だいぶ前からですが、薬の供給が不安定となっております。
発端はジェネリック医薬品の製造上の不正で、行政処分を受けた会社が現時点で13社にのぼります(記憶が正しければ)。
業務停止などで薬が足りなくなりました。
これは最初からなるべくしてなったもので、想定内の話です。
国は医療費削減のためにジェネリックをゴリ押しで推進してきました。
その流れは仕方ないとは思いますが、毎回やり方が良くないと感じます。
ジェネリックの品質を管理する制度を整備しないまま「ジェネリック医薬品は先発品と同じクオリティ、効果も全く同じである」と嘘をついて無理やり普及させたのです。
診療報酬を操作し、ジェネリックを利用しないと経営的にハンディを追うように医療機関を誘導しました。
健康保険組合も躍起になって先発品を処方されている患者さんにハガキや手紙を送りつけジェネリックに変えるように追い詰めました。
当初からわかりきったことですが、ジェネリックは先発品とは同じではないです!
適当な臨床試験やnの少ないデータを持ってして、「先発品と効果は同じで価格が安い」と平気で宣伝しました。
ジェネリックが普及する前、大阪のジェネリック会社が営業にやってきました。
適当なことばかり言っていて本当に不信感しかなかったです。
研究者でなくとも出鱈目なことをやっているとわかりきっていました。
患者さんも先発品と後発品の飲み心地の違いが分かる人も多いです。
国はやるといったらいつもゴリ押しするので、結局従わざるを得ず、
今ではジェネリックの飲み心地を想定して処方したりします。
そのような中、次々とジェネリックの製造上の不正が判明し、生産が止まり薬品不足が始まりました。
その影響で先発品も足りなくなり、代替えとなる薬にも影響。
大迷惑です!
それなのにジェネリック会社からは何の謝罪もないです。
また、薬価の安い薬を使うことで医療費を下げると言いながら、薬価の安くてとても良い薬を利益が得られないから生産中止にする会社も相次いでいます。製薬会社としては薬価が高くて儲けの大きい薬を売りたいわけです。国はそのような動きには介入しません。
どういう力が働いているのでしょうか?
守るなら、日本の先発品製薬会社を守れ!
新薬の開発をして世界をリードする力をつけさせろ!
コロナの薬やワクチンも海外のメーカーに大きく出遅れたのは国のこれまでの政策が間違っていたからです。
日本の将来をどう考えているのか、政治家や官僚はきちんと考えてほしい。
追記:
現在の漢方薬不足には別の事情もあります。
コロナの第7波で相当な発熱患者さんが受診しました。
風邪薬が供給不足になっています。
漢方薬にも風邪に効果を認める薬がありますので、当然それらも品薄になりました。
そこで製薬会社は漢方風邪薬の増産をするために、他の漢方薬の生産ラインを縮小したりしました。
その結果足りない漢方薬も出てきています。
追記2:
ジェネリックにも色々種類があります。
例えばジェネリックのミルタザピン明治は先発品のリフレックス(明治)と同じ会社が同じ原料で同じように作ったものなので、製品のクオリティーは本当に先発品同等、というか同じなのです。いい加減な会社が適当に先発品を真似して作ったものではないのです。
そういった薬品を使うことで、患者さんも医師も安心できるし、先発品を開発していく能力のある会社を守ることにもつながると思うのです。ただ、薬局も経営が厳しくなっているようですので、できるだけ安く仕入れができる薬を選びたいという部分もあるので、難しいところですね。ですので、薬局も信頼できるところを利用してほしいという思いがあります。