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12月 25, 2022

わからない症状は精神科?-神経内科疾患編

以前、大企業でバリバリ働いていた管理職の知人が、私のところに相談に見えました。

「呂律もまわらなくなり、体の力が入らなくなった。字を書くのもやっと、歩くのも大変です。

総合病院(地域では患者数の多い大きな病院)などでさんざん調べたものの、血糖が少し高いとかその程度しか異常を認めないのです。精神的なものじゃないかと言われまして」

一通りお話を伺い、神経所見などとってみたところ、脊髄小脳変性症などの神経の変性疾患を疑いました。

心因らしきエピソードもなく、経過や症状からは解離性障害(転換性障害)らしさは認めません。

ふつうに考えて、まずは神経内科でしょう!ということで、知り合いの神経内科医にお勧めの病院を聞き、そちらに紹介しました。

多系統萎縮症というやはり脳神経の変性疾患でした。

具体的な病名までわからなくとも、これって神経内科の病気かどうかチェックしたほうがいいよね?って国家試験を受ける医大生のレベルでもピンとくる話だと思うのです。

どうして総合病院でそんな簡単なことができないのか?いろいな事情があると察します。

わからないとストレスなんじゃないの?精神科に行け、こういうことがしょっちゅうあります。

最近は、電話で私は何の病気でしょうか?何科を受診したらいいでしょうか?なんて電話も結構かかってきます。

ボランティアでトリアージする余裕はありません。

医療相談として有料でお話をうかがうという選択肢もあるでしょうが、無料で電話ですませたいという方がほとんどでしょうし、そんな時間もありません。

そういったご相談はお断りしています。

実際、トリアージする能力のある精神科はあまりないと思います。

何科を受診したらよいかわからない症状にお悩みの方は、何かで通院中であればその主治医にまずはご相談を、かかりつけがなければ一般内科あるいは総合診療科という選択肢があります。診療科としては総合診療科がベストだとは思いますが、数が少ないので、一般内科であればどの科を受診すべきかトリアージする能力は通常あるはずです。

 

 

 

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