お薬は効果を期待して使うものですが、好ましくない副作用も生じることがあります。
新しくお薬を処方した時はお薬の副作用などないか必ず確認します。
患者さんは大体気になることを教えてくれて、それに対する対策を立てたり、お薬をやめてみたり、変えてみたり話あいながら治療を進めていきます。
しかし、患者さんから相談しづらい副作用というのもあります。
SSRIあるいはSNRIなどの薬剤で、性的な感覚が鈍くなってしまうことがあります。
現状では一般的に使用頻度の高いフルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、エスシタロプラム、デュロキセチンなどの薬剤です。
まず、中年男性はすぐに教えてくれます。
でもなかなか言えない人もいると思います。
若い女性が教えてくれたことは今までで数えるほどです。
しかし、これは副作用が少ないのではなく、統計的にはもっと沢山いるはずなので、
おそらく相談できずにいるのだと思います。
なんか理由も言わず、その薬を飲みたがらない、という女性は沢山いました。
正直にお話しにならないのでわかりませんが、その中の何割かは性的な副作用が嫌だったのではないでしょうか。
私の方も、初診で処方するときにいきなり性的な話をするのもどうかと思い、お伝えしないこともあります。
しかし、マイルドな表現で最初の段階でお伝えすべきだと考え、表現の仕方を検討しています。
また、スルピリドをはじめとしたドパミン拮抗薬と分類されるお薬は生理が遅れたり、乳房が張って時に乳腺炎様の痛みを伴ったり、乳汁が出たりすることもあります。お薬をやめれば大概は1〜2ヶ月で徐々に戻っていきます。
若い女性には第一選択薬とはなりませんが、どうしても今の段階ではこれしか使えない、という場合もあります。
その時は最初から副作用のお話をしておきます。
もしかしたらこれは副作用なのかな?と疑問に思ったら他の科の内容かもしれないと思ったとしても、とりあえず診察時に主治医に投げかけてみてください。当院では誤魔化したりせず、きちんと向き合って説明します。