患者さんともトラブルになってしまうのです。

ポイントがつくからといってそういう薬局で服薬指導を受けて欲しくないのです。

昔から「ミニドクター」と揶揄される薬剤師はいました。

医師よりも自分の知識の方が優れていると示したいがために中途半端な知識で患者さんに知ったかぶりをしてしまう薬剤師です。

流行っている情報を鵜呑みにして「こんな副作用が出るので気をつけたほうがいい」などと、患者さんの服薬状況にそぐわない指導で不安に陥れたり、

最先端の増強療法を知らずに「この使い方は間違っている、この医師はヤブ医者だ」とか

自分の知識をひけらかそうと(勉強不足の知識で)マウンティングしようとします。

シンプルに疑義紹介で質問していただければ、薬剤師にも気持ちよく情報共有しますが、このような態度の方は話を聞いてくれませんから、

患者さんには薬局を変えてもらうようにお願いするしかありません。

もし、医師から薬局を変えてくださいという話があったら、そういった事情だとご理解ください。

薬を間違えたことは一度もありませんが、1日3回で服薬するところを2回と入力してしまうなどの処方ミスは稀にあります。

そういう時は、謝罪と共に、指摘してくださったことに感謝をお伝えします。

精神科の薬は結構難しいので、慣れているところが良いと思います。

最近できたばかりの薬局にミニドクターがいて、患者さんには利用して欲しくないなと思っていたところ、しばらくして閉店していました。周囲の病院や医院とトラブルが続いたのかも知れません。

ミニドクターは企業の産業看護師や産業保健師の中にも存在することが確認されています。

産業医療がますます発展していく中でミニドクターは淘汰されていきそうです。