当院は完全予約制で、再診の方はほとんど待たずに診察を受けることができます。
10分待たせたら「お待たせしましてすみません」と声をかけます。
皆様良いかたなので、「いえいえ」と返事をしてくださいます。
私が予約時間通りに診察を始めるには、患者さんが予約時間までにきていただくことが前提です。遅刻者が重なると、ずっと後まで響くので、すぐに予約制が崩壊します。ほとんどの医療機関で予約制が崩壊するのは、やはり遅刻したり予約を守らない患者さんがいるからだと思います。
当院は厳しいですが、その結果まじめに治療を受けてくれる患者さんが当院を選んでくださり、その結果、予約制が維持できています。5分遅れてきた方も「すみません」と言ってくれます。こちらも気持ちよく診察できます。
予約が守られるために、初診のための時間を空けることもできます。再診の方が予約できない時間帯をわざわざ作っているのです。
通院患者さんの協力で初診の方をしっかり診るというシステムが守られているのです。
めんどくせえクリニックだと思われようが、この点にこだわったことで、治療に対してまじめに取り組んでくださり、尚且つお互いの時間を大切にできる質のよい患者さんが当院に集まってきました。態度が悪い方、時間を守らない方、嘘をついたり他人を損なう方とは摩擦を生じさせた結果、当院から離れて行ってくださいました。
万人受けするようなコマーシャルを打たず、文句がある奴は来るなくらいのHPを書くという前代未聞なやり方を通してきて、患者さんの質がどんどんよくなっています。この人たちのためなら全力で頑張ろうって心から思えて、改善が見られるたびに、こちらも心から嬉しいと思えるのです。
初診に関しては、タイミングによっては2−3周間程度で診察に至る場合もまれにありますが、新規の患者さんの受け入れを中止ていたり、予約が数ヶ月先になってしまいことが本当に多く、当院を受診したいと思ってくださった方には相当なご不便をかけてしまっています。
今日の初診の方も何年も前から当院受診を希望されていた方でした。
色々調べて都内で有名なクリニックに通ってみたり、市内の病院に行ってみたりしたものの、
ほとんど問診もなく処方だけだっと言います。
こちらを受診したいと問い合わせたものの新規の受け入れを中止していると言うことで受診を見送っていたそうです。
今回タイミングよく受診にいたったそうです。
大変な喪失体験でショックを受けておられた方で、トラウマの蓋が開いてしまわないか若干心配でしたが、色々な心の内面を吐露してくださり、両親との関係、姉妹葛藤からその後のトラウマ体験と症状の出方の関係性を紐解くことができました。
心の琴線に触れた時の涙に、思わずもらい泣きをしそうになりましたが、心を整えて診察を続けます。
悲しみを一緒に味わうと私の心も傷つくのです。本当の共感とはこのようなことだと思っています。
将来に何も希望を見出せない状態と伺いましたが、電話の予約の時点で「治療のためにお酒をやめてほしい」とお伝えしてあったことに対して、本当にお酒をやめて初診に臨んでくださいました。治療に対する真剣さをしっかりと受け止め、全力でサポートすることを誓います。
将来の希望を見出せるように、今現在の困り症状を解決して乗り越えていけそうだと、私には先が見えています。
このかたは良くなります。本当に。