日本の医療の質
高齢化社会で老人が増えると、当然がん患者やいろいろな病気にかかる人の割合が増えてくる。高齢化社会では医療がどんどん上がっていくのは(良いとは思わないけど)やむを得ない。
現在の日本の保険診療の保険料は、「健康な人が病気になったときに備えたり、健康な人が病気の人を支える」という仕組みで成り立ってきた。
だから(他の国に比べて)お金のない人も医療を受けることができた。
しかも、OECD加盟の先進国の中でトップクラスの質を誇る医療が日本では受けられる。
トップクラスってどうやってわかるのって?
一つの指標だが、「適切な医療を受けられれば命が救えた可能性がある」指数というのがあって、日本は80程度でダントツに低いほう。先進国でも400以上という残念な数値を認めている国もある(これだけ救えるはずの命が救えないってこと)
また日本人の寿命もトップクラスに長い。
GDPに対する医療費の割合は、丁度真ん中、平均値のわずか上あたりだ。
ということで、かなりコスパが良いのだ。
それから実は自己負担も少ないほうなのである。
こんな状況で日本の医療に不満を募らせているような人はもはや世界のどこに行っても暮らせない。
むしろ日本から出ていってくれ、笑。
それは言いすぎた、ごめん。
とは言え、結構日本の医療頑張ってるっていっていいよね。
それからこれを医者が自分で言っちゃうと反感買うってわかってはいるけど、ちょっといいたい。
医者っていうと高級取りのイメージがあると思う。日本の医者が威張っているとか偉そうにしていると思っているかもしれないけれど、世界的には医師はもっとステータスと報酬が得られる職業であり、海外に行くととても敬われたり、特別扱いを受ける事もある。海外の飛行機では、(急患が出た時の対応を期待してだとは思うが)勝手にアップグレードしてくれたりする経験を何度かした。そしてステータスだけでなくアメリカでの医師の報酬はうらやましいとは思う。
アメリカではオバマさんが日本の皆保険制度を見習ってオバマケアを推進しようとした。しかし、日本の医療現場を見学した結果、「これは無理だ、日本のように献身的な医療はアメリカの医師たちには真似することができない」と断念したそうな。
日本の医師たちが責任感が強く、プライベートの時間も犠牲にして働いており、高度な専門性のある職業にもかかわらず時給換算でもアメリカの医師と比べてはるかに待遇がわるかったからだ。これをアメリカの医師たちが受け入れるはずがなかったということである。
とは言え、デフレ社会だった日本では給料が保証されているだけマシだった。我々氷河期世代の中でも安定した職業として人気だった。
しかし、インフレに転じて相対的にも実質的にも待遇が悪化
続く