Written by 上尾メンタルクリニック
最近、コロナ後遺症ではなくて、コロナ禍の後遺症と思われる患者さんとしばしば遭遇する。
コロナ後遺症は、コロナ感染後に味覚障害や遷延性の咳嗽、そのほかコロナ感染後の炎症の傷跡、あるいは過剰な免疫反応などの結果もたらされるさまざまは体調不良である。
私はコロナ禍の後遺症だと思っているのは、
コロナ禍で得体の知れないウィルスと戦っていた医療従事者や介護施設に従事していた方々あるいは保健師さんだ。
彼ら、彼女らは、当初は自分自身も命を奪われるかもしれないという恐怖の中、また自分がコロナにかかって周りに迷惑をかけないように、常に気を張っていた。
厳戒態勢の中、労働時間も不規則で長時間にわたっていた。
コロナ禍前半では、ひとたびコロナのクラスターが発生すると「とんでもない落ち度があった」ように言われたりした。
元々真面目で愚痴も言わずに頑張るタイプの人は、その頃からパニック症や身体症状症を発症することも珍しくなかった。
当時、やっつけの治療を受けていた人たちが今になってきちんと治療を受けて、「また普通の生活がしたい」と当院を受診してくるのである。
続く