ブログ

上尾

2月 6, 2025

広場恐怖って。

当院のパニック症、広場恐怖症専門外来には大勢の患者さんが遠方からもお越しになっています。広場恐怖症なのに電車4本乗り継いでくるって、、、ご無理なさってないですか?笑。

それだけ治したいと本気で当院を目指してお越しになっているのです。

悪魔の財務省の陰謀で診療報酬を減らされているので、保険診療を続けるのであれば、とにかく簡単にさらっと診て、できる限り数を診ていくようにせざるを得ません。

でも、わざわざ遠方から本気で通院してくる患者さんに適当な診察で済ませるわけには・・・

この辺が私の甘いところですが。

 

20年前はパニック症すら知らない精神科医がどの患者にも「不安神経症」という診断名をつけ、デパスやソラナックスを一日3回服用、などという残念な処方をしていることも珍しくありませんでした。

10年前は広場恐怖症を知らない精神科医が不安発作を認める患者すべてにパニック障害という診断名をつけ、これまたソラナックスを一日3回服用という残念な処方をしているのが散見されてました。

いまは広場恐怖を知らない精神科医はさすがにいないと思いますが、

広場恐怖の中身がわかっていない精神科医はまだいます。

一旦デタラメな治療をはじめられてしまうと、修正が難しくなりその後の治療がやりにくいので非常に迷惑だと感じておりました。

「操作的診断は本質的ではない」などとつべこべ言い訳せずに、最低限DSM-4くらいは頭に入れとけや、と若かりし私はイラついていたのでありました、笑。

 

パニックや広場恐怖は治療が簡単だから・・・、と言う精神科医もいると思います。

確かに、治療しやすい疾患です、笑。

わざわざ専門外来と名乗るようなものでもないかもしれません。

本当に適当にやれば、1分くらい話聞いて、薬さっと出すこともできなくもありません。

それがたまたまじっくり診察した結果と同じになる場合すらあります。

しかし、掘れば掘るほど奥が深いのです。

 

広場恐怖になりやすい人はどのような人でしょうか?

詳しい問診で生育歴、発達歴、心理的要因など色々なことがわかります。

当院ではトータルに評価しますので、予後や他の病気の併発などさまざまな見通しを立てるようにしています。

 

診察時間に余裕があるときには広場恐怖の患者さんにいろいろなたとえ話をしたり、病気の名前の由来についてお話することがあります。

私の記憶がただしければ、という前提で読んでほしいのですが、

「広場」ってなんぞやって皆さん思いませんか?

 

TV露出が多い精神科医が以前TVで広場恐怖の間違った解説をしていました。

それくらい広場という日本語と疾患の中身にギャップがあるのです。

 

そのヒントは古代ギリシアにあります。

現在の医学に古代ギリシア医学が多大な影響を及ぼしており、「ヒポクラテスの誓い」を医学生の時に学んだ記憶があります。

広場恐怖はギリシア語を語源とし、agoraphobiaと言います。

アゴラ=広場は古代ギリシアで、城壁に囲まれた人々が集まる公共の場所を指します。

(ここから先は私の記憶によるものであり、ネットでも確認できませんでしたが)

アゴラでは政治が行われていました。

政治はそれそれの利害関係を調整するための戦いでしたから、

民衆が密集し揉みくちゃになって喧々諤々議論していたのです。

身動きが取れず、すぐにその場から離れたいと思っても逃れられないのです。

 

ということで、広場はだだっ広い空間という意味ではないのです。

誤訳とまではいかないまでも、もっと別の日本語を使えばよかったのではないかと思います。

 

満員電車で気分が悪くなってすぐに降りられなかった、

そんな体験から広場恐怖を発症する人もいます。

パニック障害を発症してから、徐々に広場状況が苦手になっていった人もいます。

 

満員電車、電車の急停止、集会、会議、学校説明会、映画館、高速道路、渋滞、トンネル、歯科治療、美容院、美容室、美容院の顔タオル、MRIなど

様々なシチュエーションでそれぞれの「すぐに逃れられない状況」があります。

何がダメで何が大丈夫なのか、人それぞれで、その違いから特性の違いを考察もします。

 

部分的な自閉スペクトラム特性で感覚過敏がある方では、ごみごみ、ざわざわした情報量が多い状況がもともと苦手であったり、過剰な記憶力がわざわいして発症リスクが高いと私は考えています。

ADHD傾向の人はそもそもじっとしているのが苦手で会議などで発症するかもしれません。

あるいは分離不安によって本人が安全と感じる場所(たとえば自宅など)から離れること自体に不安を感じるケースなど単なる行動療法では改善が期待しにくいケースもあります。

そのほか詳しく見ていくといろんなパターンがあって、それによって予後もだいぶ変わります。

 

また広場恐怖を発症する機序には動物的な本能もかかわっています。

診察室で私の例え話を聞いたことがない方はぜひリクエストしてください。

 

当院では、割と重めな症状の広場恐怖の方でも行動療法に持ち込みやすいようなオリジナルの工夫を凝らした治療を行っています。

従来の行動療法、認知行動療法では若干スパルタな要素があり、治療に乗せられないひとがいたり、スパルタすぎるカウンセラーによってより深刻なトラウマを作り出してしまうこともあるからです。

精神医学だけではなく、私が大好きだった循環器内科の研修時に学んだ臨床医学を融合させた治療はぜひ体感していただきたいと考えています。

 

このあたりは当院の強みであると自負しています。

ただし、すでに他の医療機関で治療している場合、特にデパスやソラナックスを定期的に服用されている場合は、当院での治療修正が困難な場合がありお断りさせていただくことがあります。どうかご容赦ください。

 

じじいの自慢話

じじいの説教

じじいの昔話

は嫌われる

 

 

 

上尾みつを

 

 

 

 

 

 

1月 30, 2025

あゝ日本のどこかに〜私を待ってる〜ひとがい〜る〜

長い!

タイトルが、笑。

昭和の皆様はわかりますよね?山口百恵さん。

 

昨日の診療のカルテを書いていたところ、日付が変わってしまいました。そのまま寝落ちしてました、、、

年末年始も仕事でクリニックに行ったり来たり。ほとんど休めませんでした。

初診の受け入れを止めて、この一年では100人単位での受診数を減らさせていただきました。

たまに初診のための診察時間を捻出できる日が時々できるようになりました。タイミングよくご連絡いただいた方は初診で受診できる可能性があります。

狙い目としては、年末年始の休診の4週間後などです。逆に冬休み前後は激混みなので初診受け入れはほぼ絶望的です。

そんな中、三年前より当院に初診待ちをされている方が受診に繋がりました。ご連絡いただいたタイミングでは受け入れ中止のアナウンスをされ、それを繰り返していたそうです。今まで何ヶ所か医療機関を受診されいろいろな思いがあったこの方は「次に受診するなら上尾メンタルクリニックしかない」と決めていたそうです。

ほんと、ごめんなさい。

かなりつらい症状だったのに、お待たせして

申し訳ないです。

私の診察を長らくお待ちになっている方が少なくないのです。

最近はこのような方が少なくありません。

遠方からわざわざお見えになる方も増えてきました。

詳しくお話し伺っても、「とりあえず一回診てほしい」ではなく、本気で治療を受けたい方々なのです。

真剣な人にはやはり私も気が引き締まりいつも以上に全力で対応してしまいます。

「良くしてあげたい!」と言う気持ちが強くなります。

良いことであるようにも見えますが、気合いが入りすぎると空回りしてうまく行かないこともあります。

テニスで打とうと思うと空ぶっちゃうやつです、笑。

また、私の心身の負荷も大きくなり疲労も激しくなってしまいます。

そこは少し気持ちを抑えて冷静に治療するように努めます。

そんなわけで、最近の初診は初診としてはほぼやり尽くせるだけ詳しく評価しており、問診票の読み込みなど合わせると1人2時間は費やしています。

カルテは何十ページにも及び、次の日は体がバキバキです。

年取るとこなれてきて、いい加減になってしまうことも多いと思いますが、私の場合は経験を積むごとに深く広くなって行きます。患者さんにはお勧めしない完全主義です。

永遠に貧乏暇なしです。

でも、

日本のどこかにわたしを待ってる人がいるのは嬉しいことですよ。

あゝ~

12月 13, 2024

ありがとうございます

グーグルからレビューの書き込みがあった知らせがありました。

今日も初診受け入れ中止のためお断りした電話のどなたかが腹いせに毒を吐いていったのかな?

と被害妄想的にメールを開くと(笑)(悪いレビューの時は知らせないシステムにしてほしいね、笑)

ところがどっこいこんなお褒めの言葉を頂戴しました。

ありがとうございます!!

なんだか、患者さん目線だけでなく治療サイドの目線まで盛り込まれて、ややもするとこれ書いたの医師?と思ってしまうくらいの内容です。私にはどなたかわかりますが、とてもよく勉強されています。

内容に関してちょっと補足させていただきます。病気によっては対症療法しかできない時もありますし、対症療法+自己理解の援助による症状や生活の改善、環境調整、(精神科領域では少ないですが)根っこからの治療、など色々なパターンを選べる場合も選べない場合もあります。以前身体違和感に強いこだわりを示す自閉スペクトラム症の患者さんで根本治療がない状況に対して「対症療法なんて求めてない!」と怒られたことがありました。その方には「(私に限らず根本治療はできないと思いますが)私の治療では根本治療はできない。求められていることが私には難しすぎるので、他に依頼してください」と頼んだのですが、結局当院に通っています。なんだかんだ言って、それまで受診してきた医療機関ではここまで掘り下げて聞いてもらったことがないから、無いものねだりだとどこかでわかっていたのかもしれません。こちらも真剣にやっているのでたまに患者さんと対決姿勢になることがありますが、それを乗り越えた方はその後良い展開になることが多いと感じています。去っていった方は何年か経っても悪い口コミを書いたりしているので、いまだにうまくいっていない、ハッピーな展開になっていないのだとわかります。どこにいっても不満だったり治療に乗っからないような患者さんの姿勢の問題があるケースかもしれません。その後も執着してくるのは「本当は当院で思い通りの治療をしてもらいたかった」という裏返しかもしれません。でもそういう甘え方は嫌だな。

 

今日はこれとは別に医療従事者の方から丁寧な感謝のお手紙をいただきました。

わざわざ直筆のお手紙、嬉しいですね。

来年は良い年になりますように!!

8月 16, 2024

臨時休診明け。

臨時休診明け。

どうやら今の所休み中に事件や事故が生じたという連絡はありませんでした。

毎回ドキドキしますが、ほっとしました。

 

広場恐怖の患者さんが、4時間高速渋滞を耐え、船にも乗ってこれたという嬉しいご報告。

思えば20年以上前、まだ不安神経症とパニック障害の区別さえできない精神科医が多かった時代、

私は「パニック障害と広場恐怖は合併することはあっても同じものではない!治療も同じではない!」と繰り返し訴えていました。

その結果?近隣の医療機関でも広場恐怖や嘔吐恐怖などの恐怖症の概念が広まってきました。(実はその背景にある発達特性まで詳しく評価しているところはまだ少ないです)

まだパニック障害と治療を変えているところは少ないですが、私の処方をそのまま模倣して処方されているところも出てきました。

 

上尾メンタルクリニックの広場恐怖症専門外来は一定の成果を上げてきたと言えると思います。

 

今は睡眠専門外来を頑張っています。

耳鼻科や内科で睡眠時無呼吸を扱っている先生の中には、解剖学的な問題で無呼吸やいびきが生じている側面だけをみて治療をしている場合がありますが、睡眠の問題はいろいろな問題が複合的に組み合わさっているので、そんなシンプルではありません。

睡眠薬が本当に必要な状態かどうか、脳の発達の観点からみた感覚過敏や同一性による過覚醒の持続があるのかどうか、

発達障害によるリズム障害や特発性過眠症の有無などの視点を含めて睡眠をトータルで評価する必要があります。

 

これからも細かく深掘りしたこだわりの診察による診断治療を行なっていきます!

12月 18, 2023

わざわざ。

バリバリのビジネスマンでもないのに毎日メールが100件近く届きます。

さばききれないので、DMは極力受け取らないようにしているし、配信中止の手続きを行なってなるべくメールの数は減らすようにしています。

中には知人からのディープな相談だったり、返信内容を考えるのにとても時間がかかるものもあります。

バタバタしていると返信し忘れてしまうメールがあったり、見逃してしまうことも時々あるのです。

 

事業主なのでGoogleビジネスを管理しているのですが、Reviewがあるとメールに着信があります。

先ほど見過ごしていたそのメールに気が付き、確認しました。

当院を評価してくださるレビューは、レビューするのが趣味な人がついでに書き込んだような体ではなく

わざわざ私にメッセージをくださるためにアカウント作って手間暇かけて書いてくださっている感じがとてもするのです。

これはかなり心が温まりますね。

正直本当に嬉しいです。

 

この方がよく理解してくださっているな、ということの一つに

「はっきりと言う」という点があります。

意識してはっきり説明するようにしています。

はっきり言うと傷つく場合もありますが、

そうしないと伝わらないことが多いのです。

患者さんが自分のことを理解できるようになることは患者さん自身の力になります。

治療の過程で明らかになって、このタイミングだと思った時に共有していけるよう気を配っています。

 

もちろんわからないこともありますが、当院ではできるだけ初診時に見立てをはっきり説明するし、質問をいただいたらできる限りの説明を怠りません。(1回に10個とか質問される方も居ますが、それはごめんなさい、全部は答えられません)

 

上記の点をご評価いただき、よく気がついてくださってわざわざ手間をかけてお伝えいただき大変励みになります。

至らぬ点も少なくないと思いますが、これからも力を尽くして参ります。

心より感謝申し上げます。

8月 2, 2023

コロナ第9波。

上尾市内でもコロナ患者さんかなり増えています。

感染者数は報道されていませんが、実は一部医療機関で統計とっています。

患者さんでもコロナにかかって受診延期になっているかたが急増。

こどもたちはRSやらヘルパンギーナやらウィルス性急性胃腸炎も大流行。

熱中症やら色々重なったら大変ですね。

 

そんなタイミングでまたもや困った医者からの横槍が・・・

精神科の薬の副作用ー内科医編

 

通院中の男性が発熱して、◯◯◯クリニックを受診したそうです。

お仕事上外で作業されているので、普通は発熱したらまずは熱中症大丈夫かな?などと考えながら診察するのでしょうが、

呼吸症状がなかったためか、即座に「精神科の薬のせいだ。直ちに精神科医に対応させないと大変なことになる」と診断。

腹痛もあったようで、ご本人としても、「そんなわけないよな」と思いつつ、私のところに連絡をくれました。

問診の結果、薬剤性の発熱は否定し、胆嚢炎あるいは急性胃腸炎などの心配があるから、他の内科にかかるよう指示しました。

案の定ウィルス性急性胃腸炎と診断され、整腸剤などの内服で2−3日で軽快。

 

本気で誤診しているのか、

私には意味がわかりません。

 

医療関係者には危険な機関のさまざまな恐ーい情報が流れてきますが、患者さんには伝わりません。

関わりたく無いのですが、患者さんが受診しちゃうとどうすることもできません。。。

 

別の新しく開業した消化器のクリニックも相変わらず困ったもんです。

自分のわからないことは全て精神的なもの、あるいは精神科のくすりのせいにして、ご自身の診断能力を誤魔化してしまいます。会ったこともないのに、マウンティングしてくるのは、開業後の不安のためでしょうか?

患者さん集めのために、Googleレビューも高得点のやらせを餌に、書き込みを促しています。そのクリニックでパワハラセクハラにあった看護師さんへの対応もしましたし、実態はよく知っています。

そうは言っても他の機関がどんな酷いところだろうが、金儲け主義だろうが、私には関係ありません。

悪いやつなんていくらでもいますから、係っている時間が無駄なだけです。人生の時間はあまりにも短いので、お付き合いする人間は選びたいのです。

他の科を受診される場合は、信頼できるおすすめの医療機関をお知らせしますから、どうか受診前にご相談ください。

 

今回のことで改めて感じたことは、

危険なクリニックにかかって騙されても、最終的には患者さんが私のことを信じてくださったということ。

この事実は宝物以外の何ものでもありません。

 

12月 23, 2022

精神科の薬の副作用ー内科医編

時節柄、ちょっと楽しいブログでも書こうと思っていたのですが、気になることがありアップします。

ある女性が精神病症状を伴う不安状態の治療で当院に通院していました。

お薬を使ったところ改善傾向が見られたので、そのお薬を少し増やしたところとても調子が良くなりました。

しかし、その女性は本当は薬に少し抵抗感があるご様子でした。もちろん、薬を好んで飲む人は少ないし、薬なしで完全で健康でありたいというのは誰しもが願うところです。

そんな中、頭痛、発熱、鼻水などの症状が出現し、〇〇〇クリニック(内科)を受診。

ご時世的にコロナの検査をして陰性。細菌検査もしたが陰性とのこと。

薬を処方したが発熱や頭痛が続き、医師が下した判断は・・・

「メンタルの薬の副作用で熱が出ているに間違いない」とのこと。

精神科に強い偏見を持っている医師は、なんでも精神科の薬のせいにしようとします。

さらに、「大人が風邪で熱がつづくなんで10億円の宝くじを当てるのより確率が低い」と言い切ったそうです。

「今すぐ薬を辞めないと大変なことになる」「その精神科に行くな」とすごまれたそうです。

不安になった患者さんから連絡を受け、詳しく問診。

頭を振ると響く強い頭痛、吐き気、38度台の発熱、自律神経症状を伴わず。鼻水、咳少々。

これ見たら研修医でもわかりますよね?

特定できないウィルスによる無菌性髄膜炎も疑わなくてはいけません。

風邪は万病の元です!ウィルスなんて検査してもほとんど同定できないことが多い。

一方薬による熱の可能性はどうでしょうか?

おそらく内科の先生方は精神科の薬で発熱を生じている場面を見て治療にあたった経験のある方はほとんどいないと思います。

私は実際に何例も経験してきました。

やはり入院するような重症な患者さんで薬による発熱を経験しました。

1、悪性症候群:抗精神病薬による筋肉の固縮とそれに伴う筋肉の融解、著しい交感神経症状を伴った(いわばサイトカインストームのような)高熱。

2、セロトニン症候群:SSRIなどの抗うつ薬(と多くは相互作用をきたす薬物と併用して)による焦燥感、著しい交感神経症状を伴った(これもサイトカインストームのような)発熱。

3、薬疹を伴ったアレルギー性の発熱

などです。

これらは緊急事態なので、待ったなしで対処します。私の勤務していた足利日赤は精神科身体合併症の最後の砦のような病院でしたので自分で対処しましたが、通常のクリニックならばすぐに高次医療機関に転送コースです。

ですから、精神科薬による発熱には人一倍敏感です。

発熱の原因は精神科薬ではないことはほぼ断言できるものの、すでに患者さんは内科医より薬のせいだと言われて薬に不信感を持っています。

そういった状況を踏まえ「私としては経過や症状からは精神科薬による発熱ではなく、軽い髄膜炎などの感染症を疑います。」

とお伝えしました。

しかし担当医は感染症の確率は10億円の宝くじ当選より低いと断言しており、患者さんも困っています。

そこで、「私は違うと思うけれど、薬に対してご心配されているようですから、ひとまずお辞めになってもいいですよ」

「ただ、何か担当医の診療に疑念を抱いたら、すぐに別の医療機関で診療を受け、第3者の見立てを聞いてみてくださいね」

とお伝えしました。

というのも、〇〇〇クリニックは地元の医療従事者からは危ない医師として有名なのです。

開業まで勤務してきた病院でもトラブルの連続だったようです。

 

結局その後患者さんから電話があり、「やはりおかしいと思って直接総合病院に行きました。髄膜炎の診断で総合病院に入院しました、薬のせいだなんていってすみませんでした」と謝っておられました。担当医は髄膜炎で入院となったことを知りません。

いずれにしても髄膜炎はにおいや音で頭がガンガン響いて本当につらい症状が出てくるのでとにかく早く回復していただきたいと思いました。

悪いのは素人の患者さんではありません。プロフェッショナルなはずである担当医です。

超一流国立大学出身の医師がどうして研修医レベルの診断ができないのでしょうか?

そこが大変不思議ではあります。精神科の薬に偏見をもっていれば、それが原因に違いないというバイアスがかかります。

以前も提案しましたように医師などプロフェッショナルな資格については何年かに1回更新制にしてその都度試験を課すなど、専門家と言えるレベルをキープすることが必要なのではないでしょうか。

 

それから、薬の副作用について、大切なお話があります。医師でも知らない人がいます。

今やネットで薬の情報が溢れていますが、玉石混合で正しい情報に辿り着くのは難しくなっています。

医師が勉強できるような内容はネットで無料で多に入ることはほとんどありません。

お金を払って知識を得ることが通常です。専門家の意見を得るためには弁護士などそれなりの対価を払います。

ネットで無料で問題解決できるほどの情報は得られません。

また、情報があっても、情報を読み解く医学的な知識がないと正しく理解できません。

副作用と有害事象ってご存知ですか?

副作用は、薬が原因ではない!と断言できない、薬の使用により生じた有害な反応のことです。

原因かどうか、その確らしさの強さの順番に、「確実に因果関係あり」「多分関係あり」「因果関係の可能性があり」「多分関係なし」「関係なし」「不明」の6つに分類されますが、どこまでが副作用とされていると思いますか?

日本の場合(欧米とは異なり)「関係なし」以外を全て副作用として記載しています。

ですから「多分関係なし」「不明」なども含まれているのです。

欧米はもっとしっかり因果関係が疑われるものだけを副作用としています。

さらに、有害事象とはどういったことを指すのでしょうか?

原因かどうか因果関係とは全く関係なしに、薬を飲んでいた時に生じたあらゆる好ましくない有害な反応全てを有害事象と呼びます。

例えば、薬を飲んでいたときにたまたま風邪をひいたら、「熱、咳、鼻水、喉の痛み」などが有害事象として記載されます。

これを薬が原因であると勘違いしてしまうのです。

そういった基礎知識もなく、ネットの情報で、「熱」と書いてあったから、薬のせいに違いないというのは早計なのです。

薬の副作用でどのような機序で熱が出るのか詳しく知っている専門家から見れば、全く違う見解になります。

適当なことをいう人間ほど断言してしまいます。

わからないことも多く、結果が確定しにくい医療において、誇大広告、断言的な物言いは要注意です。

ネットの知識は調べてもいいけど、鵜呑みにしないほうがいいとおもいます。

 

9月 30, 2019

初診をご希望の方はご確認ください。

当ホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。

まず、最初に当院の初診は電話のみによる完全予約制で、直接のご来院はご遠慮いただいておりますこと、ご承知おきください

初診をご希望されているということは、何かお困りのことがあると存じます。

お困りの方に対して親切でありたいと日々思っております。

一方で医療に対する要求水準は年々高まっており、過度な期待をお持ちの方もいらっしゃいます。

病気として保険診療で対応できる部分と、そうでない部分もあります。

当院の能力で対応できそうなことと、対応が難しいこともあります。

当院ではお電話で詳しくお話を伺い、当院で対応可能かどうか判断させていただきます。

お電話で詳しくお話しになりたくない方は当院へのご相談をご遠慮ください。

当院でお役に立てないことがあることに関しては私にとってもつらいことなのですが、全ての方の安全基地になって寄り添えるというわけではありません。

ご要望内容が当院の対応範囲を超えていると判断した場合はお断りさせていただきます。

紹介状があってもお受けできないことがあります。

どなたでも、勇気を出して電話をかけたのに対応が難しいと言われたら良い気持ちはしません。

そのようなことを少なくするために事前にご理解いただきたいことがあります。

著しく長文ですが、当院のポリシーを記載いたします(おもに当院の限界のお話です)。

 

✔当院は完全予約制となっております

初診診察に必要な時間を確保するために、再診の方がご予約を入れることが出来ない枠を作っています。

1日に確保できる枠は限られますので、ご予約が先になる場合が常態となっております。(2−3ヶ月間の予約が埋まると、予約の受付自体をしばらく中止にしています。)

当院では初診をとても大事なセッションと考えています。

初診をいい加減に行うことでボタンの掛け違いが将来取り返しのつかない事態を引き起こす可能性があるからです。

当院では診療の質を維持するために初診予約制を固持しています。

貴重な時間を確保しているために、初診を無断でキャンセルされた方は信頼関係を築くことが難しいと判断し、その後の診察はできません。また大幅な遅刻をされたり、お約束の診療情報提供書を提出されない、あるいは医療機関から医療機関へのお手紙である診療情報提供書を患者様が許可なく開封されている場合は当院での診療ができない場合がございます。

予約制で縛られるのがお嫌という方は当院の受診をご遠慮ください。お互いの時間を大切にする静かな大人の診療所です。

タイムリーな診療も大切なことです。予約が要らない即日初診受け入れ可能な施設は大変貴重な存在であることも間違いありません。

専門を極めた診療を半年以上の予約待ちで、数万円の自費で行なっている施設もあります。

いろいろな機関があり、良い悪いだけではなく何を優先させるかの問題となります。

✔️当院のキャパを超えた患者数を受け入れてしまうとお一人お一人の診療の質が低下してしまいます。ご予約が混み合って来た場合、初診の受付を休止する場合がございます。タイミングの問題でお断りせざるを得ないことがあります。申し訳ございません。

✔初診の申し込みのお電話をいただく前に、ホームページの「受診の流れ」をご熟読、当院の趣旨にご同意の上お電話をください。

お電話でご本人から詳しくお話をお伺いします。ご本人以外からのご相談は承っておりません。

最初にお断りしているのですが、「どうして電話でこんなこと話さなければいけないのか」と怒り出す方がおられます。

詳しくお話をお伺いして当院で対応可能か、あるいは他の機関が適切か、保険医療での対応範囲かどうかなど総合的に判断させていただいています。

この方式はのちのちの診断や治療にとても重要な手がかりとなるため、省くことは致しません。

さらに、診察では診断や治療に必要なさらにプライベートなことを伺っていきます。

お電話で詳しくお話しになりたくないようでしたら、他の機関でのご相談をお勧めいたします。

言いたくないことはあっても構いませんが、秘密主義が行き過ぎる人は治療になりません。なかなか治療が進展しない方に大きな隠し事があったということはしばしば見られることです。

お電話でのお話が初診での内容と大きくかけ離れ事実を故意に隠して受診されたことが判明した場合その後の診療ができません。

もちろんトラウマに関わることはデリケートに扱うように注意しております。

また、ご家族からのご相談は受けておりませんので、家族相談を行っている別の機関にご相談ください。

当院ではご自身が問題意識を持って、治したいという気持ちを持って受診を希望されているご本人のみ診療を行なっています。

 

✔お話を伺ったあと、当方でお電話でのやり取りの様子や内容などを確認します。医師が診察の合間を縫ってチェックさせていただきますので、その間はお待ちいただき、再度お電話をかけ直していただきます。フリーダイヤルではございませんので、ご相談中の電話代は自己負担となります。このシステムにもご納得いただけない方は当院へのご相談をご遠慮ください。

お電話のやり取りで、電話対応者に高圧的な態度をとられたり、無理な要求をされるかたは、治療をお断りします。精神科の治療ではとくに信頼関係が大切になってきます。最初から不信感が強かったり、攻撃的なかかわりがありますと、良好な治療関係ができないのは明白です。ボタンの掛け違いどころか、ボタンをかけることすらできません。

それに私はスタッフをとても大切にしています。スタッフに暴言などを浴びせる方は許容いたしません。DVや虐待防止は自らのクリニックから行うべきと考えております。皆様の安全基地である前提として、我々の安全基地であることも大切だと考えています。

✔当院には入院できる施設はございません。入院が必要な方、入院を要する状態になると予見される方(入院歴があって現在服薬が不安定な方も含む)、入退院を繰り返している方は、入院施設のある機関あるいは入院施設のサテライトクリニックなどをお勧めいたします。

✔「とりあえず一回だけ話を聞いてほしい」という方もたくさんいらっしゃいます。セカンドオピニオンも含め、医療相談的な内容は対応しておりません。当院では治療を希望されているという前提で全力で治療に結び付けられるような評価を初診で行います。治療を受けるつもりがなく、冷やかしで一回だけ話を聞きたいという方がおられますが、診断するだけでは、手術しかけたまま終了するような中途半端な状態で終わることになり、ご本人に悪影響を及ぼす可能性がありますので、当院でお受け致しません。

✔初診予約の順番、待機期間につきましては、ご相談内容によって予約の順番と予約できる枠が前後することがございます。

お急ぎの方は即日受診可能な他の機関にご相談ください。

 

✔️身の上相談、近隣トラブル、離婚や不倫など夫婦関係の相談、恋愛相談、育児相談、生きがいについてのご相談などをメインの主訴とされる内容は扱っておりません。基本的に精神科医はカウンセラーではありません。私の人格が優れているわけでも、人生経験が豊富なわけでもありませんので、アドバイス的なことはあまりご期待なさらないでください。もちろん、病気の治療のため通院中の患者さんがお困りのことがあれば、短時間ですがわかる範囲で意見を述べさせていただきます。

✔「とにかく話を聞いてほしい」という主訴の方は当院ではお受けしておりません。深い理由がありますが、一般の方には難しいので詳しくは省かせていただきます。もちろんお話の内容から言語表出を促した方がよいと当方が判断する方は例外です。なお、当院では病気や薬についてのきちんとした説明は当たり前の前提です。診療に必要なことはこちらから質問させていただきます。話を聞いて欲しいのか、症状を治療したいのか混同されているかたが時々いらっしゃいます。とにかく話を聞いて欲しい!いう方は他の機関をご利用ください。

✔️診断書目的の受診はお断りする場合があります例えば、ご本人が治療を必要としないのに休職の必要性を証明するよう要求される場合、事実関係を把握できない内容に関して訴訟のために本人の一方的な訴えに沿った内容の診断書を要求する場合、適応ではないのに障害者年金を得るための診断書を要求する場合、勤務先にサボタージュや特別な待遇を受け入れさせるための目的の診断書を要求する場合など。そのような疑念が生じると判断した場合はご希望内容の診断書作成に一切応じられません。目的を達成するために、受診者がご本人にとって都合の良いことしかお話にならないことがあります。偏った情報の中でニュートラルな判断ができないため、公文書である診断書を受診者の求めに応じて発行するということはできません。当院では不正行為に加担することは致しません。お一人の利権より公益を尊重する場合があります。当院では診断書目的の受診には基本的に応じない方針としました。不当に診断書を利用する行為は詐欺となりますので、通報する場合があります。

 

✔パーソナリティ障害の治療は当院ではできません。一方的、被害攻撃的で自分の要求を突き通すタイプの発達障害の方、ADHDに伴った反抗挑戦性障害の方も含みます。

私の経歴上パーソナリティ障害の方を救急医の立場からも精神科医の立場からも診察していたことがありますが、私の治療スタンスとは相性がよくないことが多いと感じてきました。自分のよくない点を治したいのか、周りをコントロールしたいのか混同されている方がいます。治療目的が共有できず、安全基地も壊されてしまうことがあります。申し訳ありませんが、私にはパーソナリティ障害を治療する能力が足りません。当院での治療をご希望されてもご本人にとって有益になりませんので、パーソナリティ障害の治療ノウハウのある機関をお探しになることをお勧めいたします。不適切な治療を受けてこじれてしまうことは避けたいものです。

✔️攻撃性や暴力性が著しい方の治療は当院ではできません。当院は通院されている方の安全基地として在りたいと考えています。怒鳴ったり、物を壊したり、騒いだり、暴力を振るうことは他の患者さんの脅威となります。静かで穏やかな、他者を守る大人の安全基地となるようなクリニックでありたいのです。

✔️お薬をどうしても使いたくないとおっしゃる方もおられます。症状内容によっては治療がうまくいかない場合があります。

また、服薬に対する構えは、対人関係における大事な意味合いを持つことがあります。お電話で必ず「服薬に抵抗感があるかどうか」をお伝えください。

悪い意味での「薬漬け」は当院でも反対の姿勢ですが、最初から薬無しでの治療に拘っていらっしゃる方は、「薬に頼らない治療」を謳っている機関などにご相談ください。

逆に大量の薬を希望される方も受け入れが難しい場合もございます。薬を指定して強く処方を要求する方も薬物依存の可能性があり、当院での治療ができません。

✔拒食症などの摂食障害、アルコールなどの依存症、万引きなどの嗜癖行動などの治療できる体制ではありません。

✔未成年の診療は基本的に行なっていません。

✔すでに当院に通院されている方のご家族が受診を希望される場合、お引き受けできるケースとできないケースがあります。

夫婦関係でもめている場合の配偶者、親子関係で葛藤がある場合の親または子などはお引き受けできません。

弁護士が係争中のお二人を同時に弁護できないのと同じように両者の立場にたってご支援することができないからです。

 

✔土曜日は大変込み合います。初診後間もない方や、おりいった話がある方、家族面談など特別な診察時間をご希望の方は土曜日を避けていただきますようお願い申し上げます。事前にお伝えくだされば、医師が必要と判断した上で時間調整させていただきます。

 

✔上記の「他の機関」は特定の機関を示していません。保険医療機関に限りません。

お電話でご相談内容をご専門とする他の特定の機関をご紹介することもありますが、

それぞれの機関にはそれぞれのポリシーがありますので、当院で他の機関の受け入れ状況は分かりかねます。

ご自身でお探しいただき直接ご相談していただくようお願いしております。

 

初診でボタンの掛け違いを少なくし、同じ方向を向いて治療を共有していけるかどうか、大変重要なことです。

どのようなご希望があるのか、詳しくお聞かせください。当院を安全基地とされる方とそれが難しい方がいらっしゃると思いますが、当院の安全基地に入れなかった方も当院以外の安全基地があるはずです。がっかりしすぎないでいただきたいと思います。

こちらで対応できないのは、あなたのせいではなくて、当院の対応能力の限界によるものです。

当院を安全基地とされた方には家族同様の思いやりを持ってお役に立ちたいと心より思っています。

どうぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

院長

 

 

 

 

 

 

 

9月 29, 2019

インフルエンザ予防接種2019-2020

当院では当院通院中患者さんの健康を守るためにインフルエンザ予防接種を行なっています。

小学生以上の方が対象です。

注射の費用は4000円(税込)です。当院二回目は3000円です。(在庫がない場合もございますので電話でご確認ください)

なお、65歳以上の高齢者は市から補助が出て安くなる場合があります。

上尾市は令和1年10月20日から令和2年1月31日まで補助金が出て1500円で接種できます(65歳以上)。

さいたま市は令和1年10月20日から令和2年1月31日まで補助金が出て1600円で接種できます(65歳以上)。

そのほかにお住まいの方は市にお問い合わせください。

予防接種は必要ないという方もおられますが、インフルエンザで脳炎にかかる方も少なくありません。

そのような悲劇が起きないようにみんなで予防して蔓延を防ごうというのが予防接種の考え方です。

お互いに守りあっているという意識で予防接種を受けることが大切だと思います。

なお、当院通院中であっても小学生未満、妊婦・妊娠の可能性のある方、卵やワクチンにアレルギーのある方、当日体温が37.5℃以上ある方は当院では接種を行いません。

8月 6, 2019

パニック障害講座。

66B5554C-92BE-4F54-9773-629D17A43F0F

 

担当することになりました。

内容はこれから考えます。

何か知りたいことがありましたら、

クリニックに直接お電話ください!