ビジネスマンの中には、ビジネスは「奪うか、奪われるか」の戦争だ!という人もいる。
組織の職員は一つの駒であり、儲けることが正義だという人がいる。
それが社会や世間だというならば、
医療従事者は世間知らずと揶揄されるのは致し方ない部分はあると思う。
ときどき、ビジネスマンと話していて考え方がかみ合わないことがある。
もともとの医療の根源っていうのはビジネスではないんだよね。
戦いではなく、心を使う仕事。
他人から奪うための仕事ではない。
病気になってしんどいとき、本物の医療従事者に心を尽くして助けてもらった経験があるひとは、わかるかもしれない。
心をつかった仕事ってどういうものか受信機があるひとにはわかると思う。
社会保険料をつかって医療を行うとき、医療者には正義感が必要だと思う。
公平に分配するってどういうことなのか。
世の中には恵まれている人も不運の連続の人もいる。
特に精神科の患者さんのなかにはこれでもかっていうほど不運が続いてきたひとも多い。
発達障害の親に虐待されて育ち、自身も発達障害で身の回りのことがうまくいかず、不安だらけでおかしくなってしまった。
自分の子供も発達障害で育てにくく、どうしていいかわからない。
とにかく死にたい、ねむれない、不安でしかたないと
混沌とした状態で当院を受診してきた女性がいた。
本人は何が不安なのかもわからないし
薬は怖い、のみたくないとこちらの治療も拒む状態。
困っていることを一方的に訴えるのに、こちらのアドバイスは全く聞こうとしない。
ふつうなら「何しに来ているの?」という話になる。
サポートのしようもないが、毎回毎回具体的な生活のアドバイスや困りごとを一緒に考えてあげていた。
徐々に私やクリニックを信頼し、私の言うことを素直に聞き入れてくれるようになった。お薬も服薬して徐々に生活がまわるようになっていった。
発達障害の特性が困りごとを作り出していたんだと理解してくれるようになり、その対処法も相談できるようになった。
やっと平和が訪れたとおもったら、
両親が次々と倒れ入院、二人の介護、看護に奔走。
疲れきってついに帯状疱疹発症、つい先日雷が自宅に落ちて、エアコンなどが燃えてしまった由。
この暑さのなかエアコンの修理のめどもたっていないという。
それでも、ひたすら頑張っている。土砂降りのなか自転車で母の病院にいっては主治医のムンテラを聞き、父の施設にいっては帰りたがっている父をなだめ。
子供のために食事もつくっているし、子供の通院にも付き添っている。
「あなたは偉いよ」
私は本気で彼女の頑張りをたたえた。
経済的には厳しいが、スーパーのレジ打ちを頑張って生活保護のお世話にはなっていない。
社会保障ってこういう人のためにあるのではないか。
こういう人を医療費で体調をサポートしてあげようよ。
医師には社会保障費を公正に分配する義務があると思う。
最近は、うつ病だと偽って、障害者年金を受給するために社会保険労務士とタッグを組んで金を勝ち取ろうと医療を利用する輩も少なくない。
年金を取れるだけ取って、その20%(数十万に及ぶことも少なくない)を社労士が成功報酬ゲットできるという成功報酬で、不届き物と悪徳社労士はウィンウィンの関係だ。
そいつらには社会を損なっているという罪悪感が欠けている。
そういうことをする奴は結構な収入があったりする。
社会に対して損害を与えるそいつらに医師が加担していいものか?
医療を利用する奴に貴重な医療資源や社会保障費を分配するものではない。
有限な社会保障費を公正に分配するという正義感が医師にあってしかるべきではないかと思う。
自分がもうかればいいというビジネスとは異なる心が医療にはあった。
医療分野にメドレーなどのIT企業が参入し、アマゾンが参入し社会保障マネーをビジネスで吸い尽くそうとするのを国が支援している。
国は何を目指しているのか。
いまだに派閥やっている麻生グループの河野太郎はだけはやめておけ、笑。
心のない人間がリーダーになったら日本もおしまいだ。