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6月 13, 2023

摂食障害。

オンラインで研究会に参加。

慶應児童精神医学研究会で現在の摂食障害の治療に関してのご講演。

遅い時間からのスタートなので時間的に忙しい開業医には助かります。

 

私が大学病院で研修医をスタートした時、慶應の精神科病棟は境界性パーソナリティ障害及び他院で手に負えなくて紹介されていらした摂食障害の患者さんで溢れていました。

研修医時代に一番思い入れのあった患者さんは摂食障害の中学生の女の子でした。

最大限の熱意を持って治療に参加していたので、患者さんにもご両親からも信頼していただいたと感じました。

私がバイクに乗って通勤しているとお話ししたら、白バイ隊員のお父様が大事なグローブを譲ってくださったこともよく覚えています。

今も元気にお過ごしのことと、思いを馳せています。

 

当時私の指導医にあたってくださった先生方は、今では全員が精神医学会の重鎮の先生としてご活躍です。

当時の摂食障害の治療としては斬新なIVHポートを使った治療を渡邊衡一郎先生が提案され、私も学会で発表させていただきました。

 

今回の摂食障害の治療は、昔と大きく変わった印象はありませんでしたが、

流派によって治療法は大きく変わるようです。

飢餓状態にある時は認知が歪んでいるので、精神療法はやっても効果がないということで、前半は再栄養を行動療法を用いて行うことが今も昔も一般的です。

また最近ではやはりASD(自閉スペクトラム症)と摂食障害の関連に関心が集まっており、治療法もASD有無で変えているスペシャリストもいます。昔は父親や母親との葛藤云々とか言われていましたけど、ASDではあまり関係がないかもしれません。親の関わり方の問題ではなかったのに、当時は指導されてしまったケースもあったかもしれません。

 

慶應の小児科では児童精神科の重鎮である渡辺久子先生が当時ご活躍されていた流れで、今は小児科で摂食障害を診ているのかもしれません。(間違っていたらごめんなさい)

 

摂食障害の治療には内分泌などの身体医学のかなり詳しい知識や治療技術が要求されます。

よって今も昔も、小児科、内科、精神科などが連携して治療ができる総合病院でないと、対応が難しい場合も多々あります。

 

私は摂食障害の治療経験があるからこそ、治療の限界もよく知っています。

その結果、当院では摂食障害の治療は行わないと決め、受け入れを行っていません。

摂食障害治療経験が生かされないのは残念ですが、なんらかの形で他の疾患の治療に役立っていることと信じています。

 

 

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