上尾メンタルクリニック

八木 上尾メンタルクリニック

2月 10, 2023

雪。

積雪でキャンセルのご連絡をたくさんいただいています。無理せずご検討ください。

陸橋は通行止めとなっています。

2月 9, 2023

睡眠時無呼吸症候群。

今日は上記につき一般の医師向けの基本的な内容の講演会。講師の先生のお話はとてもわかりやすく、流石です。

大学の研究会はあまりにも専門的で高度な内容の話が多くて、ちょっと消化不良になることもありますが、

基本的な知識を整理する講演会を聴講するとなんだかスッキリ、安心します。

焦りではなく、また明日も頑張ろうという前向きな気持ちが湧いてくるのです。

医師は生涯勉強です。

 

いびきをかいたり、息が苦しくて目が覚めたりする、昼間眠気があるなどの症状のある方はぜひ当院にご相談ください。

スマホで梅の花を上手に撮影できない・・・

春は間近。

 

 

 

2月 8, 2023

精神科リハビリテーション。

今日は慶應社会精神医学研究会の先生のお話。

当院では十分に行えていない領域です。

当院では社会機能が維持されている患者さんが多く、あまりその必要性がないということもありますが、精神科にも地域包括支援をという流れがあり、どのように関わっていくか課題になりそうです。

2月 7, 2023

朝起きられない中高生:起立性調節障害!?

今日は睡眠障害のうち過眠傾向のある障害についての勉強会。

当院では睡眠ドックを行っていますが、検査のレポートは有名な先生に作成していただいております。

今回はその先生のご講演でした。

1998年に覚醒維持と関連のあるオレキシンを発見した柳沢先生のグループです。

不眠症の治療では第一選択薬と言っても良いオレキシン拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴ)をご存知の方も多いと思います。

【ナルコレプシー】ナルコレプシーという病気を聞いたことはあるかと思います。これもオレキシンと関連した病気です。(ナルコレプシー・タイプ1はオレキシン欠如、ナルコレプシータイプ2はオレキシン機能およびドパミン機能低下を想定)

視床下部腫瘍、多発性硬化症、頭部外傷、筋ジストロフィー、プラダウィリー症候群、パーキンソン病、サルコイドーシス、脳梗塞などに伴った症候性ナルコレプシーはタイプ2に分類されます。

ナルコレプシーは昼間に強烈な眠気の発作が生じ、寝てしまいます。楽しい、嬉しい、驚きなど強い情動が沸いた時に体の力が抜けてしまうカタプレキシー(情動脱力発作)や、寝入りばなに幻覚を体験したり(入眠時幻覚)、寝入りばなに金縛りにあう(睡眠麻痺)などが認められます。居眠り発作は15分程度で、目覚めはスッキリだと言います。

【特発性過眠症】特発性過眠症はナルコレプシーと似ていますが、カタプレキシーはなく、そのほかのレム睡眠関連症状の頻度は低いものです。特発性過眠症はドパミン機能の低下が想定されておりますが、モディオダールの処方で効果を認めるときも、効果が得られない時もあります。当院では発達障害との関連性を疑って注目していた疾患です。(ナルコレプシーも30%以上にADHDの症状があることが報告されています。)長時間睡眠を伴うものと、伴わないものがあり、伴うものは有効な治療薬がありません(適応外処方で多少の改善は認めることがあります)

ナルコレプシーと違って居眠りは1〜数時間にわたり、目覚めが良くありません。10代から20代後半が好発年齢です。ナルコレプシーはもっと若いです。

ナルコレプシーも特発性過眠症もPSG、MSLTという精密検査が診断のため必要です。1泊2日の入院が必要で、検査技師さんが一晩泊まって検査します。私も研修医時代に終夜脳波などでお休みになる患者さんの枕元で流れてくる脳波を見て、患者さんの体動など書き込んでいく作業を夜通ししたことがありますが、かなりきつい作業でした。何度も寝落ちしそうになりながら患者さんを起こさないよう静粛に起きていないといけないのです。この点がネックで当院では精密検査を行っておらず、全国的にも検査ができる施設はとても少ないという現状があります。

【反復性傾眠症】クライネーレビン症候群(周期性傾眠症)のケースを1例経験したことがあります。数日から数週間続く過眠症状を年に数回から10回以上認め、その間は学校や会社などの社会生活を送ることができなくなります。国家試験には出ていましたが、精神科医でも知らない先生も多く、怠けているなどと誤解されて見逃されていることも多いのではないかと思います。

【睡眠不足症候群】臨床で意外に多いのが、睡眠不足症候群による日中の眠気です。これは2−3回通院すれば診断と解決ができます。

日中の眠気でまず除外しなければならないのは睡眠時無呼吸症候群です。当院では簡易検査を行っていますが、精密検査に迫る情報が得られ、詳しい分析をしてレポートにして差し上げています。(忙しい私にとっては結構大変なのですが)

【睡眠相交代症候群】睡眠相後退症候群に対する治療薬の使い方もあまり知られておらず、ノウハウがあります。

【若年性起床困難症】中高生の起床困難には色々な要因があると思いますが、昔は起立性調節障害という病名が使われていることがありました。

朝に血圧が低いために起きられないのではないかという仮説です。自律神経症状を伴うことは多いものですから、起立性低血圧(寝た状態から起き上がった時に血圧の低下が認められる)があるから、血圧を上げる薬を使えばいいという理屈です。しかし実際にそのような薬を使って不登校が解決することは少なく、血圧は問題の本質や原因ではないのです。今でも起立性低血圧が原因だと信じて治療している小児科医や精神科医がいます。どうして治らないのか振り返る必要があります。神林先生は「若年性起床困難症」という病名をご提案されていますが、まさにその通りだと思います。

【発達障害の睡眠障害】発達障害の人の中には衝動性や依存報酬系の問題を抱えた人も多く、アルコールやギャンブル、スマホ、ゲームにハマってしまう人がいます。夜のスマホやゲームで夜更かしして、朝起きられない人がかなり多く認められます。こだわりも強く、どうしてもやめられない場合は、朝起きられず登校や仕事ができない状態が長期化します。

中高生の不登校には発達障害の問題のほか、親との関係や学校でのいじめなど心理的な要因も関係していることがあり、何が原因なのか突き止めることが難しいことも少なくありません。

【長時間睡眠者】そのほかロングスリーパーによる起床困難も経験しました。診断がわからず、いつもご相談させていただいている睡眠の専門家にご診断いただき、納得することができました。日中の家事の段取りが悪く、入眠時間を早めることができない状況があり、なかなか症状を改善することができないケースでした。

【交代勤務睡眠障害】交代勤務の方の眠気も問題となることが多く、これはなかなか対応が難しいものです。

追記:当院では睡眠関連摂食障害に対する対応も早期から関心を持って行ってきました。

マイスリーなどの睡眠薬服用中の方に認められることが多いもので、寝る直前あるいは一旦寝てから起きて、炭水化物や高カロリーなものを異常に沢山食べてしまう症状です。オレキシンは摂食行動と関連します。薬による脱抑制だけが注目されていましたが、異なる機序も関連してそうです。また私の中で新しいひらめきがありましたので、そのような症状がある方はぜひご相談ください。

2月 6, 2023

今日の研究会。

今晩は慶應認知行動療法研究会を聴講。

CBT(認知行動療法)、CFT(コンパッション・フォーカスト・セラピー)、DBT(弁証法的行動療法)を一般外来の中で自由自在に使い分けて予約なしで行っているという、スーパーな先生のお話。

患者さんは当然2〜4時間待ちくらいは当たり前でしょうが、なかなか出来ないことです。

卒後20年以下の若手とも言える年齢で、極め方がすごいのです。体力もあるのでしょうね。

参加者のお一人が「一生かかっても真似できない」とおっしゃっていましたが、私もそう感じたのでした。

医学、精神医学は特に、一昔前と一変しています。

経験がものを言いそうな精神科でも、ベテランが良いというわけでは全くなくなってきています。

新しい知見をしっかり学んだほうが自己流の経験よりもずっとアドバンテージがあると思います。

自分ではそれなりに勉強しているつもりでも、まだまだしっかりやらないといけないと思いました。

 

 

 

2月 4, 2023

型があっての型破り。

恩師の加藤雄司先生が愛した歌舞伎。

歌舞伎の中村勘三郎さんの言葉で、「型があっての型破り」というものがあります。

何かを習熟する時にまずは型を学んで身に付けてから、新たな方法を生み出していくというものです。


当院では広場恐怖症や社交恐怖に対して薬物治療と行動療法をミックスしたオリジナル治療を展開しています。

丸腰での行動療法よりハードルが低く、成功体験を繰り返しやすく、みるみる行動範囲が広がっていくのが目に見えて楽しいです。その分維持療法をしっかりやらないといけないというデメリットはあります。恐怖症の人にはチャレンジしていくマインドがないと症状はよくなりませんが、スパルタなカウンセリングを受けて悪化している人を結構見ます。スパルタな行動療法が必要なのは強迫症くらいではないでしょうか(私見)。

耳鼻科で対応しきれない不安やうつと関連しためまいや耳鳴りに対しても脳の感覚過敏仮説をたて、オリジナルの薬物療法と従来のめまい体操をミックスしたオリジナル治療も行っています。開院当初より時間があれば患者さんにめまい体操を一緒にやって指導もしまてきました。食いしばりや歯軋りとの関連も見出し、口腔外科と連携をとることもあります。

また、師匠の鈴木仁史先生の心身症、身体表現系の治療をベースにしてアレンジした、言語化が不得手な方の身体化症状に対するオリジナル処方もあリます。

トラウマ、悪夢、社交恐怖などの過剰な交感神経反応に対しては循環器でのトレーニングをベースにしたオリジナル治療を行っています。

精神療法では、必ず生じてくる転移も扱いますし(得意ではありませんが)、EMDRを一部使った混乱時の緊急避難的な対応もします(エキスパートではありません)。ドリルは好きじゃないので、認知療法より行動療法に重点をおいた簡易的な認知行動療法のエッセンスだけ真似て治療に使ったりもします。勤務医時代から患者さんと一緒にマインドフルネスやヨガをやったりしていました。

いろいろなものを取り入れて、自分なりの仮説をたて新しい試みも行っています。

 

しかし、どの病気にも「ガイドライン」というものがあって、標準的な治療方針が決まっています。

ますは型通りに治療する研鑽を積みます。

診断には操作的診断と言って職人でなくても誰でもトレーニングさえ積めば同じように診断名をつけることができるようなシステムも世界標準となっています。症状や経過だけで診断する方法で、原因や治療とそのまま結びつけられないデメリットがあります。

従来診断では精神科医の技量や感性によって診断名がバラバラになってしまうという問題点があったため、その点がクリアになりました。

診断も共通語として使える操作的診断の方法を習得することが必要です。

私の場合は北村先生から直接ご指導を受けるチャンスに恵まれ操作的診断もスムーズに行えるようになりました。

 

まずは基本を押さえないといけません。

基本を抑えて上で、新しい試みをすることになるのです。

型があっての型破りです。

 

しかし、操作的診断なんで馬鹿馬鹿しいと言う医師もいます。

従来診断と言われる、病態生理的な?視点に立った診断名は治療と紐付けしやすいし、本質は何か常に考えを巡らせるということも大変重要ではありますが、発達障害の詳細な知見が明らかになるにつれて、従来のうつ病の細かい分類などもちょっと怪しくなってきました。もう少しすると全く異なるうつ病などの分類ができるようになるのではないかと期待しています。

発達障害もちょっと前まではASDとADHDは合併しないと言われていたのです。両方の特性がある人を見て私は大いに混乱しました。当時の診断基準や教科書にはしっくりこない、納得がいかないことが沢山書いてあったのです。ようやく今になって納得できる答えが見つかってきたのです。とにかくどんどん知識をアップデートしていかないと間違った医療を続けてしまう可能性があるのです。

新しい型をまずは習得してまた次に行く、これが大事だと思います。

病態生理的な診断も日々バージョンアップし、操作的診断もバージョンアップします。

しばらくはこのダブルスタンダードで両方を用いて診断と治療を行っていく必要があると思っています。

この点にこだわって当院は診療を行っています。

 

 

 

2月 2, 2023

はり。

東洋医学に魅了され、20年以上。

幾度となく経絡や鍼(ハリ)治療の講習会や実習などの機会がありました。

とても興味があったものの、なぜか、他の予定が入ってしまい受講できなくなることが繰り返され、

結局1回も鍼の勉強をせずに今に至ってしまいました。

鍼治療についてはど素人です。

 

今回、思い切って患者として治療を受けることにしました。

私が漢方の講義をよく受けていた先生とご関係のある鍼灸の先生に診ていただきました。

あちこちに鍼灸院とかありますけど、怪しいところもあるので、とりあえずちゃんとしたところのちゃんとした先生のところに行ってみました。

解剖学の時に勉強した懐かしい神経の名前や経絡のツボの名前をたくさん教えていただきました。

パソコン作業(とストレスで、笑)で生じた筋肉の凝りをやっつけるべく通院します。

楽しみです。

めちゃくちゃ健康になってやる!笑

 

 

*当院では漢方も治療の選択肢として取り入れていますが、漢方を闇雲に勧めたり、漢方だけで問題を解決しようとすることは一切ありません。漢方では効果が見込めない内容と判断した場合は、漢方での治療を希望されてもご要望に添えない場合があります。

1月 31, 2023

オンライン診療。

先程オンライン診療についてセミナーを受講しました。

講師は昔お世話になった先生だったので驚きました。

小児科のトレーニングで私の指導にあたってくださった先生でした。

私と違って無駄のない聡明な先生で、やはり大変ご活躍されているご様子でした。

私が出会ったことのある小児科医は皆様熱心で人柄も素晴らしく優しさが溢れているとしばしば感じてきました。

救急外来での小児科診療は患児をこのまま帰していいのかどうか良く悩みました。小さなこどもは症状を自分で説明できないからです。

困った時に夜中に叩き起こした小児科の先生は嫌な顔一つせず対応してくださったのを良く覚えています。

小さな事ですが今でも小児科のトレーニングで役立っていることの一つは採血技術です。

小さな手の見えない血管を探して点滴や採血をしたことは、その後の自信につながりました。

開業以来採血は看護師に頼らず自分で行ってきましたが、採血不可能だった人は1人だけです。

 

話は脱線しましたが、当院ではオンライン診療の準備をしております。準備ができたら試験的な運用を行なっていきたいと思います。

当院に通院中の方で興味のある方は仰ください。

時代の流れ、国の方針でオンライン診療は普及していくと思われますが、どのような感じになるのか楽しみでもあるし、不安でもあります。今日は初診の患者さんを大真面目に診察した後、採血で患者さんの近くに寄りました。やはり距離感というのは人間同士の交流で意味のあるものだと感じます。患者さんの趣味が私も好きだったもので、診察中の私の反応から患者さんがそれに気がついたようでした。身体的距離が近くなったのをきっかけに患者さんと雑談がはじまりました。とても打ち解けた雰囲気になり一緒に治療していく仲間として信頼関係の第一歩が築けた感じがしました。(精神科医は自分語りを治療上すべきではないので、内面をお話したわけではありませんが)

実際に会って話すので、汗を書いているとか、臭いとか、色々な感覚で患者さんの精神状態を感じ取ることもできます。

また、不便なところをわざわざ来院するという行為そのものが精神科的には治療的な意味を持つことがあります。自分自身が治したい、変わりたいと思って、手間をかけたことは自分自身の身になるのです。

そういうところをカットしていくことでどのようになるのかやってみないとわかりません。メリットもデメリットもあるでしょう。

とりあえずやってみてから判断しますか。

 

1月 31, 2023

βブロッカーの冤罪(βブロッカーと抑うつに因果関係はあるのか?)。

今日はどちらかと言えば、薬剤師さん向けの内容になってしまいます。

実は(実はっていう展開がわかるのは薬剤師さんだけかもしれない)私は日経DIを購読しています。

他の科のお薬事情などをざっと目を通して情報収集しやすいからです。

で、今日届いたDI(ドラッグインフォメーション)にβ遮断薬(ブロッカー)と抑うつの因果関係についての記事がありました。

私がどのようにβブロッカーをとらえているのか、ぜひ知っていただきたい内容でした。

 

βブロッカーとは、狭心症や心不全の治療で使われる交感神経の過剰な興奮を抑える薬です。

分類としては降圧剤に位置しますが、それほど血圧を下げる作用は強くありません。

どちらかといえば、ドキドキ(脈)を抑える方向で心臓などの負荷を取り除いてくれる薬です。

その中でも、脂に溶けやすいタイプの薬であるインデラル(プロプラノロール)は脳にも薬が届きやすいとされます。

私が学生の頃は、βブロッカー特にプロプラノロール(原因)は脳に作用し、抑うつ作用(結果)があるのではないか(因果関係)と教わっていました。

しかし、その後の研究を追っていくと、2011年のVerbeekらの総説論文では「多くの研究において、β遮断薬が抑うつ症状に影響を与えることは確認されていない」、2021年の2件のシステマティックレビュー・メタ分析では、Liらの観察研究で統計的有意な関連性が示されている一方Riemerのランダム化比較試験では関連性は示されていないという事実を認め、β遮断薬と抑うつの関連性が直接的な因果関係ではない可能性を示唆しています。

2022年の英国の大規模プライマリケアデータベースを用いたケースコントロールスタディでは、βブロッカーの短期使用でうつ病リスクが約2倍に増加した一方、長期使用ではうつ病のリスクが低下するという結果を認めました。もし仮に、βブロッカーと抑うつが因果関係にあるのだとしたら、βブロッカーの短期使用よりも長期使用の群において、うつ病との強い関連性が示されなければならないのです。すなわち、β遮断薬と抑うつの因果関係は示されていないのです。

つまり、見かけ上の関連性である可能性が高いということです。

私の臨床経験でもβブロッカーが原因で抑うつ状態になったという因果関係を疑うようなケースは一度も経験したことがありません。

むしろ、抑うつ状態になるほどの交感神経が緊張状態が続いているような人は狭心症や心臓に負担がかかる健康状態になるリスクが高く、結果としてβブロッカーが投与されていることが多いということであると私は考えています。

「抑うつを警戒するあまり、心血管予後の悪化が懸念される患者にβブロッカーの投与を躊躇してはならない」(Verbeekら)のです。

うつ病や不安症の人にβブロッカーが投与される場合に、闇雲にうつ病が悪化する可能性を強調する服薬指導をしてはならないのです。

薬剤師が服薬指導で、副作用を強調し過ぎると、患者さんは心配になって、関連のないちょっとした出来事や思い込みで副作用が出たと信じてしまう「ノセボ効果」をもたらす危険性を意識していただきたいと思います。

β遮断薬服用と抑うつに因果関係がある可能性は極めて低いことを強調すべきと記事を書かれた青山先生も述べていらっしゃいました。

あまり知られていませんが、添付文書で副作用として記載されている症状に対する治療薬として使うこともありますし、記憶やトラウマに関する作用も報告されていてとても興味深いお薬です。

 

ただし、βブロッカーでは添付文書上強調されていないのに、比較的注意しないといけない重要な副作用もあります。

副作用を気にしないタイプの精神科の先生は処方を避けたほうが無難なお薬とも言えます。

当院の処方をそのまま真似て処方される方もおられますが、使い方に工夫や注意が必要ですのでご注意ください。

 

遮断薬=ブロッカーですが、どっちも使うので統一せずに書いてしまいました。直すの面倒なのでご寛容ください。

 

 

1月 28, 2023

高齢者のうつ病。

今日は診療所協会の勉強会。

「高齢者のうつ病とレビー小体病」。

DLBのサブタイプのお話も興味深かったです。

診療所の臨床ではバイオマーカーなどの検査もできず、認知症は神経内科にお任せしておりましたが、もう少し頑張ってみようかと思いました。

色々とやるべきことが多いのに、今日も勉強に逃げました。

しかし、精神科だけでも膨大な知見を勉強し尽くせないこの状況。

開業当初は内科の診療も続けていこうか迷いましたが、やめておいて正解でした。

ちょうど糖尿病治療など次々にアップデートされている時期で、内科も精神科も両方同時に常に最新の治療を行なっていくことは難しいと判断し、精神科に絞って診療を行っていくことにしたのです。職人として納得のいく仕事がしたいと常に思っています。