Written by 上尾メンタルクリニック
歴史を学ぶって大事ですよね。
過去に起きたことは繰り返されるので、将来を予測するのに役立ちます。
受験だって過去問で傾向と対策を練ることで合格率は高まります。
過去に津波被害にあった場所はまた津波被害が発生します。
私は患者さんの病歴をとても重視します。
過去にどんなことがあったのか、どんな失敗を繰り返しているのか、どんなふうに乗り越えたのか。
事細かく詳細に知ることで、患者さんの弱点は何か、どんな局面で具合がわるくなるのか、良くなるきっかけはどんなパターンか知ることで圧倒的に治療が有利になります。
だから私のカルテは膨大な量になります。
自立支援や障害者手帳の診断書などで私の文書を目にした方は、他院との情報量の違いに驚くことが少なくありません。
患者さんはご覧になれませんが、情報提供書も然りです。
病歴は患者さんの財産であり、命を守る重要な情報です。
初診でまとまった時間を確保し、病歴を洗いざらいチェックすることがキーになっています。
しかし、物価高、人件費高騰のインフレにもかかわらず、診療報酬を圧縮していく政策ですから、保険診療を行っていくには高回転型診療を行わねばなりません。
これはコンビニチェーンクリニックなどがすでに行っている方法です。
初診は15分程度、再診は3分以内に切り上げるよう厳しく管理されていたりします。
患者さんの経済的負担を増やさないためには保険診療に頼って行かざるを得ないですが、
それでは詳細な病歴が得られなくなります。



