対面でコミュニケーションを取った場合、相手の感情に共感すると、お互いに脳の活動が同期してくることがわかっています。
逆に、PC越しのコミュニケーションでは脳の活動の同期が起こらないこともわかってきました。
この観点から、オンライン診療が良いという人と合わないという人の違いを推察しました。
まず、精神科医の側から見た場合を考えてみます。
患者さんの感情を汲み取ろうと努力しながら診察している、いわば「感情労働」も含めた診察をしている医師の場合、
オンラインでは患者さんの感情を十分に共感できないので、汲み取ろうとするとストレスや不全感を感じ
疲労を強く感じるかもしれません。
逆に元々患者さんの感情に共感せずに、流れ作業的あるいはロボットのように診察している医師の場合は、オンライン診療で何も不都合を感じず、むしろ効率的に診療ができるのかもしれません。
感情の共有なしに科学的に事実だけを診ていくというスタンスの場合もやりやすいかもしれません。
患者さんから見た場合、例えば自閉スペクトラム症の傾向があるなど感情の共有が元々苦手な人の場合、対面は緊張するし、オンラインでも不都合を感じないかもしれません。
逆に感情の共有をしながら治癒していくタイプの患者さんにとってはオンライン診療では治療効果が劣るかもしれません。
またわざわざ出向いて受診するという行動そのものが治療のモチベーション、意識を高めて治療効果をあげていると私は実感しています。
私は感情の共有が治療を促進すると考えているので、対面診療が合っているかもしれません。
初診患者さん向けのコウルサイ能書を読んで受診してくださっている患者さんも相性のいい患者さんと言えるかもしれません。
私が共感できない患者さんの治療は難しいと感じています。
「誰でもいいから殺したい」とか「会社員として働いて給料も十分もらっているが、障害者年金をできるだけ高額にもらいたい」など
共感できない患者さんが今までにいましたが、治療同盟という仲間になれず、当院を去っていく人もいました。
そういうことも含めて対面ならではの医師と患者の心の動きがあって、当院ならではの治療環境が洗練されているように見えます。
オンライン診療はともかく、国は議論もさせずにDX化を急速に進めています。
患者さんの利益のためというのは表面的な嘘で、別の思惑があることは明らかです。
賛否あると思いますが、医療のDX化を強行する国の動きには疑問があります。
オンライン資格確認もシステムのエラーだらけ、保険証情報が間違っていたり、登録されていなかったり、めちゃくちゃです。
個人情報なんて全く守られないシステムであることもわかっています。
ひどい間違いが起きても誰も責任を取りません。
長くまとまりない文章になってすみません。