ここ数年で一番ガタガタな診察がありました。
ご家族がいらして、患者さんと配偶者の3者面談(正確にはお子さんもいらしたので4者面談)を
行なったのです。
全く集中できず、わかりやすい説明もできませんでした。
お子さんは赤ちゃんで、時々声をあげたりはしていましたが、
激しく啼泣していたというわけでもありませんでした。
ただ、ご両親が赤ちゃんの動きに意識が向かっており、お二人とも同時に私の話に集中していないのがとてもよく伝わってきたのです。
患者さん家族が悪いのではなく、私の計算違いでした。
私の苦手なシチュエーションが今回よくわかりました。
それは相手が聞いていようが聞いていまいが一方的に話をする、ということが私は苦手だと気が付きました。
普段の診察では私は相手の表情や声のトーン、視線などよーく見ています。
理解できたか?納得できたか?
何か引っかかったか?
それを感じ取りながら話を進めます。
ずっとお互いに集中した診察を長年続けて来たのだと気が付きました。
相手がこちらの話にほとんど集中できていないとなると、相手が聞いていないのに話を先に進めていいのかわからないのです。
説明は分断し、流れで理解してもらうこともできなくなります。
今回のご家族はきちんと赤ちゃんに注意を向けていて素晴らしいのですが、
やはり大事な話の時はなるべく預けてもらった方が良いようです。