ブログ

良いクリニック

12月 11, 2025

患者の気持ち。

患者の気持ちに立ってみると

自分が患者になって医療機関を受診してみると、医者としての日常の視点とはまったく違う景色が見えてきます。

大学病院に入院したときに気づいたこと。
クリニックを受診して「他人のふり見てわがふり直せ」と感じたこと。
そして「こんなふうに患者さんに接したい」と感銘を受けた瞬間。

どれも、私の臨床にとって大切な経験です。

近所の方を医療機関にお連れして気づいたこと

最近、近所の高齢なご婦人に依頼されて白内障手術の相談のため医療機関へ車でお連れする機会がありました。

「医師の説明が理解できるか不安」とおっしゃるので、診察室まで同席し説明を一緒に伺いました。

私が医師に身元をお伝えしていたこともあり、名刺までくださり、非常に丁寧にご対応いただきました。しかしそれは“特別扱い”というより、他の患者さんにも普段から同じ姿勢で接していることが、やりとりの端々から感じられました。

マイナス面も率直に伝えつつ、頭の回転が早く、ユーモアも交えながら、患者さんの理解度や気持ちに寄り添った誠実な説明。
専門用語を連発せず、平易な言葉で、しかも分かりやすい。

「こういう説明の仕方をしたい」という私の理想が、目の前にありました。

私自身、開業以来「中学生でも理解できる言葉で説明する」ことを心がけ、たとえ話をよく使うようにしています。
その延長でブログも平易な言葉を意識しすぎて、最近は砕けすぎてしまいましたが……笑。

そのご婦人は律儀な方で菓子折りを持参していましたが、その医師は丁寧にお礼を述べてくださいました。
当たり前のようで、実は“当たり前ではない”対応です。

別のクリニックで見た、残念な対応

同じご婦人を、別の循環器クリニックにお連れしたこともあります。

そこでは対照的でした。
医師は菓子折りを受け取っても礼を述べることはありませんでした。
(もちろん、そもそも付け届けを受け取らない主義の医療機関もあり、それはそれで筋が通っています。しかし「受け取るけれど礼は言わない」というのは、独特の価値観だと感じました。)

(ちなみに私も季節のあいさつは行う立場ですが、そういう習慣を良しとされない方もたくさんいらっしゃいます。反応を見ながら判断しています。はっきりと「受け取れません」「今度からはやめてください」などと辞退されれば謝罪し、無反応であれば迷惑に感じておられるかもしれないと判断し、次回からは贈りません。)

医療行為の面でも、循環器の診察でありながら聴診器すら当てず、採血データだけを見て、生活状況も確認せず、ただ患者さんを一喝するような指導。
しかもその内容が、明らかに的外れでした。

なぜかGoogleレビューは☆5がずらり……。
(理由は、察する人には察するところかもしれませんね、笑。)

造り笑顔での説明は「ガイドラインでは」「基準値では」を繰り返すばかりで、柔軟性がまったく感じられませんでした。

東大生や医師の中には勉強だけはできるけど…というアスペルガータイプの方も少なくありません。生真面目で率直な職人気質の方であればむしろ適任かと思いますが、悪いほうにその特性が顕在化してしまうと困りものです。

この光景を見て、心の中でそっと思いました。

「私も気をつけよう」と。

他院を知ることは、自院をよくすることにつながる

患者さんの立場でほかの医療機関を見渡すと、勉強になることばかりです。

10年前と比べれば、当院もだいぶ改善されてきたと思います。
しかし、まだまだ伸ばせるところ、変えられるところがあります。

このような経験を今後も診療に生かしていきたいと思います。

どの業界であっても、誰に依頼するのか、その選択によって大きな結果の違いを生み出すことがあります。とりわけ医療はひとの命、QOLに直結しますので、どの医療機関にかかるか、それで人生がかわるかもしれない。そんな思いを改めて感じました。

 

 

6月 20, 2025

どこのクリニック・病院がいいの?①

良いクリニックや病院をどうやって見分ければいいんですか?

他のクリニックや病院でひどい目にあった経験がある方によく聞かれる質問です。

いいか、わるいか、絶対的な基準というよりは結局相性なのかな、とも思います。

うちみたいに、こだわってやっているところは合う合わないあると思います。

ただ、私は医療人なので、「しっかりした誠実な医療をやっているのかどうか」

自分や家族が患者だったらどこにかかりたいか、この1点にはこだわって判断します。

私は私自身がかかりたいと思うような医療を実践すべく日々努力していますが、接遇や営業的な側面ではかなり弱いとは思っています。

一番確実なのは自分がまともだと思う医師からおすすめの医師を聞くのが良いと思いますが、

一般の人はなかなかそういう情報にアクセスできませんね。

医療にどっぷり使っている人は、一般の皆様が想像している以上に正義感が強いです。

また善意がある人も多いのです。(今少々荒れている人もいるのは、追い詰められているからです)

 

たとえば通院中の患者さんが妊娠すると、どこの産婦人科で出産しようか迷うことがあります。

無難に?近くの大きな病院を受診する方も多いのですが

何人もの患者さんが担当医の対応に不信感を抱いてきました。

とても悩んでいたところ、保健師さんも同じ意見だといわれたそうで、悩みがさらに増し、私に相談されました。私はあっさり別の病院を勧めたところ、本当に安心してすごせたと喜んで出産することができたそうです。

 

一般の方はどのように病院を選ぶのでしょうか?

Googleレビューを参考にされる方も多いと思います。

我々には、「これはやらせ=ステルスマーケットの口コミだな」「これはモンペにからまれちゃったんだな」「業者の書き込みだな」「これはほんとっぽいな」

などと大体わかってしまうのですが、皆様には判別がつかないのかもしれません。

そこで、患者さんに聞かれたら答えているメンタルクリニックや精神科病院の口コミの見分け方の一部をお伝えします。

 

以下は専門家から聞いた精神科の場合の話ですが、、、

Google口コミ・レビューが4以上はやらせの可能性があるとのことでした。特に4.5以上というのはメンタルクリニック・精神科病院ではかなり現実離れしています。

メンタルにトラブルをかかえている方のなかには必ず攻撃的・他罰的な方がいて、どんな対応でも必ずトラブルになる人がいます。全員がいい評価というのはまずないです。どこでもトラブルになるような人は大抵医療機関でトラブルを生じ、その腹いせにGoogleレビューに書き込んでダメージを与えようとするのです。

 

開院してからまもないのに、やたらと口コミの数が多いのは、ほぼステルスマーケットの可能性が高いです。

手段は色々です。

口コミ業者を雇って、良い口コミをさせる

というものが以前は主流だったそうです。

見分け方は色々ありますが、やたら院内の写真、外観の写真など掲載して、他人に受診を勧める内容だったりします。

患者さんは普通写真など撮りません。

良い体験をした人は良い口コミをして他人に受診を促すのではなく、感謝の気持ちを伝える場として使うことが多いのです。

仲間のクリニックの近くにほとんど同じ名前の医療機関ができたそうです。

新しいクリニックのレビューはやらせの口コミでいっぱいでした。

しかしある日仲間のクリニックのレビューに、近くにできたクリニックに対しての賞賛のレビューが誤って書き込まれていたそうです。

慌ててレビューを新しいクリニックのレビューに引っ越しされていたとのことでした。

さくら業者が間違ってちがうクリニックの口コミを書いちゃった、そんな話です。

 

別の手段は、実際に患者さんにかかせるというものです。

初診の段階で、感想を聞いて不満に対応したのちに、口コミを書いてくれたら本を差し上げますとか、飲み物を差し上げますとか

その場で書くように促し、場合によってはどんな内容かチェックするそうです。スタッフの目の前で悪いことは書きにくいですね。

これは違法行為だそうです。

 

医療って割とそういうところは真面目にやっている人が多かったのですが、

ビジネスの悪い側面ばかりを学んできている人たちは平気でそういうことをするのです

 

株式会社が純粋に儲けだけを追求して参入してくると医療の良いところはどんどん失われていき、

続く

 

 

 

 

 

4月 20, 2025

素敵なレビューをありがとうございます。

良い評価・口コミをいただきありがとうございます。

 

この方も長い初診受け入れ中止期間をお待ちいただいた方ですね。

大変お待たせして申し訳ありませんでした。

と同時に当院の価値を見出していただき心より感謝いたします。

 

全ての初診に2時間以上かけているわけではなく、必要に応じてどこまで掘り下げるか考えながら診察を行なっています。

今回は問題の根っこが幼少時の環境にある症状を認めたため、駆け足かつ長時間お話を伺いました。

怖くて辛いお気持ちに蓋をしてずっと頑張ってこられたご様子が手に取るようにわかりました。

診察でだいぶお疲れになったり、お気持ちが揺れたかと思います。

 

これまでに受診された医療機関では解離症状を伴う不眠に対しての診断や治療がなく、不眠=睡眠薬で対処されていたようでした。

不眠の原因は何か?可能な限り背景を掘り下げていくだけでも色々なことがわかることがあります。

このようなことからも初診の段階でボタンをかけ間違わないようにしっかりと評価することが大切であると常日頃思っております。

 

時間がかかったり簡単ではないと思いますが、誠心誠意の診療を心がけて参ります。

症状に一喜一憂せずじっくりとゴールに向かって進んでいきたいですね。