たまたまテレビをつけたら、NHKで精神科のドラマが放映されていました。
Shrinkー精神科医ヨワイー(土曜22時〜)
内容的には10−15年前くらいの精神科医療のイメージでしたが、続きも見てみたいなと思うドラマでした。
精神科医ヨワイ先生役の中村倫也さんと
第一話のパニック障害の患者さん役の夏帆さんがハマり役でした。
看護師さん役の土屋太鳳さんはちょっと現実離れしていましたけど、笑。
当院ではパニック症、広場恐怖症の患者さんが非常に多いので、
ご覧になった患者さんは色々と共感できる部分もあったかと思います。
メディア露出度の高い心療内科チェーン店クリニックで、雇われ医師が患者さんに目もくれずPCだけをみてサクッと診察を終える場面、不安神経症などという曖昧な診断名で誤魔化す場面など、よくあった(今もある?)話ですね。
パニック症や広場恐怖の説明に関しては私が診察時に行うオリジナルの説明の方が創造的ではないでしょうか?(ご意見ください)
行動療法(暴露療法)に関してもオーソドックスな治療が描かれていました。
当院ではより早く確実に治療を進められるようにだいぶアレンジしたオリジナルの治療を行なっているので、「あれ?薬の使い方が違う」と思った方がおられるかもしれません。
ご自身の考えやネットの情報にこだわる方もいらっしゃいますが、騙されたと思ってまずは私の治療方針でやってみてくださいね。
看護師の土屋太鳳さんが患者さんに対して精神科医のことを先生と呼んでいました。
一般社会では会社員が対外的に自社の社長について話す時は名前を呼び捨てにしますね。
「社長の〇〇が・・・」
それに倣って、医療事務や看護師さんが自院の院長について「うちの〇〇が・・・」と呼び捨てにすべきだ、「先生などと呼ぶのはけしからん」という方もおられます。
確かに社会一般の常識からするとその通りなのですが、スタッフが「先生」と呼ぶのには色々な良い意義もあるのです。
精神科治療がうまくいく要素に、「若干のパターナリズム」「軽い陽性転移」が重要だと思っています。
当院ではクリニックは綺麗な現代風、治療内容は最先端、治療関係は古き良き昭和風のテイストも少し残しながら「こころの安全基地」の形成を目指しています。
コロナ禍、SNSの普及、戦争、日本国力の減衰などで世の中ずいぶんギスギスしてきました。
当院では治療契約を結ぶにあたって、信頼関係や治療同盟がどの程度共有できそうか電話の段階でアセスメントすることで、スムーズな治療を展開することに成功していました。
また、お金儲けに走らず、患者集めに奔走しないことで、一定の質を保つことにも成功していると感じています。
毎回しっかりと初診で深掘りすることで私自身の診断能力もこの10年でずいぶんと向上しました。
カルテの分量は他のどの精神科・心療内科にも負けないのではないかと自負しています。
ただ、このやり方では私自身がかなり消耗してしまいます。
先日、世界を股にかけるビジネスマンに言われてしまいました。
「そんな働き方していつまでやるつもりなの?自分がプレイヤーとして時間を奪われるのではなく、人を使ってまわるようなビジネスにしていかない」と。
ごもっともなんですが、そのようにやっているところはちょっとね・・・
といつまでも“貧乏お父さん“(という本があります)を続けてしまいます。
患者さんが良くなって、ありがとうと言われるとやっぱり嬉しいですよね。