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9月 15, 2024

兵庫県知事斎藤元彦氏とデジ相河野太郎氏~東大アスペルガー症候群~

パワハラ問題で渦中の兵庫県の斎藤知事。

ボールペンのインクがスムーズにでない、

公用車で降ろされた場所から少し歩かねばならなかった、

些細なことで激昂する斎藤知事。

自分の想定外のことなどでパニックになり癇癪を起してしまう。

共感性が欠如し相手の立場に立てないため、

どうして問題となっているのかあまり理解できていないご様子。

 

河野太郎氏マイナ保険証のゴリ押し導入。不具合の責任は取らず、全てを医療機関のやり方が悪いと宣う。

怒鳴りちらし、相手の言うことは無視、目が座っている。

 

アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)ではしばしば認められる特徴です。

シンプルなアスペルガーであれば、対応がむずかしいだけで、特徴と取り扱い方がわかってしまえば

問題化(事例化)せずに様子をみることができるかもしれません。

 

やっかいなのはアスペルガーだけではなく自己愛性パーソナリティ障害が併存している場合です。

これは自分のことを過信し、ぬぼれて周囲を見下し、他者を自分の駒として物のように扱う特性のことです

特に河野氏は世襲議員で幼少期から自分が身分の高い人間で、特別な扱いを受けるべく人間と思い込んでいる。

 

確かに学力は優秀で東大に入った。

だから何か得意な分野をやらせたら素晴らしい能力を発揮するかもしれない。

ただ、問題は東大に入っただけと言うことだ、大学受験で人より相対的に点数を取れるよう訓練し、それができる能力があったと言うだけ。それ以外の能力は全く評価されていない。

それにもかかわらず、自分は万能だ、全てに優れている、人間として人より上のランクにある、そのように思い込んでしまっている。

だから自分は特別扱いを受けて当然だ、自分はトップに立つ人間だと思い込んでいる。

 

彼らのような万能感が過剰でトータルの人間性は学力と比べて酷く幼稚な人間は、共感性も低く、人を見下し、モノのように扱う。

このような人たちは絶対にリーダーにしてはいけない。

ヒトラーを作り出すのはもうやめよう。

 

 

9月 15, 2024

精神科医ヨワイ 第3話 パーソナリティ症。

【精神科医のTVドラマ】

今日は帰宅が遅くなり、Shrinkのこともすっかり忘れていました。

ニュースでも見ようかとテレビをつけたタイミングで、NHK  Shrink 精神科医ヨワイがはじまっていました。

 

画面には「最終話」と。

え?第3話で最終回!?とびっくり、残念。

 

【クオリティの高い作りこみ】

今回のパーソナリティ症の演出もとてもリアルできちんと監修されていました。

私が見たことのある精神科物のドラマでは断トツでリアルな内容です。

このクオリティーで毎週ずっと放送することは困難と納得。

どんなものもクオリティを追求すると大量生産できないのです。

調べたら母校の先輩宮岡先生が全体の医療監修をされていたのですね。意外でした。

パーソナリティ症の監修は林先生で、なるほど納得。

 

【境界性パーソナリティ障害】

今回のテーマはパーソナリティ症(パーソナリティ障害)でした。

私が大学病院に勤務していた時代は、境界性パーソナリティ症(障害)の過量服薬やリストカットが社会問題化していたためか、大学病院の病棟に入院している患者さんの多くが境界性パーソナリティ障害の方々でした。

ドラマの中でもヨワイ先生が説明していましたが、境パ症の方は見捨てられ不安が強く情緒が著しく不安定です。

他者を過大評価してベタベタと近づいてきた(好き好き♡)と思ったら、些細なことで猛烈に怒り誹謗中傷してくる(大嫌い!😡)など、極端ではげしい反応を起こします。

 

【医師と患者さんの恋愛関係】

見捨てられることを恐れる裏返しで、(本人が意識しているかは分かりませんが)性的に魅力的であろうとして誘惑的な外見の女性が多かったという傾向もありました。

医療の現場でも、境パ症の女性患者さんが話を聞いてくれる男性精神科医に対して猛烈な好意を寄せ、性的に誘惑してくるという状況は少なくありませんでした。

どちらかというと共感スタイルの私は話を聞いてしまい、患者さんの陽性転移を受けやすい傾向にありました。

それから当時20代の私は今よりはしゅっとしていたのと、年齢的なものもあって(誰も信じてもらえないかもしれませんが、笑)ちょっとはモテていたのです。

じじいの昔話と自慢話は嫌われるのですが、当時は境パ症の患者さんからデートに誘われることもよくありました。

 

【禁欲原則】

医師には禁欲原則という決まりがあって、患者さんと恋愛関係になってはならないという戒律があります。

ときどき患者さんとその執刀医の結婚など美談として紹介されることがありますが、医師としては失格と言わざるを得ません。

100歩譲って精神科ではご法度です。

今では医師と患者さんは対等に近づいていますが、

昔は医師と患者さんではパワーバランスがだいぶ偏っていました。

学校の先生と生徒くらいの差があったかもしれません。

そのような不均衡のパワーバランスのなかで生じた職業としての役割で獲得した患者さんからの憧れ(陽性転移)を利用して、立場的に弱い相手を搾取してはならないということです。

「先生と生徒」もダメです。

卑怯な大人がその立場を利用して未熟なものを搾取してはいけないということです。

ドラマのなかでは、チェーン店クリニックの理事長早乙女医師が境パ症の患者さんと院外でデートしている様子が描かれていました。

これ、そのまんま実在する精神科医○○じゃん!と笑ってしまいました。

実在するその医師の行為は当時問題となって糾弾されていました。

 

【私の強さ】

私のすごいところは、どんなにモテていても!?笑、患者さんのデートの誘いには1回も乗ったことがないということです。

デートは断りつつも、担当する患者さんとして見捨てるわけではないというメッセージを伝える方法を恩師から教わって練習してきました。

まあ、それが難しいのなんの。やっぱり断られたら多かれ少なかれ傷つくのが人間のサガです。

さすがに今は患者さんからデートに誘われることはなくなりましたが、

40代前半までは時々ありました。

お断りするときはやはり緊張しますよね。

 

【不得意】

大学病院のころは病棟で境パ症と摂食障害の患者さんばかり診ていて苦労しました。

市中病院では救急医として過量服薬(OD)やリストカット(リスカ)の患者さんをたくさん診てきました。

境パ症の患者さんにとって医師が一定の距離感を保つためには、患者さんに優しくせず熱心にせず、ニュートラルに(端からみたら冷たいと感じる程度で)接しつづけることが必要ですが、

話をじっくり聞いてしまうタイプだった私は、患者さんに振り回され、疲労困憊し、境パ症の治療には不向きだと悟り、開業してからは診ないようにしています。

パーソナリティ障害を当院の診療対象外としている理由の一部は上記のような経緯があります。

 

【第4話】

ドラマとしてはそれほど深みのない内容だったかもしれませんが、医療ドラマとしては極めてクオリティの高いドラマでした。

第4話を期待して待っています。

 

 

 

 

 

 

 

9月 7, 2024

精神科医ヨワイ 第2話

またTVを見てしまいました。

第2話は双極1型障害の患者さん。

この男性も演技が上手で、躁鬱混合状態などの難しい状態を演じきっていました。

双極性障害がご専門の加藤先生が監修されたとか。

私も勤務医時代は双極1型障害の患者さんの診療を行っていましたが、

実際の私の経験はこんな生易しいものではありませんでした。

怒号や暴力の中、怒鳴りながら入院を説得し、大興奮の患者さんがそれに応じるわけもなく、屈強な男性数人で抑え込んで鎮静剤を打って・・・という入院の導入でした。

というわけで、社会適応度の比較的高い患者さんが多い当院は入院ベッドもなく、入院~退院へのスムーズな連続性が乏しくなってしまうため、症状の重い双極1型障害は治療対象外としています。

当院では日常生活が破綻しない程度の双極2型までを治療対象としています。双極1型は多職種連携の中で対応することが望ましく、初診の時点で双極1型とわかれば他院をお勧めするようにしています。

とはいえ、昔から診療を引き受けていた双極1型障害の患者さんは今もなお引き続き診ています。

 

ヨワイ先生が仰せのように、双極症では疾患教育、自己理解が最も重要な治療のひとつとなります。

患者さんがどうして今までの人生そこまで無理をして生きなければならなかったのか、落ち着いているときに人生を振り返って、詳しくお話を伺い、根っこを探っていきます。

あるいはADHDなどの発達障害をベースとした気分や活動性のムラが根っこにあることもあります。

ハイテンションで、頑張っているときは、そんな自分が誇らしいのでその状態を続けたいと思ってしまいます。

ただ、その躁状態を続けていると、その後のエネルギー切れで、まるで鉛を体にまとっているかのようなうつ状態がやってきて、その極端な落差から自死のリスクが高くなります。

テンションが高いときは周囲とトラブルを起こしやすく、大事な人間関係を破壊してしまうことも少なくありません。

お薬で躁鬱の波をできるだけ小さくするよう調整することがとても大事ですが、

ご自身が躁状態にならないようにブレーキをかけながら生活をすることがより重要になっています。

 

次週はパーソナリティ障害の患者さんがテーマだそう。

目が離せません。

おそらく私も知っている先生が監修されていると思いますが、どなたが監修されたのでしょうか?

 

9月 4, 2024

ご褒美。

私にとってはここのうな重が一番うまい。

余計な脂を上手に落としてあり、とても香ばしく焼いてある。

たれも甘すぎず辛すぎず絶妙。

奈良漬も最高にうまい。

それでいて良心的なお値段。

 

普段は一切口にしないウナギだが、

夜間救急当番の日だけは解禁。

一緒に居残りしてくれる事務員と、近隣で待機してくれている薬局の薬剤師さんの分も一緒に注文してご馳走する。

通常勤務のあとの夜勤なので、疲労を吹き飛ばすなにか楽しみがあったほうがいい。

 

振り返ると、勤務医時代の夜間当直のときも、よく出前を注文していた。

私もそのころは若かったけれど、一緒に当直する事務員さんはもっと若く、経済的にも厳しいだろうと一緒に頼んでご馳走していた。

私も先輩からいつもご馳走になってきた。

今の時代はそういうことしないのかもしれないが、なんか温かいと感じてたんだよな。

 

 

 

 

9月 2, 2024

よくなる人、よくならない人。

パニック症、広場恐怖の話題が出たので、ついでにお話したいと思います。

パニック症、広場恐怖に関しては、当院の治療で良くなる人、良くならない人

どのような違いがあるのか、割とはっきりした特徴があるように見えます(もちろん、必ず当てはまると言うわけではありません)

 

9月 1, 2024

精神科医ヨワイ。

たまたまテレビをつけたら、NHKで精神科のドラマが放映されていました。

Shrinkー精神科医ヨワイー(土曜22時〜)

内容的には10−15年前くらいの精神科医療のイメージでしたが、続きも見てみたいなと思うドラマでした。

精神科医ヨワイ先生役の中村倫也さんと

第一話のパニック障害の患者さん役の夏帆さんがハマり役でした。

看護師さん役の土屋太鳳さんはちょっと現実離れしていましたけど、笑。

当院ではパニック症、広場恐怖症の患者さんが非常に多いので、

ご覧になった患者さんは色々と共感できる部分もあったかと思います。

メディア露出度の高い心療内科チェーン店クリニックで、雇われ医師が患者さんに目もくれずPCだけをみてサクッと診察を終える場面、不安神経症などという曖昧な診断名で誤魔化す場面など、よくあった(今もある?)話ですね。

パニック症や広場恐怖の説明に関しては私が診察時に行うオリジナルの説明の方が創造的ではないでしょうか?(ご意見ください)

行動療法(暴露療法)に関してもオーソドックスな治療が描かれていました。

当院ではより早く確実に治療を進められるようにだいぶアレンジしたオリジナルの治療を行なっているので、「あれ?薬の使い方が違う」と思った方がおられるかもしれません。

ご自身の考えやネットの情報にこだわる方もいらっしゃいますが、騙されたと思ってまずは私の治療方針でやってみてくださいね。

看護師の土屋太鳳さんが患者さんに対して精神科医のことを先生と呼んでいました。

一般社会では会社員が対外的に自社の社長について話す時は名前を呼び捨てにしますね。

「社長の〇〇が・・・」

それに倣って、医療事務や看護師さんが自院の院長について「うちの〇〇が・・・」と呼び捨てにすべきだ、「先生などと呼ぶのはけしからん」という方もおられます。

確かに社会一般の常識からするとその通りなのですが、スタッフが「先生」と呼ぶのには色々な良い意義もあるのです。

精神科治療がうまくいく要素に、「若干のパターナリズム」「軽い陽性転移」が重要だと思っています。

当院ではクリニックは綺麗な現代風、治療内容は最先端、治療関係は古き良き昭和風のテイストも少し残しながら「こころの安全基地」の形成を目指しています。

コロナ禍、SNSの普及、戦争、日本国力の減衰などで世の中ずいぶんギスギスしてきました。

当院では治療契約を結ぶにあたって、信頼関係や治療同盟がどの程度共有できそうか電話の段階でアセスメントすることで、スムーズな治療を展開することに成功していました。

また、お金儲けに走らず、患者集めに奔走しないことで、一定の質を保つことにも成功していると感じています。

毎回しっかりと初診で深掘りすることで私自身の診断能力もこの10年でずいぶんと向上しました。

カルテの分量は他のどの精神科・心療内科にも負けないのではないかと自負しています。

 

ただ、このやり方では私自身がかなり消耗してしまいます。

先日、世界を股にかけるビジネスマンに言われてしまいました。

「そんな働き方していつまでやるつもりなの?自分がプレイヤーとして時間を奪われるのではなく、人を使ってまわるようなビジネスにしていかない」と。

ごもっともなんですが、そのようにやっているところはちょっとね・・・

といつまでも“貧乏お父さん“(という本があります)を続けてしまいます。

 

患者さんが良くなって、ありがとうと言われるとやっぱり嬉しいですよね。