上尾メンタルクリニック

八木 上尾メンタルクリニック

6月 10, 2023

メンタルクリニックは薬を出すだけ?

今日も忙しく後半は嫌な頭痛も出現。

60人を超えたあたりでキツくなってきたので、アセトアミノフェンを服用し、診療を続けます。

 

なんと、大谷翔平選手と想定外のつながりを持っている方もいて、大変驚きました。

世界は狭い!?

サインもらえないかな?笑

いやいや職権乱用はいけません。。。

 

 

3月から5月は転居によるお別れの季節です。

 

しかし、最近は転居後も当院に通院してくださる方が増えてきました。

東京から通院して下さる方、

はたまた広島や仙台、茨城、岩手、山形、千葉などからわざわざお越しくださる方もいます。

 

私にとっては想定外だったのですが、

そのような患者さんから言われることは、

「受診して話すとモヤモヤした不安が言葉になって消化されていく」

「色々な振り返りをできたことで自分のことが少しずつわかってきて、冷静に対処できるようになった」

「話しにくるのが楽しい」

とまで言ってくださるのです。

 

私はおしゃべりでもなく、話もつまらないのです。

ひたすら真面目にやっているだけです。

私はメェ医ですが、名医ではありません。

山羊さんメェ医です。

本気出してこれくらいのつまらなさです。

(長文です)

思えば、私の師匠は力動的精神医学と児童精神科を専門とされていました。

その影響で、開業時は患者さんの生い立ちとか心理学的なことにやや偏った診察をしていたように思います。

 

その後は認知行動療法の行動活性化、あるいは行動療法に力を入れたり、

マインドフルネスを一生懸命やっていた時期もありました。

患者さんと一緒にヨガをしたり、瞑想をしたりということも。

EMDRなどのトラウマ治療も勉強したり、

試行錯誤していました。

 

しかしどこかスッキリしない感じがあったのですが、

発達障害、あるいは非定型発達の理解が進むにつれて、

いろいろなパズルが解けてきたのです。

ここ数年は発達障害を理解しようと相当勉強してきました。

心理的に考えても仕方のない脳の発達特性と、その後の心の傷つきを丁寧に分解しながら理解を進めていくようになりました。

もちろん、まだ道半ばですが。

 

患者さんには、自分自身が不安を感じている、

あるいは傷ついているんだ、ということに気がついていない人も少なくありません。

言葉にならないモヤモヤしたものに、私が名前をつけてあげるのです。

「不安だったんだね」

「怖かったね」

「辛かったね」

「腹が立ったよね」

「悔しかったよね」

ピッタリくるまで、言葉を探りながら確認していきます。

特に非定型発達の人は自分の状態に気が付きにくい人が多いのです。

 

まずは、自分自身が不安であること、傷ついていること、それらをありのままに見るという行為が大変重要なステップになります。

マインドフルネスの一つのあり方と言えます。

 

そして、どういう経緯で傷ついたのか、どうして傷ついたのか、

何を失って、怒りや不安を感じているのか、

振り返っていきます。

もちろんPTSDの症状が強く出ている方にはあまり深く突っ込みません。

 

さらに、不安に対する心の守り方は人それぞれタイプが異なりますので、心の防衛方法についても明らかにしていきます。

これらを言葉にできるようになることは重要ですが、それだけでは十分ではありません。

文章にしたり図式化することで可視化します。

実はこの目的もあって、当院では予約表を連絡表がわりに使っています。

何も書かなくても結構ですが、上手に使っている方も少なくありません。

限られたスペースだからこそ威力を発揮します。

 

そういうことができるようになってくると、客観的に自分を見る力が醸成されていき、

それだけで不安に圧倒されなくなったり、傷の癒やしが始まります。

 

ここまで来れた方には、過去の傷つきを癒していく方法を共有していきます。

ケースバイケースですが、最終的に子供の頃に傷ついた自分を慰められるのは、大人になった自分です。

 

キャッチボールをしているうちに患者さんが成長し、一緒に成長している感覚が得られ私も喜びを感じます。

実は、開院当初からロゴに込めた当院の精神療法の柱としてポジティブセラピーを発展させてきました。

ポジティブサイコロジーやポジティブ精神医学の出現を知らずに私が独自に発展させてきたものです。

従来の認知行動療法のように患者さんの欠点やマイナスを指摘することも大事ですが、

ポジティブ感度を徐々に上げていけるように合いの手を入れるようにしてきました。徐々にタイミングがわかってきました。

もしかしたらこれが私の精神療法の中で一番治療的かもしれません。

 

私の精神療法の一例です。

 

これを行う素地を作るためには初診で60分以上詳細に問診する必要があります。当院では資料の読み込みなど合わせて90分は費やします。

(もちろん病気や人によって精神療法の内容は大きく変わります。)

 

上記のような精神療法が必要ない方も多いですし、IQの低い方は精神療法よりも環境調整が重要です。

また、安定していて維持療法の方にはドリフターズ外来(飯食ったか?トイレ行ったか?早く寝ろよ!のシンプルな診察)をすることもありますが、

診察の中では患者さんからの質問は必ずお答えします。

「わからない」ということもありますが、ご質問には正直にお答えしています。

「わからない」というのは現在の精神医学ではまだわかっていないこともありますし、

単に私が勉強不足で知らないということがあります。

どちらなのかはっきりお伝えします。

もし、私が知らないことで、患者さんの治療にとても重要な質問だと私が感じたら、宿題として持ち帰らせていただきます。

 

質問に対して答えないという精神科医はいるようですが、私は必ず答えてきました。

もし質問に答えてくれないという感想を抱いている方がいるならば、一部の強迫性障害の方かと思います。

強迫性障害あるいはASDの強迫・こだわりによって、毎回10個くらい詳細な質問をレポート用紙に書いてきて質問する方がいます。

治療の開始時点では全てお答えするかもしれません。

しかし、徐々に「質問を2〜3個に絞ってください」とお伝えします。

質問一つが大きなテーマの人は毎回一つに絞ってくださいと伝えます。

 

あなた一人に無限に時間を使えない(資源はみんなで分かち合っている)という現実検討を持っていただくためのメッセージでもありますが、強迫症の治療的な意味を考えての指示となります。

強迫症は物事が自分の思い通りにコントロール(支配)できないことに不安を感じる病気です。(不安を打ち消すために完璧にして心を守ろうとするのですが)

自分なりに完璧にしたいのです。

強迫症の治療は、完璧にしなくても大丈夫だという安心感を手に入れることです。

世の中は思い通りにならない、支配できないものだと理解してもらうことが重要です。

10個の質問(不安に感じていること)を毎回解消させてスッキリするということを繰り返していても、

よくなりません。

全部は解消しない、少しモヤモヤした状態、少し不安な状態のまま耐えるという練習が必要なのです。

そのような意味があって、質問を2−3に留めて、あとはモヤモヤしたまま次回までとどめてくださいと伝えるのです。

ご説明しても納得されない方の場合は、「質問にも答えてくれない!」と攻撃的になってしまうのです。

信頼関係ができないのですが、当院では去る者負わずの姿勢です。(逆に他院にかかっている人に治療を開始して患者さんを手招きするということもしません。)

 

詳しく説明していくと精神療法の受け答えには一つ一つ意味があることが多いのです。

 

短時間でも意味のあるやり取りだとわかってくれる患者さんはどんどンよくなるし、

転居しても続けたいと言ってくださるのかなと思いました。

 

当院の治療ポリシーとして、心理士のカウンセリングは行わないと明記しています。

さらに精神科医によるカウンセリングも特殊な例を除いてやらないと明記しています。

カウンセリングと精神療法を私なりの表現で区別しています。

精神療法は通常の診療費用の中で、言葉による治療を意味します。

カウンセリングは(現在のところ)自費で構造を決めて(毎週何曜日の何時から何分とか)

行います。カウンセリンぐはどんなスタイルがあっても良いし、ただ愚痴や話を聞くだけというのも実際に少なくありません。

精神療法はなんらかの治療効果を期待した対話による診療なので、ただ一方的に話を聞くというのは治療ではないと思っています。

 

精神療法の範囲内でできることと、要求されてもできないことがあります。

急性期で症状が重い場合は、カウンセリングに近い形では精神療法は行いません。

勘違いしている方が多いのですが、うつ病の急性期に認知行動療法は行いません。

また、初診1回で問題を解決することを期待している方もおられますが、それができるような内容はもはや病気ではありません。

とりあえず1回だけかかりたいという方は遠慮していただいています。

 

他の精神科機関では、初診3分でパッと薬だして(精神療法をやらずに精神療法費用を請求して)おしまいというところも時々あるので、開院当初は話を聞いてもらいたい人は当院にいけと回されてくる人も多かったのです。

しかしその中のほとんどの人が精神療法を望んでいるわけではなく、ただ文字通り話を聞いてほしいとか

カウンセリング的な内容を求めている人がほとんどでした。

話を聞いてほしいという人が殺到してしまい、交通整理が大変でした。

無駄な労力で疲弊してしまうので、その辺を解決するために

「カウンセリングを行なっていない」と明示したのです。

とにかく話を聞いてほしいという方には「ご期待に添えない」とお伝えしてきました。

 

お電話の段階で、その方が何を望んでいるのかわかるようになったので、

今ではほとんどミスマッチは生じなくなってきました。

 

精神科って難しいと思いませんか?

 

 

 

 

 

 

 

6月 8, 2023

睡魔。

今日は2本の講演を受講。

私の最初の恩師の渡邊衡一郎教授が委員長として策定された2023年双極症治療ガイドラインについてと、

同期であり年上で兄貴分の佐渡教授のマインドフルネスの講演。

どちらも復習的な内容でしたが、忘れていたことが色々思い出されました。

最近は忙しくて患者さんと一緒にマインドフルネスの体験をする時間がなかったのですが、

タイミングをみて患者さんに伝授していきます(こういう言い方すると偉そうだって怒られちゃいますね。。。)。

興味のある方は「次回マインドフルネスを習いたいので空いている時間帯で次の予約を取りたいです」とおっしゃってください。

 

さて、私の大好きな芍薬。

チェーン店の生花店ではクオリティに満足ができないため、直接農家さんから購入する方法を教わって今朝届きました。

開梱したときは蕾でしたが、夜にはすごいボリュームに。

 

 

生花店よりお安く購入でき、満足です。

 

今日はかなりのスケジュールを詰め込んでいたのですが、

慢性的な睡眠不足で、昼間の眠気に襲われます。

 

今週も週の頭からガス欠気味。

夕方の診療で患者さんが70〜80人を超えてくるあたりで

もはや無心の境地。

最後の患者さんが終わってもしばらくは夢中で書類を作成しています。

いざ帰ろうとする場面で動けなくなるほど疲労困憊して、帰宅困難な状態に。

 

患者さんにしつこく言っていますが、

睡眠時間をきちんと確保すること!

まず隗より始めよ、笑。

(言い出した者から始めなさいという意味)

 

先日のドライブもボディブローのように効いています。

更年期のおじさんは疲れます。。。

 

 

6月 5, 2023

ありがとうございます!

こういうお言葉を頂戴できると、

この上のなく有り難く、励みになります。

pon poko様の幸福を願っております。

 

6月 4, 2023

オンライン診療ってどうよ。

対面でコミュニケーションを取った場合、相手の感情に共感すると、お互いに脳の活動が同期してくることがわかっています。

逆に、PC越しのコミュニケーションでは脳の活動の同期が起こらないこともわかってきました。

この観点から、オンライン診療が良いという人と合わないという人の違いを推察しました。

まず、精神科医の側から見た場合を考えてみます。

患者さんの感情を汲み取ろうと努力しながら診察している、いわば「感情労働」も含めた診察をしている医師の場合、

オンラインでは患者さんの感情を十分に共感できないので、汲み取ろうとするとストレスや不全感を感じ

疲労を強く感じるかもしれません。

逆に元々患者さんの感情に共感せずに、流れ作業的あるいはロボットのように診察している医師の場合は、オンライン診療で何も不都合を感じず、むしろ効率的に診療ができるのかもしれません。

感情の共有なしに科学的に事実だけを診ていくというスタンスの場合もやりやすいかもしれません。

 

患者さんから見た場合、例えば自閉スペクトラム症の傾向があるなど感情の共有が元々苦手な人の場合、対面は緊張するし、オンラインでも不都合を感じないかもしれません。

逆に感情の共有をしながら治癒していくタイプの患者さんにとってはオンライン診療では治療効果が劣るかもしれません。

またわざわざ出向いて受診するという行動そのものが治療のモチベーション、意識を高めて治療効果をあげていると私は実感しています。

私は感情の共有が治療を促進すると考えているので、対面診療が合っているかもしれません。

初診患者さん向けのコウルサイ能書を読んで受診してくださっている患者さんも相性のいい患者さんと言えるかもしれません。

私が共感できない患者さんの治療は難しいと感じています。

「誰でもいいから殺したい」とか「会社員として働いて給料も十分もらっているが、障害者年金をできるだけ高額にもらいたい」など

共感できない患者さんが今までにいましたが、治療同盟という仲間になれず、当院を去っていく人もいました。

そういうことも含めて対面ならではの医師と患者の心の動きがあって、当院ならではの治療環境が洗練されているように見えます。

オンライン診療はともかく、国は議論もさせずにDX化を急速に進めています。

患者さんの利益のためというのは表面的な嘘で、別の思惑があることは明らかです。

 

賛否あると思いますが、医療のDX化を強行する国の動きには疑問があります。

オンライン資格確認もシステムのエラーだらけ、保険証情報が間違っていたり、登録されていなかったり、めちゃくちゃです。

個人情報なんて全く守られないシステムであることもわかっています。

ひどい間違いが起きても誰も責任を取りません。

長くまとまりない文章になってすみません。

 

6月 1, 2023

久々のドライブ。

ドライブらしいドライブは何年もしていません。

正直、遠出する体力があるのかもわかりません。

しかし、テニスを始めて少しずつリハビリ?が出来ているような感じがしてきたので、

テニスをさぼって(笑)ちょっとドライブに・・・

そうは言ってもたいした距離ではありませんが。

広場恐怖の患者さんが治療して秋田や山形あたりまで高速道路で遠征したと伺って

感心するばかりでしたが、自分もすこしはできるところを見せておかねば、笑。

 

ビジネスエリートと業界関係者(なんの業界や?笑)

とランチしに海の見えるところまで行ってきました。

サスペンションが硬いとか、

クラッチが重いとか、

おじさんにはしんどいので、

ゆったりした車で行ってきました。

荷物を載せるわけでも、人をたくさんのせるわけでもなく、

ひたすら贅沢です。

 

BA・BYUUUNN!!と海へ。

台風接近なのに、晴れ男全開!

芸能業界の方に写メの撮り方教わりましたが、難しい・・・

生卵がでてきたのに、食べるころには半熟に・・・(ウソ)

飯食ってるだけで日焼けしました。

ゴチになりまして、恐縮ですが、

高級すぎて、おいちいのか、おいちくないのか、

初めての味でした。

 

もうWBCの話題はタイムリーではないかもしれませんが、

先日栗山監督とお会いしたそうで、とても面白い方だと伺いました。

私は芸能界にほとんど関心がないのですが、

有名人の裏話を聞けるのは

勉強になります!?

 

ドバイへの出張から帰国したビジネスエリートの方からはパッチのお土産をいただきました。

 

いろいろとお話できました。

毎日患者さんの苦しみや不安の感情に自分自身を同期させているために、

自分自身がマイナス思考に陥らないように気をつける必要があります。

 

そのためには、このような別の世界の交流が欠かせないのです。

 

 

5月 22, 2023

芍薬。

大雨の上尾でずぶぬれになって

帰宅したらもう咲いていました。

5月 21, 2023

日曜日。

本日のメインイベントはテニス。

他のメンバーの休みがたまたま重なって、なんと一人でレッスンを受けました。

贅沢だな〜、そして一人だとずっと動いているので体力持つかな〜とコーチと談笑。

最近はペースのあうコーチ2人にしぼってレッスンを受けています。

一人は超ベテラン、もう一人はコーチ歴5年の若手の方です。

 

私はなんでも人に教わるのがとても好きです。

教わることでその人と良いコミュニケーションが取れるし、

一人で試行錯誤もいいけど、人生時間に限りがあるので教わった方が断然早いです。

教えるって難しいスキルだと思いますが、お二人は上手です。

私も病気のこととか患者さんに説明する場面でもっと上手にできればなと思うことがしょっちゅうあります。

元々おしゃべりは苦手だし、多分言語IQも低いかもしれません。

 

レッスンの方は結構体を動かしましたが、結局半分はおしゃべりして終わりました、笑。

 

その後はゴールドジムに行き、プロテインとゴールドジムのタンクトップを購入。

そのうちタンクトップで診察するようになるかもしれません、笑。

 

ま、無いですかね。

 

毎年楽しみにしている芍薬の花を買って帰宅。

上手に咲かせるコツもわかってきました。

 

自宅で業者さんと打ち合わせがあり、

夕方はリバビリで少しランニング。

これから仕事します。

 

疲れて強い眠気が襲ってきます。

入浴したら起きていられないかも・・・

 

 

5月 20, 2023

チートデイ。

精神医学豆知識的なブログも書こうと思いつつ、忙しさにかまけて

いつもくだらない日記ですみません。

洪水のように押し寄せてくる仕事の波に流され、ようやく週末に。

今日はチートデイということで、ピザをいただきました。

チートデイとは、ダイエット中に設ける「好きなものを自由に食べる日」を意味します。

 

とはいっても毎日がチートデイで好きなものを食べています。

ということは、チートデイとは言いませんね。

つまらないボケです。

失礼いたしました。

 

テニスを始めて1ヵ月経ちましたが、体重がどんどん増えています、笑。

食べる量も内容もさほど変わっていません。

体組成計では筋肉量が増えているようです。

脂肪を燃焼するにはもっと走り込まないとダメなのでしょうか。

とりあえず、通勤時の小走りが軽く感じられるようになりました。

 

まだサーブとかスマッシュは習ってませんが、結構ラリーが繋がるようになってきました。来月には自分用のラケットを購入することにしました。

国産のラケットはしなる傾向で、グッと玉を押し込むような感じ、

海外のものは硬めで、体格の良い外人さんがバシバシ打ち込むイメージなのかな?

何本かレンタルラケットを使ってみて、上記のように感じています。

ラケットの重さ、ヘッドの重さ(重心の位置)、ラケットのエッジがラウンドかスクエア、面積、など色々な要素で選択するようです。

好きなデザインで選べないかもしれないのはちょっと残念かな。

まあ、性能は無視して見た目で選ぶって言うのもありかな?

知る人ぞ知らないデザインヲタクなのです。

 

何かを始めるのに遅すぎることはない!

そのような気持ちで色々なことにチャレンジしていく老人になりたいと思っています。

5月 19, 2023

てんかん。

今日の午後は土砂降りにもかかわらず、ほとんどの方が予約時間通りにお越しいただき、恐縮です。

怒涛の忙しさを毎日乗り越えているような、乗り越えられていないような、

短時間睡眠にも慣れてしまい、健康には良くない状況です。

でも書類作成は残業してほとんど溜め込まずに遂行できています。

帰宅後はマッハの速度で家事です。

太陽光で電気代をかけずに洗濯、乾燥したものをまずは畳みます。

衣類やタオルの畳み方は色々あると思いますが、一応一回はたたみのプロの技を習いました。

収納するときにとても美しく重ねることができる畳み方で、最初はやってみたものの、作業工程が多く、結局自分流の畳み方に戻りました。

洗濯物をたたみながらオンラインで研究会に参加。

忙しくても最新の知見をアップデートさせて診療に反映させるというクリニックの公約(モットー?)がありますので、

今日も慶應の研究会に参加。テーマはてんかんで、講師は尾久守侑(おぎゅう かみゅう)先生。

尾久 守侑先生は精神科医であり、詩人でもあり、多才で有名な若手の先生です。

彼の著書を拝読しましたが、今時の若者らしい独特のリズム感があります。

慶應精神科に入局されていますが、出身大学は横浜市大だそうです。

私にとっても知り合いの多い馴染みのある大学です。

横浜市大出身の先生には随分とお世話になりました。

 

話はそれましたが、今日はてんかんの話。

新規てんかん薬の復習に始まり、臨床てんかん治療について。

昔は精神科と神経内科は統合されていたので、精神科医も普通にてんかんの治療をしていました。

最近は神経内科が主体的に診療を行なっています。

ただ、精神科医がてんかん診療で必要とされる特殊な領域もあります。

誰が見てもわかるような痙攣発作は小児科や神経内科で診療を行います。

一見精神症状のようなてんかん発作を生じるものや、てんかん精神病、間欠期の精神症状などより高度な内容は精神科のてんかん専門医がみることになります。

これはてんかん診療の中でも高度な内容になるので、一般の精神科医はなかなか手が出しにくい状況にあります。

そのような状況もありてんかん診療をする精神科医は少なくなりました。

 

私も防衛大の吉野教授をはじめ脳波を懇切丁寧にご指導いただいたこともありますが、実際の経験症例が少なく、てんかん診療は諦めました。てんかんセンターなど専門的な機関で一定期間トレーニングをすることが必要なのでしょう。

私には時間が足りなくてそこまではできませんでした。

ただ、日常的にしばしばあるものの一例は、てんかんとPNES(心因性の偽てんかん)の鑑別が問題となるケースです。

本物の?てんかんなのか、

心因性の(解離性という)てんかんなのか。

短時間脳波をとったところで診断することは難しいのです。さらに言えば24時間脳波測定をしても確定診断がつかないことも少なくありません。

本来マークしていた発作ではない別の発作が出てきたタイミングでチェックされた脳波が正常だったので、「PNES」ではありません、などと誤診されてしまうのです。誤診というか、検査の限界といった方が正しいですね。

尾久先生の話では、結局てんかん治療の際、薬を増やすか減らすか変えるかなどの判断は、臨床症状によって決定するのであって、脳波を綺麗にするためにやるのではないし、脳波が汚ければすぐに薬増やすというわけでもない、と。つまり脳波を定期的に取れない環境でも十分に治療が可能なのではないかというご意見でした。

当院で積極的に診る予定はありませんが、実はてんかんだったという見逃しがないようなトレーニングはこれからも続けていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月 16, 2023

RーCT。

RーCT(リカバリーを目指す認知療法)について。

今日は慶應認知行動療法研究会で、なんと、大野裕先生のご講演を拝聴。

流石に多くの先生方が参加されていた。

研修医の時に大学で大野先生から認知行動療法を習って以来、認知行動療法が幾度となくブラッシュアップされ進化してきているのを目の当たりにしてきました。

昔のCBTとはちょっとニュアンスが変わったように思います。

歪んだマイナスの認知(ものの見方)を正しいポジティブな認知(ものの見方)に変える、などというものでは全然ないのですが、

結構誤解されています。

 

一般臨床のみならず、ウェルビーング向上のための考え方としてさらに普及していく可能性を感じました。

今もなお進化し先頭を走り続ける大野先生の熱量には圧倒されるものがあります。

 

私も大野先生が日本にCBTを普及させ始めてからずっと追いかけ学び続けているものの専門医取得を保留にしてきたのですが、今更ですが、専門医も取っておこうかな。

その際はどなたか報告ケースになってくださると助かります!

 

今日はここまで。

疲労と睡魔で限界です。

ちょっと書きたいテーマがいくつかあるのですが、忙しくてなかなか・・・