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10月 8, 2025

気配り。

当院には色々な立場の方が通院しています。

大きな病院長とその病院の医療事務や看護師など、同じ団体に所属していてお互いに通院していることを知らないケースも多いです。

近隣の大企業で社員同士のコミュニケーションが豊富な職場では、むしろ通院患者さんが当院をお勧めしてくださって、みなさんお互いにオープンに話しているところもあります。そういう場合は向こうから「今度うちの社員が受診することになります。〜これこれこういう人でとても真面目で一所懸命な人なんです。どうか助けてあげてください」などと事前情報も得られたりしてとてもやりやすいこともあります。

とはいえ、経営者であったり病院長であったり立場的にオープンにしがたい方もいます。

可能な限り同じ時間帯に部下の立場の人の予約を入れないように調整するなど最大限の努力を行なっています。

ですから、予約外で急に来られるとか、直前の予約変更を繰り返すとか、当院ではお断りすることが多いのです。

時にはこんなこともあります。

長年こういう仕事していますと、しばらく話せば、この人が暴力団の構成員かどうかなんとなくわかります。

時々暴力団員かなと思ったら刑事さんだったということもありますが、笑。

しかし暴力団員だからと、それだけの理由で断ることはしません。当院と他の患者さんに迷惑をかけなければ診てあげます。

偽の診断書作成しろとか、睡眠薬大量に処方しろとか、そんな話なら門前払いしますが。

でも、できれば足首手首までガッツリ刺青入れている人は隠してきて欲しいな、怖がる人もいますので。(刺青びっちりの方は血管分かりづらくなるので、採血しません。C型肝炎のリスクもあるからね)

とはいえ、だいたいそういう方は私に対してはめっちゃ礼儀正しいです。受付で揉めることもありません。

それどころか大変義理堅かったりします。

見た目普通そうでも覚醒剤の既往などあれば、色々聞いているうちに「もう足を洗った」などと打ち明けてくれます。

 

念の為気をつけているのは、彼らにも流派があって、違う団体で摩擦が生じることがあるということです。

稲◯会とか山◯組とかなるべくどこに所属しているのか伺って、彼らが鉢合わせしないように細心の注意を払っています。

予約制には色々な側面があります。

 

雑談

 

もう10年以上前の話になりますが、運送会社の会長という人と知り合って、何か私のことをとても気に入ったようだったんですよね。

フェラーリだのベントレーだの色々のせてくれたりしてね。

ある日悩み事があるので聞いて欲しいと言われ、お迎えがきて芸能人が来るような高級寿司店に連れて行ってもらったんです。

話を聞いたら、彼の父親は組長だったようで、かなり熾烈な虐待を受けて育ってきたようでした。それでも父親に認められたいとしにもの狂いで生きてきたそうです。色々な思いをずっと飲み込んで生きてきて、パニック症を発症していたようでした。誰にも弱音を吐けず、普通に振る舞っているのだけど、本当は苦しい、助けて欲しいと。で、治療してあげたんですよ。とても喜んでいて、兄弟の盃を交わそうと言われ、しかも五分五分の盃だと言われたんです。私より年上で、図体もでかい大男で、いつも偉そうにしていた人間が五分五分っていうからには彼なりに信頼したんだと思います。

兄弟の盃?なんのこっちゃわかりませんでしたが、乾杯しました。

彼は今でいうブラック企業のボスで、非常に気分屋でパワハラ気質でした。何者だったのかは知らなかったことにしています。

私が開業するときに、金を用意してやろうかとか、私の足を引っ張るやつを潰してやろうかと、冗談を言われましたが、一応断りました。

その後は会っていなかったのですが、しばらくして彼の叔父貴という方から彼の死を聞きました。

金は唸るほどあったのに、本当に可哀想な人生でした。

天国では酒を控えろな。

寿司ばかり食ってるんじゃねえぞ。

写真は本文となんら関係がありません。

 

ちなみに、というか、もちろん、私には刺青入っていませんし、団体にも所属しておりません。

安心して取引してください、笑。

 

 

 

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