またTVを見てしまいました。
第2話は双極1型障害の患者さん。
この男性も演技が上手で、躁鬱混合状態などの難しい状態を演じきっていました。
双極性障害がご専門の加藤先生が監修されたとか。
私も勤務医時代は双極1型障害の患者さんの診療を行っていましたが、
実際の私の経験はこんな生易しいものではありませんでした。
怒号や暴力の中、怒鳴りながら入院を説得し、大興奮の患者さんがそれに応じるわけもなく、屈強な男性数人で抑え込んで鎮静剤を打って・・・という入院の導入でした。
というわけで、社会適応度の比較的高い患者さんが多い当院は入院ベッドもなく、入院~退院へのスムーズな連続性が乏しくなってしまうため、症状の重い双極1型障害は治療対象外としています。
当院では日常生活が破綻しない程度の双極2型までを治療対象としています。双極1型は多職種連携の中で対応することが望ましく、初診の時点で双極1型とわかれば他院をお勧めするようにしています。
とはいえ、昔から診療を引き受けていた双極1型障害の患者さんは今もなお引き続き診ています。
ヨワイ先生が仰せのように、双極症では疾患教育、自己理解が最も重要な治療のひとつとなります。
患者さんがどうして今までの人生そこまで無理をして生きなければならなかったのか、落ち着いているときに人生を振り返って、詳しくお話を伺い、根っこを探っていきます。
あるいはADHDなどの発達障害をベースとした気分や活動性のムラが根っこにあることもあります。
ハイテンションで、頑張っているときは、そんな自分が誇らしいのでその状態を続けたいと思ってしまいます。
ただ、その躁状態を続けていると、その後のエネルギー切れで、まるで鉛を体にまとっているかのようなうつ状態がやってきて、その極端な落差から自死のリスクが高くなります。
テンションが高いときは周囲とトラブルを起こしやすく、大事な人間関係を破壊してしまうことも少なくありません。
お薬で躁鬱の波をできるだけ小さくするよう調整することがとても大事ですが、
ご自身が躁状態にならないようにブレーキをかけながら生活をすることがより重要になっています。
次週はパーソナリティ障害の患者さんがテーマだそう。
目が離せません。
おそらく私も知っている先生が監修されていると思いますが、どなたが監修されたのでしょうか?