今日はそろそろ卒業が視野に入ってきた患者さん数名の診察がありました。
辛かった以前を振り返って笑えるようになったことの喜びを共有し、今までよく頑張ってきた健闘を讃えました。
お世辞もあるとは思いますが、「辛い状況を乗り越えられたのは先生のおかげです」と実感を込めて言ってくださるのです。
嘘には敏感なので、多分(笑)本心から言ってくださっていると信じています。
公務員の方は、相当な地位のある上司から壮絶ないじめを受けていました。
どうしてそのような状況になったのかも詳細にしらべて理解しました。
休職をし、体調を整え、異動ができるまで耐え忍びました。
そしてその上司が定年退職し、やっと平和を手に入れたのです。
その間、反撃は行いませんでした。
あまりやりすぎると強硬な措置を取りうる(実際に法的措置の実績があり)ことはやんわりと警告しましたが、私自身も危うい状態に追い込まれたかもしれません。
おそらく私自身が被害者であったら反撃していたかもしれません。
しかし、その後の患者さんにとってのメリットデメリットを天秤にかけて、
こちらからの攻撃はせずに乗り越えました。
もし反撃をしていたら患者さんの心に新たなトラウマを作ってしまっていかもしれません。
患者さんは自分がどういう状態なのか関心をもち、一般の医師はどうして症状が出現したのか、その原因に関心があります。
しかし、私がもっと重要であると感じているのは、どうして良くなったのか、何がきっかけで症状が改善したのか、ということです。
これを評価することで、患者さんがその後強く柔軟に生きていくための力を得ることができます。
患者さんへの最大のプレゼントはそれなのではないかと思って、日々診療にあたっています。(これは本人には難しいことなので、主治医が重要な働きになると思います。)
全力で診療にあたってきて、感謝のお言葉を徐々に頂戴するようになったのは、今までの努力が結実してきたことの表れだと思っています。
直接のコミュニケーションはもちろん、Googleレビューでも是非!笑。(それかい!)