今晩は診療後、精神科の研究会。
不知火病院の徳永雄一郎先生のご講演。
日本初ストレスケア病棟開設、30年間の復職支援の実績は伊達ではありません。
自称その道プロの先生の知ったかぶりの質問にも巧みに対応なさいます。本当のプロは違います。
聴講中に共感のあまり、興奮して唸ってしまいました。
うつ病の多様性に見る現代の特徴として私が感じていたことをデータで証明してくださいました。
スキゾイドパーソナリティー者や、発達の偏りを背景にしたうつ病者に対する私の臨床感覚を、別の角度から明快に説明されました。
それから、統合失調症患者さんが多い病棟ではうつ病患者さんの回復がうまくいかないことがある、外来でも統合失調症外来とストレスケア外来を分けた方が治療効果が高いというお話しも納得がいくものがありました。
実は当院でも適応度の均一化を測っています。お電話の段階で、重症度の高い統合失調症の患者さんやパーソナリティ障害の患者さんと、不安症やうつ病患者さんをしっかりわけています。実は予約制とするかどうかも患者さんの病的水準のふるい分けに関与しています。細かいことを言えば、当院のキャンセルポリシーもそういった配慮を張り巡らせて決めています。電話での質問1つ1つが考え尽くされているのです。過去の勤務先と当院での治療では明らかに当院での治療実績が良いと感じています。これは単に私の治療技術の進歩によるところだけではないと感じています。もしかしたら、不安症外来、と外来に名称をつけるだけで、自浄作用が促進され治療効果がさらに上がる可能性があるかもしれません。逆に重症な統合失調症の患者さんが当院にいらした場合は、なんとなく雰囲気が合わないと、患者さんのほうから離れていくこともありますし、患者さんが周りの雰囲気にあわせて背伸びしすぎて服薬をやめてしまい調子を崩したりしてしまいますので、最近はそういう観点からも他院を勧めるようにしています。
今日は他に大変勉強になるお話を聴けました。
なかなか時間的な余裕がないのですが、うつ病患者さんのご家族への配慮ももう少しできたらよいと感じました。