上尾メンタルクリニック

八木 上尾メンタルクリニック

7月 1, 2023

薔薇色の人生。

イブピアッツェ。

香水のような香りのするバラ。

昔バラガムってあったの知っている中高年の皆様はいらっしゃいますでしょうか。

ガムを噛むと汗がバラの香りになり、体臭が心地よいものになるとか、ならないとか。

好きでよく食べていたのですが、すぐに廃盤になってしまいました。

汗がバラの香りになった自覚はなかったですね、笑。

 

薔薇色の人生って言う表現、最近はあまり使わないですけど、

そんな人見たことないですね。

精神科医だから?

どんなに輝かしく見えても、それぞれ事情があります。

 

自分で自分のこと薔薇色の人生だな〜って思うのはとても良いと思いますが、笑。

 

 

6月 29, 2023

幸せ。

6月29日。

肉の日。

連想が、食欲丸出しでお恥ずかしい。

 

新宿で研修会があり、お腹が空いたので、昔訪れたことのあるブラッスリーに立ち寄った。

ちょっと贅沢な2500円のランチ。

でも、この物価高で、この美味しさで、2500円は破格だと思う。

家賃も相当高いはずで、赤字なのではないかと心配してしまう。

 

ラム肉と魚介グラタンのワンプレート。

カシスソースが香ばしく焼いたラムチョップによくあう。

パンにつけるオリーブオイルも絶妙に美味しい。

もちろん大人になってから初めて食べたものだが、

懐かしくて、温かい気持ちになった。

ぼっちであるが、素敵な時間を過ごせた。

ありがとう。

 

 

 

6月 28, 2023

それぞれの道。

研修会の会場で、親しい友人とばったり会った。

資格の更新のために私と同じように焦って研修実績のポイントを貯めていた。

 

彼は大企業のCEO、昔から話のスケールが大きかった。

有名人や成功した人がこぞって入居していた六本木ヒルズに若い頃から居住していた。

住人同士の交流もビジネスの成功に関係しているようだ。

彼は医者の免許も持っているし、その分野でも活躍していた。

しかし、法科学院に通って法律の勉強をしたり、ビジネススクールでMBAエッセンシャルも勉強。

経営者としての敏腕を如何なく発揮。

世のため人の為に事業を展開してきた。

今や彼は臨床で患者さんを診察することもないし、関連企業のトップらを招集し、経営の勉強会を開き更に企業の飛躍を追及。

昔はすこしとんがっていたけど(誰しもがそうだとは思うが)、今はとてもとても優しい。

生まれもいろいろ。

人生色々。

能力色々。

 

 

6月 19, 2023

どうなりたいか。

今日は診療直後より慶應認知行動療法研究会を聴講。

大野裕先生の鋭いコメントが冴え渡ります。

私も先輩方から指導を受けていた時に、患者さんの言葉の意味がイメージできるまで質問するということをトレーニングを通して学んできました。

経験の浅い頃は、患者さんの言ったことをそのまま鵜呑みにしてしまう傾向にあります。

わからないことをなんとなくわかったような気になってそのままにしてしまうことがあります。

どういう意味なのか、どうして言ったのか、情景が目に浮かぶまできちんと聴かないと、聞き流しているのと同じことになってしまいます。

そして、患者さんに聴かなければ行けないこととして一番大事なことは、

治療をして、どうなりたいのか、どんな風に生きていきたいのか、何をしたいのか、

きちんと聞いて共有できることはとても大事です。

患者さん自身どうなりたいのか考えていないことも少なくないのですが、

それがあるのとないのでは、治療の結果も異なるし、よくなる度合いも違うと思います。

「症状を軽くして健康になりたい」という先の

「症状が軽くなったら、どんなことをしたいのか?どんな風に生きていきたいのか?」

が重要なのです。

発達障害の傾向のある方は、将来を想像することが難しく、どうなりたいかがイメージしづらいこともあります。

症状が遷延する理由の一つはこの想像力の乏しさにあるのではないかと思います。

この辺りをどうするかもっと掘り下げて行きたいと思っています。

 

6月 16, 2023

大物との戦い。

今日はそろそろ卒業が視野に入ってきた患者さん数名の診察がありました。

辛かった以前を振り返って笑えるようになったことの喜びを共有し、今までよく頑張ってきた健闘を讃えました。

お世辞もあるとは思いますが、「辛い状況を乗り越えられたのは先生のおかげです」と実感を込めて言ってくださるのです。

嘘には敏感なので、多分(笑)本心から言ってくださっていると信じています。

 

公務員の方は、相当な地位のある上司から壮絶ないじめを受けていました。

どうしてそのような状況になったのかも詳細にしらべて理解しました。

休職をし、体調を整え、異動ができるまで耐え忍びました。

そしてその上司が定年退職し、やっと平和を手に入れたのです。

その間、反撃は行いませんでした。

あまりやりすぎると強硬な措置を取りうる(実際に法的措置の実績があり)ことはやんわりと警告しましたが、私自身も危うい状態に追い込まれたかもしれません。

おそらく私自身が被害者であったら反撃していたかもしれません。

しかし、その後の患者さんにとってのメリットデメリットを天秤にかけて、

こちらからの攻撃はせずに乗り越えました。

もし反撃をしていたら患者さんの心に新たなトラウマを作ってしまっていかもしれません。

 

患者さんは自分がどういう状態なのか関心をもち、一般の医師はどうして症状が出現したのか、その原因に関心があります。

しかし、私がもっと重要であると感じているのは、どうして良くなったのか、何がきっかけで症状が改善したのか、ということです。

これを評価することで、患者さんがその後強く柔軟に生きていくための力を得ることができます。

患者さんへの最大のプレゼントはそれなのではないかと思って、日々診療にあたっています。(これは本人には難しいことなので、主治医が重要な働きになると思います。)

 

全力で診療にあたってきて、感謝のお言葉を徐々に頂戴するようになったのは、今までの努力が結実してきたことの表れだと思っています。

直接のコミュニケーションはもちろん、Googleレビューでも是非!笑。(それかい!)

 

 

 

 

 

 

6月 15, 2023

今日も講演会。

今日は医局の1コ先輩の宗未来先生のご講演が聴きたくて、以前からリクエストしていました。

とてもユーモアのあるスライドを使って饒舌に面白くご講演されていました。

同じ医局の大野裕先生から認知行動療法を学び、水島広子先生から対人関係療法を学び、独自の精神療法を発展させていらっしゃいます。

薬物療法が主流の現在の精神医学において、精神療法(心理療法)に力を入れている大学は他にないのではと感じています。

精神分析の日本での第一人者である小此木啓吾先生は有名ですが、私の師匠は門下生としていつも小此木先生のご自宅で色々なことを教わっていたそうです。躁うつ病の研究で有名な下田光造先生も同じ医局の先輩で、精神療法に禅の文化を取り入れました。同じ医局には偉人たちからスピリッツを受け継いだ先生方もたくさんおられます。

若い頃、もっともっと先輩方に食らいついて教えていただくべきだったなと振り返ります。

丸山公園のカエルさん

 

6月 13, 2023

摂食障害。

オンラインで研究会に参加。

慶應児童精神医学研究会で現在の摂食障害の治療に関してのご講演。

遅い時間からのスタートなので時間的に忙しい開業医には助かります。

 

私が大学病院で研修医をスタートした時、慶應の精神科病棟は境界性パーソナリティ障害及び他院で手に負えなくて紹介されていらした摂食障害の患者さんで溢れていました。

研修医時代に一番思い入れのあった患者さんは摂食障害の中学生の女の子でした。

最大限の熱意を持って治療に参加していたので、患者さんにもご両親からも信頼していただいたと感じました。

私がバイクに乗って通勤しているとお話ししたら、白バイ隊員のお父様が大事なグローブを譲ってくださったこともよく覚えています。

今も元気にお過ごしのことと、思いを馳せています。

 

当時私の指導医にあたってくださった先生方は、今では全員が精神医学会の重鎮の先生としてご活躍です。

当時の摂食障害の治療としては斬新なIVHポートを使った治療を渡邊衡一郎先生が提案され、私も学会で発表させていただきました。

 

今回の摂食障害の治療は、昔と大きく変わった印象はありませんでしたが、

流派によって治療法は大きく変わるようです。

飢餓状態にある時は認知が歪んでいるので、精神療法はやっても効果がないということで、前半は再栄養を行動療法を用いて行うことが今も昔も一般的です。

また最近ではやはりASD(自閉スペクトラム症)と摂食障害の関連に関心が集まっており、治療法もASD有無で変えているスペシャリストもいます。昔は父親や母親との葛藤云々とか言われていましたけど、ASDではあまり関係がないかもしれません。親の関わり方の問題ではなかったのに、当時は指導されてしまったケースもあったかもしれません。

 

慶應の小児科では児童精神科の重鎮である渡辺久子先生が当時ご活躍されていた流れで、今は小児科で摂食障害を診ているのかもしれません。(間違っていたらごめんなさい)

 

摂食障害の治療には内分泌などの身体医学のかなり詳しい知識や治療技術が要求されます。

よって今も昔も、小児科、内科、精神科などが連携して治療ができる総合病院でないと、対応が難しい場合も多々あります。

 

私は摂食障害の治療経験があるからこそ、治療の限界もよく知っています。

その結果、当院では摂食障害の治療は行わないと決め、受け入れを行っていません。

摂食障害治療経験が生かされないのは残念ですが、なんらかの形で他の疾患の治療に役立っていることと信じています。

 

 

6月 13, 2023

まだ。

まだ、辞めませんよ、俺。。。

 

なんだか最近患者さんにとても感謝されることが多い。

今日も長年通院している患者さんから突然初めていただいた温かい感謝の言葉。

前医ではデパスの副作用でだいぶ悩まされていたようで、

当院に転院後いろいろと調整してすごく安定し、維持療法を続けていました。

薬の辞め時ってむずかしいのですが、その人の罹病期間、病気の平均罹病期間、服薬状況、発達特性、パーソナリティ特性などのほかに、今後その人がぶつかるであろう壁がどのタイミングでくるか、ライフイベントのインパクトを予想して判断します。

例えばご自身が幼少期、再接近期に母親との葛藤があったと想定される場合、ご自身がこどもを生んで母親になった場合、自分のこどもが再接近期に差し掛かった時に不安定になるだろうなとか。

この人は喪失体験に弱いから、今度は定年退職するときが危ないだろうなとか。

だいたいわかることがあります。

何年かまえに当院を受診していた女性の症状が落ち着いた時点で、次は出産後が危ないから整えていこうねとお伝えしていました。

しかし彼女はもうよくなったからと、自分で通院を辞めてしまいました。

結局出産後不安定となり、再初診を希望されました。

彼女はどうして私が予知していたのか不思議がっていましたし、私のアドバイスを聞いていればよかったとおっしゃいました。

 

上記のようにどういうときに具合が悪くなるか予測できることもありますので、治療に関しても、次のイベントを乗り越えるまではやっておこうなどと提案できるのです。

 

ハイ、自慢話、つまらないですね!笑。

じじいの昔話と自慢話、説教話は誰も聞きたくありません。

 

脱線しましたが、最近温かい言葉を頂戴し、まるで私が引退するのではないかというような雰囲気すら感じるというのは

私の被害妄想でしょうか、笑。

 

まだ辞めませんよ、俺。

私の第3章はこれからです。

(私が撮った写真ではありません。

登山が趣味の同期の写真です)

 

 

引退云々は冗談ですが、嬉しくて励みになりますね。

昔は患者さんにそういうことを言わせてはダメだとか、

そういうのをモチベーションにしてはだめだとか

自分を厳しく律してきましたが、

最近すこし丸くなってきたのかもしれません。

 

 

 

6月 12, 2023

初診予約がなかなか取れない理由。

  1. 本日も沢山の初診希望のお電話を頂戴いたしました。初診受け入れ中止のためがっかりさせてしまい大変申し訳ないことです。

だいぶ前にご予約いただいていた方の初診の診察もまだ続いています。初診再開までにはまだ時間がかかりそうです。通院中の患者さんのご家族などについてのご相談は診察の時にでもお伺いして当面の適切な対応を一緒に考えます。

繰り返しになりますが、当院の初診はかなり詳しい問診があります。

通常臨床心理士が毎週50分で1−2ヶ月かけてヒアリングするような内容を駆け足で60分(〜90分)で問診します。(相当端折ってはおりますが)人生のポイントとなるところを急ぎ足で振り返っていただきます。

病歴が長い人は特に人生の出来事と経過を時系列でまとめて来ていただけると、診断や治療の説明をする時間が確保しやすくなります。途中で切り上げないといけない時もたまにあります。まあ、そういう時は最初からわかっているので、できるとこまでやろうという考えに切り替えます。

ですから、ホームページにも記載してありますように、ご本人が受診に積極的でないかたや、あまりご自身のことを詳しく話したくないかたは受診されぬようお伝えしています。

私も一つのあたまでいくつもの思考をマルチチャンネルでめぐらせながら、全神経を集中させ診療しています。

なるべく早口にならないように、急かさないように配慮しつつも自分自身は脳みそ全速力ダッシュです。

今までもそうしてきましたが、診療は患者さんの同意が得られれば医療専門職の方で信頼できる方ならば見学も許可しています。

私の師匠もそうでしたし、公開しても恥ずかしくない診療を続けたいと思っています。

また、昔のような密室での診療は昨今問題が生じることがあります。

当院ではいつでもドアはオープン。スタッフの出入りもありますので、密室ではありません。

初診はかなりエネルギーをつかいます。

 

今日は大学の先輩であり、埼玉医大総合医療センターの吉益教授のご講演もありました。私が見上げるほどのご身長ですが、だれよりも紳士的で優しい先生なのです。知性があり頭が整理されている方には憧れます。

 

これから税理士との打ち合わせのための資料をつくります。

 

とにかく、好きなだけ眠りたい。

これが今の私のささなかな願いです。

 

追記:

上記事情もあり、私のモチベーション維持のためにも、本当に当院を受診したいとおもっている方を優先的に受け付けたいと思っています。いくつかのクリニックの予約をとっておいて、すぐに受診できるところに行き、それ以外を無断キャンセルする方もいます。また、治療をしっかり受けていくつもりがない方が「とりあえず」予約していくということもあります。お電話ですぐに見分けられるのですが、そのような方ほど食い下がって予約を取ろうとするのです。当院が損害を受けるだけではなく、本当に受診が必要な方の機会を失うことになります。モラルの問題もあり、キャンセル料をお支払いいただくなどのペナルティを課す以外に方法がないのが残念です。

6月 10, 2023

キュウキュウDAY。

今日もスケジュールがギュウギュウDAY。

しかも、突然のキュウキュウセンターから

キンキュウの診察の依頼。

人に重症の怪我を負わせた精神疾患の方を県知事の命令のもと

強制入院させるか判断する措置入院診察もありました。

 

さらに、他院で新事業を展開するということでご挨拶にお見えになりました。

昼休み返上です。

やはり診療後半、患者さん70〜80人を超えたあたりから背中と首がバキバキで頭がクラクラしてきます。

開業時に先輩からは真面目にやっていれば50人くらいで疲れるのでその位を目処にしたらよいのでは、とアドバイスいただいたことがあります。同感です。多すぎる患者数のクリニックは診察をしていなかったり、精神療法が全くなかったり、患者さんの財産となる診療情報提供書が一行だったりと、ひどいところが多いのです。

今週も目一杯働きました。

まだしばらくは初診受け入れは中止のままになりそうです。

 

あとまわしにしている仕事が頭をよぎります。

 

強い絆に感謝、弁護士先生とのお仕事、打ち合わせが早くできるように準備頑張ります!

(なんのこっちゃ?)

 

芍薬のボリュームがすごい!