今日は診療直後より慶應認知行動療法研究会を聴講。
大野裕先生の鋭いコメントが冴え渡ります。
私も先輩方から指導を受けていた時に、患者さんの言葉の意味がイメージできるまで質問するということをトレーニングを通して学んできました。
経験の浅い頃は、患者さんの言ったことをそのまま鵜呑みにしてしまう傾向にあります。
わからないことをなんとなくわかったような気になってそのままにしてしまうことがあります。
どういう意味なのか、どうして言ったのか、情景が目に浮かぶまできちんと聴かないと、聞き流しているのと同じことになってしまいます。
そして、患者さんに聴かなければ行けないこととして一番大事なことは、
治療をして、どうなりたいのか、どんな風に生きていきたいのか、何をしたいのか、
きちんと聞いて共有できることはとても大事です。
患者さん自身どうなりたいのか考えていないことも少なくないのですが、
それがあるのとないのでは、治療の結果も異なるし、よくなる度合いも違うと思います。
「症状を軽くして健康になりたい」という先の
「症状が軽くなったら、どんなことをしたいのか?どんな風に生きていきたいのか?」
が重要なのです。
発達障害の傾向のある方は、将来を想像することが難しく、どうなりたいかがイメージしづらいこともあります。
症状が遷延する理由の一つはこの想像力の乏しさにあるのではないかと思います。
この辺りをどうするかもっと掘り下げて行きたいと思っています。