ブログ
12月 25, 2022

精神科薬の副作用ー整形外科編。

1、中年女性。体の痛みなど不定愁訴で整形外科を主体とする病院を受診。

整形外科は、体育会系で大雑把、そして言葉遣いも荒々しい先生が他の科よりほんのちょっと?多い。

私と仲がいい整形外科医は真逆の先生ばかりであるが。

その女性は、整形外科医に「あんたは頭がおかしいから精神科に行って診てもらいな」と言われたのでこちらにきたと述べた。

そういう言葉を使っても許容されるキャラクターというのは信頼が厚い昭和のドクターといえるのかどうかよくわからない。

色々お話を伺ていると、どうも夫のDVが症状と関連しているようだった。

DV夫婦っていうのは結構難しい。

周りが「そんなの早く別れなよ」といってもあれこれ別れられない理由を述べて、なかなか離れようとしないことがある。

共依存という問題が背景にあったり、被害者面して実は妻の方がモラハラがひどく、一方的にひどい言葉を夫に浴びせ続け、口下手で思うように言い返せない夫がキレてしまって手を上げているというケースもある。妻には自分の不満の捌け口となるDV夫が必要だったりする。あるいは、こんなダメな男を支えられるのは自分しかいない!と本質から目を背ける人もいる。

だから一方的な話では本当のところはわからないことも多い。

とりあえず、本人の問題はさておき、夫のDVをストレスと感じて体にあちこち症状が出ているようだったので、対症療法で薬を処方した。初診時に出した薬は劇的な効果でたちまちに症状が消失した。

整形外科で患者さんがそのことを報告したら、その先生に「精神科の薬なんか飲んでいるから気狂いなんだよ」と言われ、自分でももう良くなったと思って薬をやめたそうだ。そうしたらまた症状が出てきたのでなんとかしてほしいという訴えで再診にきた。

伝言デームで誰がどのように言ったというのは、間に入っている人の意思が介在しているので、話が変わってしまうこともある。

整形外科医が本当にそのようなことを言ったのかもわからない。時々直接問い合わせて聞いて事実関係を確認することもあるが、

今回のケースも筋は通っていないので、患者の問題も大きいのではないだろうかと感じた。

結局薬を飲むか飲まないか最終判断したのは患者であり、その理由づけに整形外科医を利用したに過ぎない。

服薬を無理強いする医療には興味がない。また、薬なしでパッと症状をなくす魔法もかけられない。(意外とそう言う要望をおっしゃる患者さんは実在する)

「飲みたくないなら薬を飲まなくていいですよ」と当院は終診とした。

すると夫からチンピラ口調でクレームの電話が入った。症状があるんだからなんとかしろという内容だけでなく、慰謝料を払え的な内容も含んでいた。

おう、そうか、こうやって夫を利用するためにDVだのなんだの言いながら夫を引き連れて来院するんだな、と状況が見えた。

「これからそっちに向かうぞ!」などと何かわめいていたが、「警察呼んで待っているからちゃんと来いよ」と伝えると結局来なかった。

それにしても整形外科医のいう「飲むと気違いになる精神薬」ってなんのことだったんだろうか?

 

2、サインバルタの副作用

うつ病でサインバルタを処方していたおばあちゃん。

サインバルタは当時うつ病に適応があったが、腰痛にも適応が取れ、製薬メーカーが整形外科医を集めて講演会を頻回に開催してサインバルタの処方を大々的に宣伝していた。

お薬手帳も見ない、薬の副作用にも無頓着な、大胆な先生も結構いるのに大丈夫なのかな?と心配していた。

おばあちゃんが腰痛で◯〇クリニックというどこの団体にも属していない営利団体的な整形外科にかかったそうな。

しばらくして、おばあちゃんが胃の調子が悪く食事が喉を通らなくなって弱ってしまったという。

何が起きているのか色々調べているうちに〇〇クリニックからサインバルタが重複処方されていることが判明した。

お薬手帳を見ない整形外科医、重複処方が出ていても無視するその門前薬局。

なんだかな〜。

 

Category : ブログ