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カウンセリング

6月 10, 2023

メンタルクリニックは薬を出すだけ?

今日も忙しく後半は嫌な頭痛も出現。

60人を超えたあたりでキツくなってきたので、アセトアミノフェンを服用し、診療を続けます。

 

なんと、大谷翔平選手と想定外のつながりを持っている方もいて、大変驚きました。

世界は狭い!?

サインもらえないかな?笑

いやいや職権乱用はいけません。。。

 

 

3月から5月は転居によるお別れの季節です。

 

しかし、最近は転居後も当院に通院してくださる方が増えてきました。

東京から通院して下さる方、

はたまた広島や仙台、茨城、岩手、山形、千葉などからわざわざお越しくださる方もいます。

 

私にとっては想定外だったのですが、

そのような患者さんから言われることは、

「受診して話すとモヤモヤした不安が言葉になって消化されていく」

「色々な振り返りをできたことで自分のことが少しずつわかってきて、冷静に対処できるようになった」

「話しにくるのが楽しい」

とまで言ってくださるのです。

 

私はおしゃべりでもなく、話もつまらないのです。

ひたすら真面目にやっているだけです。

私はメェ医ですが、名医ではありません。

山羊さんメェ医です。

本気出してこれくらいのつまらなさです。

(長文です)

思えば、私の師匠は力動的精神医学と児童精神科を専門とされていました。

その影響で、開業時は患者さんの生い立ちとか心理学的なことにやや偏った診察をしていたように思います。

 

その後は認知行動療法の行動活性化、あるいは行動療法に力を入れたり、

マインドフルネスを一生懸命やっていた時期もありました。

患者さんと一緒にヨガをしたり、瞑想をしたりということも。

EMDRなどのトラウマ治療も勉強したり、

試行錯誤していました。

 

しかしどこかスッキリしない感じがあったのですが、

発達障害、あるいは非定型発達の理解が進むにつれて、

いろいろなパズルが解けてきたのです。

ここ数年は発達障害を理解しようと相当勉強してきました。

心理的に考えても仕方のない脳の発達特性と、その後の心の傷つきを丁寧に分解しながら理解を進めていくようになりました。

もちろん、まだ道半ばですが。

 

患者さんには、自分自身が不安を感じている、

あるいは傷ついているんだ、ということに気がついていない人も少なくありません。

言葉にならないモヤモヤしたものに、私が名前をつけてあげるのです。

「不安だったんだね」

「怖かったね」

「辛かったね」

「腹が立ったよね」

「悔しかったよね」

ピッタリくるまで、言葉を探りながら確認していきます。

特に非定型発達の人は自分の状態に気が付きにくい人が多いのです。

 

まずは、自分自身が不安であること、傷ついていること、それらをありのままに見るという行為が大変重要なステップになります。

マインドフルネスの一つのあり方と言えます。

 

そして、どういう経緯で傷ついたのか、どうして傷ついたのか、

何を失って、怒りや不安を感じているのか、

振り返っていきます。

もちろんPTSDの症状が強く出ている方にはあまり深く突っ込みません。

 

さらに、不安に対する心の守り方は人それぞれタイプが異なりますので、心の防衛方法についても明らかにしていきます。

これらを言葉にできるようになることは重要ですが、それだけでは十分ではありません。

文章にしたり図式化することで可視化します。

実はこの目的もあって、当院では予約表を連絡表がわりに使っています。

何も書かなくても結構ですが、上手に使っている方も少なくありません。

限られたスペースだからこそ威力を発揮します。

 

そういうことができるようになってくると、客観的に自分を見る力が醸成されていき、

それだけで不安に圧倒されなくなったり、傷の癒やしが始まります。

 

ここまで来れた方には、過去の傷つきを癒していく方法を共有していきます。

ケースバイケースですが、最終的に子供の頃に傷ついた自分を慰められるのは、大人になった自分です。

 

キャッチボールをしているうちに患者さんが成長し、一緒に成長している感覚が得られ私も喜びを感じます。

実は、開院当初からロゴに込めた当院の精神療法の柱としてポジティブセラピーを発展させてきました。

ポジティブサイコロジーやポジティブ精神医学の出現を知らずに私が独自に発展させてきたものです。

従来の認知行動療法のように患者さんの欠点やマイナスを指摘することも大事ですが、

ポジティブ感度を徐々に上げていけるように合いの手を入れるようにしてきました。徐々にタイミングがわかってきました。

もしかしたらこれが私の精神療法の中で一番治療的かもしれません。

 

私の精神療法の一例です。

 

これを行う素地を作るためには初診で60分以上詳細に問診する必要があります。当院では資料の読み込みなど合わせて90分は費やします。

(もちろん病気や人によって精神療法の内容は大きく変わります。)

 

上記のような精神療法が必要ない方も多いですし、IQの低い方は精神療法よりも環境調整が重要です。

また、安定していて維持療法の方にはドリフターズ外来(飯食ったか?トイレ行ったか?早く寝ろよ!のシンプルな診察)をすることもありますが、

診察の中では患者さんからの質問は必ずお答えします。

「わからない」ということもありますが、ご質問には正直にお答えしています。

「わからない」というのは現在の精神医学ではまだわかっていないこともありますし、

単に私が勉強不足で知らないということがあります。

どちらなのかはっきりお伝えします。

もし、私が知らないことで、患者さんの治療にとても重要な質問だと私が感じたら、宿題として持ち帰らせていただきます。

 

質問に対して答えないという精神科医はいるようですが、私は必ず答えてきました。

もし質問に答えてくれないという感想を抱いている方がいるならば、一部の強迫性障害の方かと思います。

強迫性障害あるいはASDの強迫・こだわりによって、毎回10個くらい詳細な質問をレポート用紙に書いてきて質問する方がいます。

治療の開始時点では全てお答えするかもしれません。

しかし、徐々に「質問を2〜3個に絞ってください」とお伝えします。

質問一つが大きなテーマの人は毎回一つに絞ってくださいと伝えます。

 

あなた一人に無限に時間を使えない(資源はみんなで分かち合っている)という現実検討を持っていただくためのメッセージでもありますが、強迫症の治療的な意味を考えての指示となります。

強迫症は物事が自分の思い通りにコントロール(支配)できないことに不安を感じる病気です。(不安を打ち消すために完璧にして心を守ろうとするのですが)

自分なりに完璧にしたいのです。

強迫症の治療は、完璧にしなくても大丈夫だという安心感を手に入れることです。

世の中は思い通りにならない、支配できないものだと理解してもらうことが重要です。

10個の質問(不安に感じていること)を毎回解消させてスッキリするということを繰り返していても、

よくなりません。

全部は解消しない、少しモヤモヤした状態、少し不安な状態のまま耐えるという練習が必要なのです。

そのような意味があって、質問を2−3に留めて、あとはモヤモヤしたまま次回までとどめてくださいと伝えるのです。

ご説明しても納得されない方の場合は、「質問にも答えてくれない!」と攻撃的になってしまうのです。

信頼関係ができないのですが、当院では去る者負わずの姿勢です。(逆に他院にかかっている人に治療を開始して患者さんを手招きするということもしません。)

 

詳しく説明していくと精神療法の受け答えには一つ一つ意味があることが多いのです。

 

短時間でも意味のあるやり取りだとわかってくれる患者さんはどんどンよくなるし、

転居しても続けたいと言ってくださるのかなと思いました。

 

当院の治療ポリシーとして、心理士のカウンセリングは行わないと明記しています。

さらに精神科医によるカウンセリングも特殊な例を除いてやらないと明記しています。

カウンセリングと精神療法を私なりの表現で区別しています。

精神療法は通常の診療費用の中で、言葉による治療を意味します。

カウンセリングは(現在のところ)自費で構造を決めて(毎週何曜日の何時から何分とか)

行います。カウンセリンぐはどんなスタイルがあっても良いし、ただ愚痴や話を聞くだけというのも実際に少なくありません。

精神療法はなんらかの治療効果を期待した対話による診療なので、ただ一方的に話を聞くというのは治療ではないと思っています。

 

精神療法の範囲内でできることと、要求されてもできないことがあります。

急性期で症状が重い場合は、カウンセリングに近い形では精神療法は行いません。

勘違いしている方が多いのですが、うつ病の急性期に認知行動療法は行いません。

また、初診1回で問題を解決することを期待している方もおられますが、それができるような内容はもはや病気ではありません。

とりあえず1回だけかかりたいという方は遠慮していただいています。

 

他の精神科機関では、初診3分でパッと薬だして(精神療法をやらずに精神療法費用を請求して)おしまいというところも時々あるので、開院当初は話を聞いてもらいたい人は当院にいけと回されてくる人も多かったのです。

しかしその中のほとんどの人が精神療法を望んでいるわけではなく、ただ文字通り話を聞いてほしいとか

カウンセリング的な内容を求めている人がほとんどでした。

話を聞いてほしいという人が殺到してしまい、交通整理が大変でした。

無駄な労力で疲弊してしまうので、その辺を解決するために

「カウンセリングを行なっていない」と明示したのです。

とにかく話を聞いてほしいという方には「ご期待に添えない」とお伝えしてきました。

 

お電話の段階で、その方が何を望んでいるのかわかるようになったので、

今ではほとんどミスマッチは生じなくなってきました。

 

精神科って難しいと思いませんか?

 

 

 

 

 

 

 

9月 27, 2022

一番つらい喪失体験は。

今まで数え切れないほどの方達からお話を伺ってきた。

初診だけでも1人平均1時間。

 

学生さんたちに教える教科書には、

人生の中で最もストレスになる体験は何かという

ランキングとインパクトの表が書かれている。

それはさておいて、私が臨床経験の中で一番つらい喪失体験はこれではないか、と思うものがある。

 

それは、不慮の事故などで愛するこどもを失う親の悲しみだ。

いろんな方の悲しみを受け止めているともらい泣きするのを堪えることはよくあるが、

この悲しみだけはいつも涙を止められない。

私が経験したからというわけではない。

 

開業して間もない頃、もう少し時間的に余裕があった時は、そのような親を私自ら毎回十分に時間をかけてカウンセリングしていた。喪の作業を一緒に行い、1年くらい経つと、「やっとこどもが残してくれた愛を糧に生きて行く、自分なりに折り合いをつけていける気がしてきました」と卒業されていった。

しかし、たった1年では喪失の悲しみは癒えない。私は一番しんどい時に少しだけ寄り添ったにすぎない。

 

今も何人かお子さんを事故や急病で亡くした方が通院しておられる。

毎年毎年、事故の日、お子さんの誕生日、お盆、そのほかお子さんに関連した日が近づくと気持ちが不安定になる。

変な命名だと思うが、これを「記念日反応」という。

 

私はそれぞれの患者さんの「記念日」を記録し、そのタイミングに近づくとより一層注意深く診察を行うようにしている。

「なんでもないです」とおっしゃるが、言葉にはしないものの目を合わせ(心の中で)「しんどい時期ですね」とゆっくり頷くと、患者さんの目が赤くなって涙がこぼれ落ちる。

抑圧しすぎず言語化していった方が良いと思う。

 

こどもを失う親の悲しみほどつらいものはないと思う一方、

幼い子を残して急逝する若い親の無念もつらい。

 

「パパの愛はずっと残っているからね」

残された幼な子にはこう伝えたい。

 

 

*現在当院ではカウンセリングをおこなっておりません。毎回じっくりとお話することをご希望される方は他の機関をおすすめしています。

 

 

 

11月 7, 2018

ほんとに難しいカウンセラー選び。

ときどき、カウンセラーにかかっていたが、どんどん具合が悪くなるので心配になって精神科を受診にきた、という方が見えます。

なるほど、診断名は特に言われず、深いところまで分析しているわけでもない。

それなのに、薬は飲んではいけない、逃げないで!と曝露療法を指導。とても真面目なクライアントは根性でつらい症状を克服しようとしてどんどん追い込まれ、トラウマを上塗りしてしまっていました。

カウンセリングにも副作用があります。

カウンセラーには処方権がないのですが、中には薬を否定することで自分たちの存在感を大きくしようというカウンセラーもいます。

ひどい場合は不適切なカウンセリングで精神錯乱にまで追い込まれることがあります。

とても難しいカウンセラー選び。

トラウマ治療、分析的考えあるいは認知行動療法的な考え、薬物療法に対する理解などができることなど、標準的なカウンセラーに必要な資質がいくつかあります。

カウンセリングにはカウンセリングの副作用があるので、この辺りをきちんと説明できるカウンセラーを選びましょう。

*ちなみに、当院では、カウンセリングは行っていません。それゆえ、最初から薬は絶対飲みたくない!とにかく話をじっくりきいてほしい!というスタンスの方は、いらしていただいても治療になりませんので、他の機関に相談するよう振り分けています。しかしそういうないものねだりされる患者さんは不幸な転機をたどってしまいます。夢のような魔法なんてないということを知るべきでしょう。我々精神科医は、あなたの良くなりたい!という想いをサポートする医療的手段を提供します。それ以外の手段をご希望の場合はお役にたてません。言っても受け入れられないとか、うまくいかない人は「薬に頼らず元気100%に状態に戻る」というご要望が現実と釣りあているかどうか再度検討しましょう。

5月 31, 2018

教育的セラピー。

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今日は往復4時間電車に揺られ、某所にセラピーを受けにいきました。

今回は私はカウンセリングするほうではなく、されるほうです。

精神分析をやる人は、セラピスト自身の中の歪みを明らかにし、患者の問題ときちんと区別できるようにするために、教育的分析を受けることがあります。

精神分析的精神療法の専門家になるつもりではありませんが、私も数年前にやってもらいました。

自分の生い立ちからすべて話しました。

逆境体験が自分に及ぼしている影響を整理していきました。

自分自身のことや両親の問題など客観的に見えるようになりました。

 

数年経過し、またいろいろな体験をし、心の中に溜まってきたものを整理しメンテナンスすることが必要だと思い、尊敬するスーパーバイザーに私のカウンセリングをお願いしました。今回は精神分析とは異なる手法で、ただ整理するだけではなく、よりよい変化をもたらす可能性があります。今回のセラピーを乗り越えれば私はまた新しい自分に出会えるのではないかと楽しみです。それは私の患者さんへの治療にもきっと良い影響を及ぼすと信じています。古き良きものも大切にしますが、常に新しいものを取り入れ、より良い治療を目指していきたいと思っています。

 

セラピーを行う者は人格的に統合された者でなければ、セラピーをうけた患者さんに悪影響を及ぼします。

セラピスト自身がパーソナリティ障害と診断できてしまうほどの状態では心理的な援助職はやらないほうが良いと言われます。

カウンセリングも一歩間違えば返って心の傷を大きくすることもあります。

そうならないために、治療者自身も定期的に自分自身の歪みや課題をチェック、メンテナンスをするべきだと私は思っています。

逆境体験があってもある程度消化できている状態でないと患者さんに悪い影響を及ぼします。

「辛い体験をしたことがあるから、患者の気持ちがわかる」 というだけでは危険です。たまにそういう売りで、カルト宗教まがいの治療を行なっているところがあるので本当に気をつけたほうが良いです。

 

今日は疲れました。

皆さん初診で受診された日はお疲れなんだな、と再認識。

 

※当院ではカウンセリングをおこなっていません。毎回長時間じっくり話を聞いてほしいという方はお断りしています。保険診療では難しいので、公的な機関にかかられるか、現実的には自費でのカウンセリングをおこなっているところを当たっていただくことになるかと思います。なお、近隣で提携しているカウンセラーもおりませんので、ご自身で探していただくことになりますのでご了承ください。

※私には私なりの歪みがあり、相性が良くない患者さんもいます。お電話の段階ですぐにわかることがありますので、他の機関をお勧めすることがあります。外在化・攻撃性の目立ったパーソナリティ障害の方は当院での治療は困難です。そのような方ほど他をお勧めした際に激しく怒りを示しますが、いくら責め立てても回答は変わりません。対応する能力のないところで診てもらってもご本人にもメリットはありませんので、絡むのはやめてくださいね。

 

 

9月 13, 2017

初診のお申し込みの前に必ずお読みください。

当ホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。

初診をご希望されているということは、何かお困りのことがあると存じます。

お困りの方に対して親切でありたいと日々思っております。

一方で医療に対する要求水準は年々高まっており、過度な期待をお持ちの方もいらっしゃいます。

病気として保険診療で対応できる部分と、そうでない部分もあります。

当院ではお電話で詳しくお話を伺い、当院で対応可能かどうか判断させていただきます。

お電話で詳しくお話しになりたくない方は当院へのご相談をご遠慮ください。

当院でお役に立てないことがあることに関しては私にとってもつらいことなのですが、全ての方の安全基地になれるというわけではありません。

ご要望内容が当院の対応範囲を超えていると判断した場合はお断りさせていただきます。

紹介状があってもお受けできないことがあります。

どなたでも、勇気を出して電話をかけたのに対応が難しいと言われたら良い気持ちはしません。

そのようなことを少なくするために事前にご理解いただきたいことがあります。

長文ですが、当院のポリシーを記載いたします(おもに当院の限界のお話です)。

 

✔当院は完全予約制となっております

初診診察に必要な時間を確保するために、再診の方がご予約を入れることが出来ない枠を作っています。

1日に確保できる枠は限られますので、ご予約が先になる場合が常態となっております。(2−3ヶ月間の予約が埋まると、予約の受付自体をしばらく中止にしています。)

当院では初診をとても大事なセッションと考えています。

初診をいい加減に行うことでボタンの掛け違いが将来取り返しのつかない事態を引き起こす可能性があるからです。

当院では診療の質を維持するために初診予約制を固持しています。

貴重な時間を確保しているために、初診を無断でキャンセルされた方は信頼関係を築くことが難しいと判断し、その後の診察はできません。

 

タイムリーな診療も大切なことです。予約が要らない即日初診受け入れ可能な施設は大変貴重な存在であることも間違いありません。

専門を極めた診療を半年以上の予約待ちで、数万円の自費で行なっている施設もあります。

いろいろな機関があり、良い悪いだけではなく何を優先させるかの問題となります。

✔️当院のキャパを超えた患者数を受け入れてしまうとお一人お一人の診療の質が低下してしまいます。ご予約が混み合って来た場合、初診の受付を休止する場合がございます。タイミングの問題でお断りせざるを得ないことがあります。申し訳ございません。

✔初診の申し込みのお電話をいただく前に、ホームページの「受診の流れ」をご熟読、当院の趣旨にご同意の上お電話をください。

お電話でご本人から詳しくお話をお伺いします。ご本人以外からのご相談は承っておりません。

最初にお断りしているのですが、「どうして電話でこんなこと話さなければいけないのか」と怒り出す方がおられますが、

詳しくお話をお伺いして当院で対応可能か、あるいは他の機関が適切か、保険医療での対応範囲かどうかなど総合的に判断させていただいています。

この方式はのちのちの診断や治療にとても重要な手がかりとなるため、省くことは致しません。

さらに、診察では診断や治療に必要なさらにプライベートなことを伺っていきます。

お電話で詳しくお話しになりたくないようでしたら、他の機関でのご相談をお勧めいたします。

言いたくないことはあっても構いませんが、秘密主義が行き過ぎる人は治療になりません。なかなか治療が進展しない方に大きな隠し事があったということはしばしば見られることです。

もちろんトラウマに関わることはデリケートに扱うように注意しております。

また、ご家族からのご相談は受けておりませんので、家族相談を行っている別の機関にご相談ください。

 

✔お話を伺ったあと、当方でお電話でのやり取りの様子や内容などを確認します。医師が診察の合間を縫ってチェックさせていただきますので、その間はお待ちいただき、再度お電話をかけ直していただきます。このシステムにもご納得いただけない方は当院へのご相談をご遠慮ください。

お電話のやり取りで、電話対応者に高圧的な態度をとられたり、無理な要求をされるかたは、治療をお断りします。精神科の治療ではとくに信頼関係が大切になってきます。最初から不信感が強かったり、攻撃的なかかわりがありますと、良好な治療関係ができないのは明白です。ボタンの掛け違いどころか、ボタンをかけることすらできません。

お電話の段階でトラブルになる方は初診をお受けすることができません。(ごく普通のやり取りでトラブルになることはありません。一部の方です)

それに私はスタッフをとても大切にしています。スタッフに暴言などを浴びせる方は許容いたしません。DVや虐待防止は自らのクリニックから行うべきと考えております。

 

✔「とりあえず一回だけ話を聞いてほしい」という方もたくさんいらっしゃいます。セカンドオピニオンも含め、医療相談的な内容は対応しておりません。申し訳ございません。

✔初診予約の順番、待機期間につきましては、ご相談内容によって診察に必要な時間枠が異なります。予約の順番と予約できる枠が前後することがございます。

ですから、初診の予約待機期間のだいたいの目安はお伝えできますが、具体的な初診待期期間は内容をお伺いしてからでないとお答えできませんお話をお伺いする前に「初診はいつになるのか」と具体的な初診待期期間について明らかにするよう強く追求される方は、即日受診可能な他の機関にご相談ください。

✔️身の上相談、近隣トラブル、離婚や不倫など夫婦関係の相談、恋愛相談、育児相談などをメインの主訴とされる内容は扱っておりません。よくわからない時はお電話で治療対応可能な範囲かご相談ください。基本的に精神科医はカウンセラーではありません。私の人格が優れているわけでも、経験が豊富なわけでもありませんので、アドバイス的なことはご期待なさらないでください。

✔「とにかく話を聞いてほしい」という主訴がメインの方は当院ではお受けしておりません。深い理由がありますが、一般の方には難しいので詳しくは省かせていただきます。もちろんお話の内容から言語表出を促した方がよいと当方が判断する方は例外です。なお、当院では病気や薬についてのきちんとした説明は当たり前の前提です。診療に必要なことはこちらから質問させていただきます。話を聞いて欲しいのか、症状を治療したいのか混同されているかたが時々いらっしゃいます。とにかく話を聞いて欲しい!いう方は他の機関をご利用ください。

また、当職は人間サンドバックではありません。今までの人生で積み重なった怒りを目の前の私にぶつけられても困ります。

✔️診断書目的の受診はお断りする場合があります例えば、ご本人が治療を必要としないのに休職の必要性を証明するよう要求される場合、事実関係を把握できない内容に関して訴訟のために本人の一方的な訴えに沿った内容の診断書を要求する場合、適応ではないのに障害者年金を得るための診断書を要求する場合、勤務先にサボタージュや特別な待遇を受け入れさせるための目的の診断書を要求する場合など。そのような疑念が生じると判断した場合はご希望内容の診断書作成に一切応じられません。目的を達成するために、受診者がご本人にとって都合の良いことしかお話にならないことがあります。偏った情報の中でニュートラルな判断ができないため、公文書である診断書を受診者の求めに応じて発行するということはできません。当院では診断書目的の受診には基本的に応じない方針としました。不当に診断書を利用する行為は詐欺となりますので、通報する場合があります。

 

✔人格障害(パーソナリティ障害)の治療は当院ではできません。お電話の内容から人格障害であると判断した場合はお断りいたしますが、ご本人が自覚されていないことが多いので、受け入れが難しい根拠をお伝えできない場合があります。

私の経歴上パーソナリティ障害の方を救急医の立場からも精神科医の立場からも診察していたことがありますが、私の治療スタンスとは相性がよくないことが多いと感じてきました。自分のよくない点を治したいのか、周りをコントロールしたいのか混同されている方がいます。治療目的が共有できず、安全基地も壊されてしまうことがあります。申し訳ありませんが、私にはパーソナリティ障害を治療する能力が足りません。当院での治療をご希望されてもご本人にとって有益になりませんので、パーソナリティ障害の治療ノウハウのある機関をお探しになることをお勧めいたします。不適切な治療を受けてこじれてしまうことは避けたいものです。

✔️攻撃性や暴力性が著しい方の治療は当院ではできません。当院は通院されている方の安全基地として在りたいと考えています。怒鳴ったり、物を壊したり、騒いだり、暴力を振るうことは他の患者さんの脅威となります。静かで穏やかなクリニックであり、そこが当院の良い特徴としたいのです。

✔️お薬をどうしても使いたくないとおっしゃる方もおられます。症状内容によっては治療がうまくいかない場合があります。

また、服薬に対する構えは、対人関係における大事な意味合いを持つことがあります。お電話で必ず「服薬に抵抗感があるかどうか」をお伝えください。

悪い意味での「薬漬け」は当院でも反対の姿勢ですが、最初から薬無しでの治療に拘っていらっしゃる方は、「薬に頼らない治療」を謳っている機関などにご相談ください。

逆に大量の薬を希望される方も受け入れが難しい場合もございます。薬を指定して強く処方を要求する方も薬物依存の可能性があり、当院での治療ができません。

 

✔すでに当院に通院されている方のご家族が受診を希望される場合、お引き受けできるケースとできないケースがあります。

夫婦関係でもめている場合の配偶者、親子関係で葛藤がある場合の親または子などはお引き受けできません。

弁護士が係争中のお二人を同時に弁護できないのと同じように両者の立場にたってご支援することができないからです。

 

✔医師を診察させていただくこともありますが、守秘義務を守りながら医師としての活動でお会いしたりする場面など

治療関係との両立がとても難しいことがあります。

ご相談内容にかかわらずお断りさせていただくこともございますので悪く思わないでください。

いきなり診察ではなく、私に関係者を通して直接個人的にご相談される場合は可能な範囲でお答えします。

 

✔土曜日は大変込み合います。初診後間もない方や、おりいった話がある方など特別な診察時間をご希望の方は土曜日を避けていただきますよう

お願い申し上げます。事前にお伝えくだされば、医師が必要と判断した上で時間調整させていただきます。

 

✔上記の「他の機関」は特定の機関を示していません。保険医療機関に限りません。

お電話でご相談内容をご専門とする他の特定の機関をご紹介することもありますが、

それぞれの機関にはそれぞれのポリシーがありますので、当院で他の機関の受け入れ状況は分かりかねます。

ご自身でお探しいただき直接ご相談していただくようお願いしております。

 

初診でボタンの掛け違いを少なくし、同じ方向を向いて治療を共有していけるかどうか、大変重要なことです。

どのようなご希望があるのか、詳しくお聞かせください。当院を安全基地とされる方とそれが難しい方がいらっしゃると思いますが、当院の安全基地に入れなかった方も当院以外の安全基地があるはずです。がっかりしすぎないでいただきたいと思います。

こちらで対応できないのは、あなたのせいではなくて、当院の対応能力の限界によるものです。

当院を安全基地とされた方には家族同様の思いやりを持ってお役に立ちたいと心より思っています。

どうぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

院長