人は動物であるという側面と社会的存在である人間の側面両方を併せ持ちます。
野生の動物と同じように生存本能、生殖への本能があります。
生存競争のための攻撃性も恐怖心もあります。
自分の身を守ためには自分にとって危険な場所や状況を恐怖し避けるという本能があります。
例えば、広場恐怖症。
身動きが取れず、その場からすぐに逃れられない状況を恐怖する病気です。
でもこれって、野生の状況であれば当然ですよね。
すぐに逃れられない場所にいてライオンが襲ってきたら命に関わります。
そういうところにはいたくないと感じるはずです。
現代人ではそのような危険は少なくなっていますが、
小田急線での無差別殺人未遂事件など
実際にはあります。
私の臨床経験からは広場恐怖にかかりやすい人の傾向がわかってきました。
それはASD、自閉スペクトラム症の傾向がある人たちです。
部分症状だけの非定型発達の人も含みます。
(もちろんそうじゃない人もたくさんいますよ)
自分が危険と感じたり不安を感じた状況に対する記憶が凄まじく、
たとえば体調不良で満員電車に乗って、緊急停車した時に具合が悪くなったことがあったとします。
その記憶を強く脳に刻み込んで、またなったらどうしようと、危険に対する警戒心がマックスに高まります。
ASDの特性がある方には以下のような特徴が認められることがあります。