Written by 上尾メンタルクリニック
今日は慶應大学の三村教授のご講演。
LLD(LateLifeDepression)と認知症について。
慶應での研究は三村教授が就任されてからより一層活発になり、世界レベルとなっている。
認知症も発症してからの治療では間に合わないので、βアミロイドやタウ蛋白が沈着し始めたタイミングから治療ターゲットになっていく様相を呈している。
現段階ではアミロイドPETが可能な施設は限られているし、費用も30万円程度はかかってしまう。
スクリーニング的にアミロイドPETを行える状態ではない。
しかしAβ42/40などのバイオマーカーならばもう少し簡単に検査できるし、
なんと形態MRIでβアミロイドの沈着の状況を80%以上の確率で推定できる技術も開発した。
認知症治療が一気に加速する可能性がある。
高齢者のうつと認知症の鑑別は難しいとされてきた。
しかし、高齢者のうつでもアミロイドパチーだったりタウオパチーかもしれず、うつと認知症は移行あるいは併存していることも評価が必要で、治療も大きく変わっていく可能性がある。
先日は精神科の一部は神経内科に吸収されるのではないかと述べたが、慶應の研究を見る限り、むしろ精神科が神経内科の一部を吸収していくかもしれない。
認知症は治らないから、臨床がつまらないといっていた先生もいたが、これからはとてもやりがいのある仕事になるかもしれない。