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精神科

12月 18, 2023

わざわざ。

バリバリのビジネスマンでもないのに毎日メールが100件近く届きます。

さばききれないので、DMは極力受け取らないようにしているし、配信中止の手続きを行なってなるべくメールの数は減らすようにしています。

中には知人からのディープな相談だったり、返信内容を考えるのにとても時間がかかるものもあります。

バタバタしていると返信し忘れてしまうメールがあったり、見逃してしまうことも時々あるのです。

 

事業主なのでGoogleビジネスを管理しているのですが、Reviewがあるとメールに着信があります。

先ほど見過ごしていたそのメールに気が付き、確認しました。

当院を評価してくださるレビューは、レビューするのが趣味な人がついでに書き込んだような体ではなく

わざわざ私にメッセージをくださるためにアカウント作って手間暇かけて書いてくださっている感じがとてもするのです。

これはかなり心が温まりますね。

正直本当に嬉しいです。

 

この方がよく理解してくださっているな、ということの一つに

「はっきりと言う」という点があります。

意識してはっきり説明するようにしています。

はっきり言うと傷つく場合もありますが、

そうしないと伝わらないことが多いのです。

患者さんが自分のことを理解できるようになることは患者さん自身の力になります。

治療の過程で明らかになって、このタイミングだと思った時に共有していけるよう気を配っています。

 

もちろんわからないこともありますが、当院ではできるだけ初診時に見立てをはっきり説明するし、質問をいただいたらできる限りの説明を怠りません。(1回に10個とか質問される方も居ますが、それはごめんなさい、全部は答えられません)

 

上記の点をご評価いただき、よく気がついてくださってわざわざ手間をかけてお伝えいただき大変励みになります。

至らぬ点も少なくないと思いますが、これからも力を尽くして参ります。

心より感謝申し上げます。

11月 21, 2023

安全基地へ。

心の安全基地へ。

 

開院のテーマ。

その想いは果されているだろうか。

 

あう人も

あわない人もいた。

 

どこに行ってもアタッチメントが形成し難い人もいる。

 

しかし、自分なりの精一杯の誠意で真面目に続けていれば、

安全基地になれた、そう実感できる人が増えてきた。

人の苦しみを聴き続けていると

2次的に自分の心も傷つく。

共感ってそういうことだと思う。

 

真面目にやっているととてもしんどいけれど

安全基地になると

こちらも癒される。

 

一緒に喜べる時が来て、

一緒に味わうことがエネルギーとなる。

 

感謝の言葉は

有り難く

ありがたく

心を熱くする。

 

だからこれからも続けようと思う。

9周年。

 

10周年までには第3章を結実させたい。

 

素敵な素敵なお祝いを

ありがとう。

クリニックにとても合っています。

とても苦しい1年だったと思いますが、

よく乗り越えましたね。

 

大切なものを思い出して

人は強くなる

上尾みつを。

6月 10, 2023

メンタルクリニックは薬を出すだけ?

今日も忙しく後半は嫌な頭痛も出現。

60人を超えたあたりでキツくなってきたので、アセトアミノフェンを服用し、診療を続けます。

 

なんと、大谷翔平選手と想定外のつながりを持っている方もいて、大変驚きました。

世界は狭い!?

サインもらえないかな?笑

いやいや職権乱用はいけません。。。

 

 

3月から5月は転居によるお別れの季節です。

 

しかし、最近は転居後も当院に通院してくださる方が増えてきました。

東京から通院して下さる方、

はたまた広島や仙台、茨城、岩手、山形、千葉などからわざわざお越しくださる方もいます。

 

私にとっては想定外だったのですが、

そのような患者さんから言われることは、

「受診して話すとモヤモヤした不安が言葉になって消化されていく」

「色々な振り返りをできたことで自分のことが少しずつわかってきて、冷静に対処できるようになった」

「話しにくるのが楽しい」

とまで言ってくださるのです。

 

私はおしゃべりでもなく、話もつまらないのです。

ひたすら真面目にやっているだけです。

私はメェ医ですが、名医ではありません。

山羊さんメェ医です。

本気出してこれくらいのつまらなさです。

(長文です)

思えば、私の師匠は力動的精神医学と児童精神科を専門とされていました。

その影響で、開業時は患者さんの生い立ちとか心理学的なことにやや偏った診察をしていたように思います。

 

その後は認知行動療法の行動活性化、あるいは行動療法に力を入れたり、

マインドフルネスを一生懸命やっていた時期もありました。

患者さんと一緒にヨガをしたり、瞑想をしたりということも。

EMDRなどのトラウマ治療も勉強したり、

試行錯誤していました。

 

しかしどこかスッキリしない感じがあったのですが、

発達障害、あるいは非定型発達の理解が進むにつれて、

いろいろなパズルが解けてきたのです。

ここ数年は発達障害を理解しようと相当勉強してきました。

心理的に考えても仕方のない脳の発達特性と、その後の心の傷つきを丁寧に分解しながら理解を進めていくようになりました。

もちろん、まだ道半ばですが。

 

患者さんには、自分自身が不安を感じている、

あるいは傷ついているんだ、ということに気がついていない人も少なくありません。

言葉にならないモヤモヤしたものに、私が名前をつけてあげるのです。

「不安だったんだね」

「怖かったね」

「辛かったね」

「腹が立ったよね」

「悔しかったよね」

ピッタリくるまで、言葉を探りながら確認していきます。

特に非定型発達の人は自分の状態に気が付きにくい人が多いのです。

 

まずは、自分自身が不安であること、傷ついていること、それらをありのままに見るという行為が大変重要なステップになります。

マインドフルネスの一つのあり方と言えます。

 

そして、どういう経緯で傷ついたのか、どうして傷ついたのか、

何を失って、怒りや不安を感じているのか、

振り返っていきます。

もちろんPTSDの症状が強く出ている方にはあまり深く突っ込みません。

 

さらに、不安に対する心の守り方は人それぞれタイプが異なりますので、心の防衛方法についても明らかにしていきます。

これらを言葉にできるようになることは重要ですが、それだけでは十分ではありません。

文章にしたり図式化することで可視化します。

実はこの目的もあって、当院では予約表を連絡表がわりに使っています。

何も書かなくても結構ですが、上手に使っている方も少なくありません。

限られたスペースだからこそ威力を発揮します。

 

そういうことができるようになってくると、客観的に自分を見る力が醸成されていき、

それだけで不安に圧倒されなくなったり、傷の癒やしが始まります。

 

ここまで来れた方には、過去の傷つきを癒していく方法を共有していきます。

ケースバイケースですが、最終的に子供の頃に傷ついた自分を慰められるのは、大人になった自分です。

 

キャッチボールをしているうちに患者さんが成長し、一緒に成長している感覚が得られ私も喜びを感じます。

実は、開院当初からロゴに込めた当院の精神療法の柱としてポジティブセラピーを発展させてきました。

ポジティブサイコロジーやポジティブ精神医学の出現を知らずに私が独自に発展させてきたものです。

従来の認知行動療法のように患者さんの欠点やマイナスを指摘することも大事ですが、

ポジティブ感度を徐々に上げていけるように合いの手を入れるようにしてきました。徐々にタイミングがわかってきました。

もしかしたらこれが私の精神療法の中で一番治療的かもしれません。

 

私の精神療法の一例です。

 

これを行う素地を作るためには初診で60分以上詳細に問診する必要があります。当院では資料の読み込みなど合わせて90分は費やします。

(もちろん病気や人によって精神療法の内容は大きく変わります。)

 

上記のような精神療法が必要ない方も多いですし、IQの低い方は精神療法よりも環境調整が重要です。

また、安定していて維持療法の方にはドリフターズ外来(飯食ったか?トイレ行ったか?早く寝ろよ!のシンプルな診察)をすることもありますが、

診察の中では患者さんからの質問は必ずお答えします。

「わからない」ということもありますが、ご質問には正直にお答えしています。

「わからない」というのは現在の精神医学ではまだわかっていないこともありますし、

単に私が勉強不足で知らないということがあります。

どちらなのかはっきりお伝えします。

もし、私が知らないことで、患者さんの治療にとても重要な質問だと私が感じたら、宿題として持ち帰らせていただきます。

 

質問に対して答えないという精神科医はいるようですが、私は必ず答えてきました。

もし質問に答えてくれないという感想を抱いている方がいるならば、一部の強迫性障害の方かと思います。

強迫性障害あるいはASDの強迫・こだわりによって、毎回10個くらい詳細な質問をレポート用紙に書いてきて質問する方がいます。

治療の開始時点では全てお答えするかもしれません。

しかし、徐々に「質問を2〜3個に絞ってください」とお伝えします。

質問一つが大きなテーマの人は毎回一つに絞ってくださいと伝えます。

 

あなた一人に無限に時間を使えない(資源はみんなで分かち合っている)という現実検討を持っていただくためのメッセージでもありますが、強迫症の治療的な意味を考えての指示となります。

強迫症は物事が自分の思い通りにコントロール(支配)できないことに不安を感じる病気です。(不安を打ち消すために完璧にして心を守ろうとするのですが)

自分なりに完璧にしたいのです。

強迫症の治療は、完璧にしなくても大丈夫だという安心感を手に入れることです。

世の中は思い通りにならない、支配できないものだと理解してもらうことが重要です。

10個の質問(不安に感じていること)を毎回解消させてスッキリするということを繰り返していても、

よくなりません。

全部は解消しない、少しモヤモヤした状態、少し不安な状態のまま耐えるという練習が必要なのです。

そのような意味があって、質問を2−3に留めて、あとはモヤモヤしたまま次回までとどめてくださいと伝えるのです。

ご説明しても納得されない方の場合は、「質問にも答えてくれない!」と攻撃的になってしまうのです。

信頼関係ができないのですが、当院では去る者負わずの姿勢です。(逆に他院にかかっている人に治療を開始して患者さんを手招きするということもしません。)

 

詳しく説明していくと精神療法の受け答えには一つ一つ意味があることが多いのです。

 

短時間でも意味のあるやり取りだとわかってくれる患者さんはどんどンよくなるし、

転居しても続けたいと言ってくださるのかなと思いました。

 

当院の治療ポリシーとして、心理士のカウンセリングは行わないと明記しています。

さらに精神科医によるカウンセリングも特殊な例を除いてやらないと明記しています。

カウンセリングと精神療法を私なりの表現で区別しています。

精神療法は通常の診療費用の中で、言葉による治療を意味します。

カウンセリングは(現在のところ)自費で構造を決めて(毎週何曜日の何時から何分とか)

行います。カウンセリンぐはどんなスタイルがあっても良いし、ただ愚痴や話を聞くだけというのも実際に少なくありません。

精神療法はなんらかの治療効果を期待した対話による診療なので、ただ一方的に話を聞くというのは治療ではないと思っています。

 

精神療法の範囲内でできることと、要求されてもできないことがあります。

急性期で症状が重い場合は、カウンセリングに近い形では精神療法は行いません。

勘違いしている方が多いのですが、うつ病の急性期に認知行動療法は行いません。

また、初診1回で問題を解決することを期待している方もおられますが、それができるような内容はもはや病気ではありません。

とりあえず1回だけかかりたいという方は遠慮していただいています。

 

他の精神科機関では、初診3分でパッと薬だして(精神療法をやらずに精神療法費用を請求して)おしまいというところも時々あるので、開院当初は話を聞いてもらいたい人は当院にいけと回されてくる人も多かったのです。

しかしその中のほとんどの人が精神療法を望んでいるわけではなく、ただ文字通り話を聞いてほしいとか

カウンセリング的な内容を求めている人がほとんどでした。

話を聞いてほしいという人が殺到してしまい、交通整理が大変でした。

無駄な労力で疲弊してしまうので、その辺を解決するために

「カウンセリングを行なっていない」と明示したのです。

とにかく話を聞いてほしいという方には「ご期待に添えない」とお伝えしてきました。

 

お電話の段階で、その方が何を望んでいるのかわかるようになったので、

今ではほとんどミスマッチは生じなくなってきました。

 

精神科って難しいと思いませんか?

 

 

 

 

 

 

 

3月 15, 2023

47 onushi様、ありがとうございます!

今晩も睡眠と認知症の懇話会に参加しておりました。

認知症に関しての地域連携について色々と考えさせられました。

と、いう内容でブログを書こうとログインする直前に、 Googleレビューに書き込みがあったという通知を目にしました。

すると、とても嬉しい書き込みが。

深いところまでご理解されていて驚きました。

素晴らしいです。

 

すでに削除されてしまった有難いお言葉も含め、良い評価をくださっている方は全てどなたかわかります。

皆様それぞれに直接お礼をお伝えしていないのですが、本当に励みになります。ありがとうございます。

 

 

 

 

12月 25, 2022

精神科薬副作用ー精神科医編

医師のお母様。当時のさいたま市では人気のクリニックでうつ病と診断され、治療を受けていた。スルピリドというお薬を主体に処方されていたが、日に日に症状は悪化し、焦燥感が強くなってきたが、何ヶ月間も撃つ手なしで経過していて、医師の息子さんが転院を希望。先方の診断ではうつ病が重症化しているという趣旨で、紹介され私が担当になった。すぐにスルピリドの副作用であるアカシジアが出ているとわかった。アカシジアとは抗精神病薬の一部で出現することのある副作用で、とにかく非常に辛くて苦しい副作用なのである。座っても寝てもじっとしていられないソワソワした感覚は地獄のようなものである。私は経験してはいないが、そのような患者さんを何人も見て、これほど苦しい副作用はほかにないと思っている。一刻を争って対処してあげないといけない副作用なのである。当時のガイドラインでは原因となる薬を止めて経過をみるという方法が推奨されていたが、一刻も早く症状を治めるために、私は英国では使われていたベータブロッカーを含めたメディケーションも加え、全力で加療に当たった。努力の甲斐があってか、徐々に楽になり、元々のうつ病の治療薬も本人にあったものを探してどんどん元気になっていた。(精神病理や老年期うつ病あるいは高齢者のうつ病に詳しい専門医もご覧になっているといけないので、念の為記載しておきますが、その後10年間血圧などでフォローしていますが、レビー小体病などを認めておらず、至って良好な経過をたどっています)

同じような時期に隣市の初老医からも不安神経症という大雑把な診断名で1人の患者さんが送られてきた。やはりアカシジアで焦燥感が出ている患者さんだった。

その時は、開業しているクリニックの精神科医はよく勉強されていないのだと感じていた。

その後、さいたま市の先生とお会いすいる機会があったが、大変勉強熱心でいつも新しい知見を取り入れている精力的な先生だと知った。だから、たまたま状況が見えなくなってしまったのかな、と振り返る。

どんなに立派な先生でもその時に気がつかないこともある。医師を変えてみてちがう視点から見てもらうというのも悪くない。

もう一方の精神科医は毎回とても時代遅れの治療と診断名、そして誤診というセットで患者を送って来ていたので、そちらは昔の精神病院勤務の知識のままで勉強不足の先生だったのだろう。

 

1人の精神科医で行き詰まったら手を変えてみる、というのは患者さんにとってメリットがあるかもしれない。

私も私の治療で行き詰まったケースでは転医という選択肢もあることは正直に伝え、1人で抱え込もうとはしない。

見捨てるというのとは話が違う。

自分に見えていないことがきっとあるはずだから。

 

12月 25, 2022

精神科薬の副作用ー性機能障害。

お薬は効果を期待して使うものですが、好ましくない副作用も生じることがあります。

新しくお薬を処方した時はお薬の副作用などないか必ず確認します。

患者さんは大体気になることを教えてくれて、それに対する対策を立てたり、お薬をやめてみたり、変えてみたり話あいながら治療を進めていきます。

しかし、患者さんから相談しづらい副作用というのもあります。

SSRIあるいはSNRIなどの薬剤で、性的な感覚が鈍くなってしまうことがあります。

現状では一般的に使用頻度の高いフルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、エスシタロプラム、デュロキセチンなどの薬剤です。

まず、中年男性はすぐに教えてくれます。

でもなかなか言えない人もいると思います。

若い女性が教えてくれたことは今までで数えるほどです。

しかし、これは副作用が少ないのではなく、統計的にはもっと沢山いるはずなので、

おそらく相談できずにいるのだと思います。

なんか理由も言わず、その薬を飲みたがらない、という女性は沢山いました。

正直にお話しにならないのでわかりませんが、その中の何割かは性的な副作用が嫌だったのではないでしょうか。

私の方も、初診で処方するときにいきなり性的な話をするのもどうかと思い、お伝えしないこともあります。

しかし、マイルドな表現で最初の段階でお伝えすべきだと考え、表現の仕方を検討しています。

 

また、スルピリドをはじめとしたドパミン拮抗薬と分類されるお薬は生理が遅れたり、乳房が張って時に乳腺炎様の痛みを伴ったり、乳汁が出たりすることもあります。お薬をやめれば大概は1〜2ヶ月で徐々に戻っていきます。

若い女性には第一選択薬とはなりませんが、どうしても今の段階ではこれしか使えない、という場合もあります。

その時は最初から副作用のお話をしておきます。

 

もしかしたらこれは副作用なのかな?と疑問に思ったら他の科の内容かもしれないと思ったとしても、とりあえず診察時に主治医に投げかけてみてください。当院では誤魔化したりせず、きちんと向き合って説明します。

 

 

12月 25, 2022

漢方薬の使い方-内科医

慶応病院で研修医としてすごしていたが、精神薬理を専門とする有名な先生が私の最初の指導医として熱心にご指導してくださった。

オールマイティな先生で、薬理が専門と言いながら、精神分析をはじめとした精神療法、家族療法などかなり熱心に勉強され、とてもバランスのとれた臨床をされていた。

しかも、当時はあまり一般的ではなかった漢方薬も勉強されていた。研修医には漢方の難しい概念は飛ばして、こういう時にはこれを試してみなとシンプルに実践的な知識を教えてくださった。

 

その後、今から20年近く前のこと。

同じ病院の先輩が漢方にはまっていて、「今度勉強会があるから参加してみませんか?」と誘ってくださった。

所謂気血水という基本中の基本の講座だった。

精神科の治療になんとなく限界を感じていたので新しい世界に関心を持った。

大野修嗣先生の講座を受講しまくった。

もっと知りたいと思って、大野先生を追いかけて小川町の診療所までいって実際の診療場面も拝見した。

 

それからはどんどんはまり込み、とにかくありとあらゆる漢方を処方しチャレンジしてみた。

もっと本格的に勉強したいと思い、東邦大学の三浦於菟(オト)教授、田中耕一郎准教授のところで私が身動きの取れる日曜日にハイレベルな講義が受けられるということを知り、毎回高速道路を飛ばして勉強しにいった。

毎回有名な先生がゲストとして講義をしてくださり、生薬の味見もできたり、

東洋医学の考え方、生薬一つ一つの詳しいお話を楽しく勉強し、どっぷりと漢方に浸かった。

しかし、漢方の専門医になるためには、常勤医として漢方専門医研修認定施設に一定期間勤務しないと専門医資格が得られない。

そんな時間のなかった私は専門医を取得することにはこだわらずに精神科での臨床を優先することにした。

 

それまでの漢方のイメージって、「長ーくのまないと効いてこない」というのが世間でのイメージでしたが、

意外と頓服に使えるような切れ味の鋭い漢方なんかもあったりして、服薬のタイミングとかもいろいろ考えて投与すると結構いいことがあります。

 

例えば、八味地黄丸。

大体高齢になってくると、心臓のポンプ機能や筋肉のポンプ機能が弱って血のめぐりが悪ったり、腎臓が少し弱って体に水分がたまってしまうことがあります。

夜睡眠のため横になると、下半身にたまっていた水が心臓に戻ってきて、めぐりだすと腎臓で尿が生成されます。

すると夜間尿で何回も起きてしまう方がいます。

 

そういう時に、八味地黄丸を少し眠前のみ服用してあげると夜間の尿の回数が減ることがあります。

そのような処方をしていたところ、ある患者が内科で私の処方を見せたようです。

するとその内科医は「漢方は1日3回長期間のまないと効かないもの。こんなでたらめな処方をしているのはやぶ医者だ」と患者さんにいったそうです。

無知な上にライバル心むき出しでびっくりしました。

当時は漢方に詳しくない先生はあまり見たことがない処方だったかもしれませんが、今ではよく見る当たり前の処方となっています。

あの内科医は覚えているのでしょうか。

 

8月 8, 2020

新型コロナウィルス対策

当院は医師会安心マーク取得医療機関です。

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感染拡大防止のために、「三つの密」を避けるように勧告されています。

「換気の悪い密閉空間」

「多数が集まる密集場所」

「間近で会話をする密接場面」です。

 

〇当院では、従来より完全予約制により待ち時間を最低限に抑え、待合室での密集が生じないようにしております。予約以外のご来院はご遠慮ください。

〇現在診察室のドアは密閉を防ぎ、換気をするため開放したままにしております。廊下や待合室に音楽をかけて診察内容が聞こえないよう配慮しております。

〇診察室での医師との距離が密接にならないよう以前より距離を保つようレイアウトが変わりました。

〇受付や診察室には飛沫防止の透明アクリル板を設置しました。

〇スタッフや医師はマスクを着用して対応させていただいてます。検温も行っております。職員に体調不良の者が出たらすぐに自宅待機とし、症状により適切な対応を行います。

◯ご来院の方はマスクを着用してください。お持ちでない場合は簡易マスクをご利用いただけます。

◯アルコールによる手指消毒にご協力ください。アレルギーのある方は手洗いをお願いします。

◯御用件がお済みの方はすみやかに退出してください。

〇待合室の座席も距離を保つよう配置していますのでソーシャルディスタンスを保つようご協力ください。

〇診察室や待合室には除菌空気清浄機を多数配置しています。パナソニックのジアイーノによる次亜塩素酸空間殺菌(待合室、診察室各1台)や、ダイキンのストリーマ(待合室、診察室各一台)、パナソニックのナノイー空気清浄機(すべての個室)をフルに作動させています。換気を行い空気を澱ませないように注意します。

〇椅子やドアノブ、カウンター、押しボタンなどを中心に酸性エタノールなどで清拭し、ノロウィルスなども含めた幅広いウィルスを消毒できるよう努力しています。

しかし、感染を100%食い止めることはできません。

再診の方のお電話での対応も検討いたします

〇電話で体調をお伺いすることも検討いたします。

〇当院通院中の方でも咳や発熱、倦怠感などがある方はクリニック内にお入りになることをお断りいたします。待合室で咳をされている方はいったんビルの外に退出していただくよう声かけさせていただきます。発熱や咳などの症状がある方は直接受診なさらずに、お電話でご連絡ください。柔軟な対応を検討させていただきます。

〇初診の方で熱や咳、倦怠感などがある方は、初診診察を症状消退後3週間以上延期させていただきます。

〇海外からの帰国者など隔離期間中にある方の受診はできません。PCRで異常なしと判断されて、無症状期間が2週間たつまでは直接の受診はできません。

お電話での対応は可能です。

〇当院では遠方から電車を乗り継いで来院されている方も少なくありません。長距離の電車もリスクですので、リスクのある方はご来院せず、電話でご相談ください。対応を柔軟に検討します。

〇クリニックでクラスターを出さないように、時に厳しい対応をとらせていただきます。ご協力お願いいたします。

〇薬局でのクラスター阻止のため、処方箋を出したらそのまま一旦お帰りになり翌日にお薬をとりにくるか、食品などの必需品の買い物に出て数時間後にもどるもよし、車の中で過ごしてから薬を受け取りにいらっしゃるのもよい選択です。混み合った待合室で待つのは避けましょう!待てない場合は送料着払いで配送してもらいましょう。

◯エレベーター内も密にならないよう、ご協力ください。

9月 30, 2019

初診をご希望の方はご確認ください。

当ホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。

まず、最初に当院の初診は電話のみによる完全予約制で、直接のご来院はご遠慮いただいておりますこと、ご承知おきください

初診をご希望されているということは、何かお困りのことがあると存じます。

お困りの方に対して親切でありたいと日々思っております。

一方で医療に対する要求水準は年々高まっており、過度な期待をお持ちの方もいらっしゃいます。

病気として保険診療で対応できる部分と、そうでない部分もあります。

当院の能力で対応できそうなことと、対応が難しいこともあります。

当院ではお電話で詳しくお話を伺い、当院で対応可能かどうか判断させていただきます。

お電話で詳しくお話しになりたくない方は当院へのご相談をご遠慮ください。

当院でお役に立てないことがあることに関しては私にとってもつらいことなのですが、全ての方の安全基地になって寄り添えるというわけではありません。

ご要望内容が当院の対応範囲を超えていると判断した場合はお断りさせていただきます。

紹介状があってもお受けできないことがあります。

どなたでも、勇気を出して電話をかけたのに対応が難しいと言われたら良い気持ちはしません。

そのようなことを少なくするために事前にご理解いただきたいことがあります。

著しく長文ですが、当院のポリシーを記載いたします(おもに当院の限界のお話です)。

 

✔当院は完全予約制となっております

初診診察に必要な時間を確保するために、再診の方がご予約を入れることが出来ない枠を作っています。

1日に確保できる枠は限られますので、ご予約が先になる場合が常態となっております。(2−3ヶ月間の予約が埋まると、予約の受付自体をしばらく中止にしています。)

当院では初診をとても大事なセッションと考えています。

初診をいい加減に行うことでボタンの掛け違いが将来取り返しのつかない事態を引き起こす可能性があるからです。

当院では診療の質を維持するために初診予約制を固持しています。

貴重な時間を確保しているために、初診を無断でキャンセルされた方は信頼関係を築くことが難しいと判断し、その後の診察はできません。また大幅な遅刻をされたり、お約束の診療情報提供書を提出されない、あるいは医療機関から医療機関へのお手紙である診療情報提供書を患者様が許可なく開封されている場合は当院での診療ができない場合がございます。

予約制で縛られるのがお嫌という方は当院の受診をご遠慮ください。お互いの時間を大切にする静かな大人の診療所です。

タイムリーな診療も大切なことです。予約が要らない即日初診受け入れ可能な施設は大変貴重な存在であることも間違いありません。

専門を極めた診療を半年以上の予約待ちで、数万円の自費で行なっている施設もあります。

いろいろな機関があり、良い悪いだけではなく何を優先させるかの問題となります。

✔️当院のキャパを超えた患者数を受け入れてしまうとお一人お一人の診療の質が低下してしまいます。ご予約が混み合って来た場合、初診の受付を休止する場合がございます。タイミングの問題でお断りせざるを得ないことがあります。申し訳ございません。

✔初診の申し込みのお電話をいただく前に、ホームページの「受診の流れ」をご熟読、当院の趣旨にご同意の上お電話をください。

お電話でご本人から詳しくお話をお伺いします。ご本人以外からのご相談は承っておりません。

最初にお断りしているのですが、「どうして電話でこんなこと話さなければいけないのか」と怒り出す方がおられます。

詳しくお話をお伺いして当院で対応可能か、あるいは他の機関が適切か、保険医療での対応範囲かどうかなど総合的に判断させていただいています。

この方式はのちのちの診断や治療にとても重要な手がかりとなるため、省くことは致しません。

さらに、診察では診断や治療に必要なさらにプライベートなことを伺っていきます。

お電話で詳しくお話しになりたくないようでしたら、他の機関でのご相談をお勧めいたします。

言いたくないことはあっても構いませんが、秘密主義が行き過ぎる人は治療になりません。なかなか治療が進展しない方に大きな隠し事があったということはしばしば見られることです。

お電話でのお話が初診での内容と大きくかけ離れ事実を故意に隠して受診されたことが判明した場合その後の診療ができません。

もちろんトラウマに関わることはデリケートに扱うように注意しております。

また、ご家族からのご相談は受けておりませんので、家族相談を行っている別の機関にご相談ください。

当院ではご自身が問題意識を持って、治したいという気持ちを持って受診を希望されているご本人のみ診療を行なっています。

 

✔お話を伺ったあと、当方でお電話でのやり取りの様子や内容などを確認します。医師が診察の合間を縫ってチェックさせていただきますので、その間はお待ちいただき、再度お電話をかけ直していただきます。フリーダイヤルではございませんので、ご相談中の電話代は自己負担となります。このシステムにもご納得いただけない方は当院へのご相談をご遠慮ください。

お電話のやり取りで、電話対応者に高圧的な態度をとられたり、無理な要求をされるかたは、治療をお断りします。精神科の治療ではとくに信頼関係が大切になってきます。最初から不信感が強かったり、攻撃的なかかわりがありますと、良好な治療関係ができないのは明白です。ボタンの掛け違いどころか、ボタンをかけることすらできません。

それに私はスタッフをとても大切にしています。スタッフに暴言などを浴びせる方は許容いたしません。DVや虐待防止は自らのクリニックから行うべきと考えております。皆様の安全基地である前提として、我々の安全基地であることも大切だと考えています。

✔当院には入院できる施設はございません。入院が必要な方、入院を要する状態になると予見される方(入院歴があって現在服薬が不安定な方も含む)、入退院を繰り返している方は、入院施設のある機関あるいは入院施設のサテライトクリニックなどをお勧めいたします。

✔「とりあえず一回だけ話を聞いてほしい」という方もたくさんいらっしゃいます。セカンドオピニオンも含め、医療相談的な内容は対応しておりません。当院では治療を希望されているという前提で全力で治療に結び付けられるような評価を初診で行います。治療を受けるつもりがなく、冷やかしで一回だけ話を聞きたいという方がおられますが、診断するだけでは、手術しかけたまま終了するような中途半端な状態で終わることになり、ご本人に悪影響を及ぼす可能性がありますので、当院でお受け致しません。

✔初診予約の順番、待機期間につきましては、ご相談内容によって予約の順番と予約できる枠が前後することがございます。

お急ぎの方は即日受診可能な他の機関にご相談ください。

 

✔️身の上相談、近隣トラブル、離婚や不倫など夫婦関係の相談、恋愛相談、育児相談、生きがいについてのご相談などをメインの主訴とされる内容は扱っておりません。基本的に精神科医はカウンセラーではありません。私の人格が優れているわけでも、人生経験が豊富なわけでもありませんので、アドバイス的なことはあまりご期待なさらないでください。もちろん、病気の治療のため通院中の患者さんがお困りのことがあれば、短時間ですがわかる範囲で意見を述べさせていただきます。

✔「とにかく話を聞いてほしい」という主訴の方は当院ではお受けしておりません。深い理由がありますが、一般の方には難しいので詳しくは省かせていただきます。もちろんお話の内容から言語表出を促した方がよいと当方が判断する方は例外です。なお、当院では病気や薬についてのきちんとした説明は当たり前の前提です。診療に必要なことはこちらから質問させていただきます。話を聞いて欲しいのか、症状を治療したいのか混同されているかたが時々いらっしゃいます。とにかく話を聞いて欲しい!いう方は他の機関をご利用ください。

✔️診断書目的の受診はお断りする場合があります例えば、ご本人が治療を必要としないのに休職の必要性を証明するよう要求される場合、事実関係を把握できない内容に関して訴訟のために本人の一方的な訴えに沿った内容の診断書を要求する場合、適応ではないのに障害者年金を得るための診断書を要求する場合、勤務先にサボタージュや特別な待遇を受け入れさせるための目的の診断書を要求する場合など。そのような疑念が生じると判断した場合はご希望内容の診断書作成に一切応じられません。目的を達成するために、受診者がご本人にとって都合の良いことしかお話にならないことがあります。偏った情報の中でニュートラルな判断ができないため、公文書である診断書を受診者の求めに応じて発行するということはできません。当院では不正行為に加担することは致しません。お一人の利権より公益を尊重する場合があります。当院では診断書目的の受診には基本的に応じない方針としました。不当に診断書を利用する行為は詐欺となりますので、通報する場合があります。

 

✔パーソナリティ障害の治療は当院ではできません。一方的、被害攻撃的で自分の要求を突き通すタイプの発達障害の方、ADHDに伴った反抗挑戦性障害の方も含みます。

私の経歴上パーソナリティ障害の方を救急医の立場からも精神科医の立場からも診察していたことがありますが、私の治療スタンスとは相性がよくないことが多いと感じてきました。自分のよくない点を治したいのか、周りをコントロールしたいのか混同されている方がいます。治療目的が共有できず、安全基地も壊されてしまうことがあります。申し訳ありませんが、私にはパーソナリティ障害を治療する能力が足りません。当院での治療をご希望されてもご本人にとって有益になりませんので、パーソナリティ障害の治療ノウハウのある機関をお探しになることをお勧めいたします。不適切な治療を受けてこじれてしまうことは避けたいものです。

✔️攻撃性や暴力性が著しい方の治療は当院ではできません。当院は通院されている方の安全基地として在りたいと考えています。怒鳴ったり、物を壊したり、騒いだり、暴力を振るうことは他の患者さんの脅威となります。静かで穏やかな、他者を守る大人の安全基地となるようなクリニックでありたいのです。

✔️お薬をどうしても使いたくないとおっしゃる方もおられます。症状内容によっては治療がうまくいかない場合があります。

また、服薬に対する構えは、対人関係における大事な意味合いを持つことがあります。お電話で必ず「服薬に抵抗感があるかどうか」をお伝えください。

悪い意味での「薬漬け」は当院でも反対の姿勢ですが、最初から薬無しでの治療に拘っていらっしゃる方は、「薬に頼らない治療」を謳っている機関などにご相談ください。

逆に大量の薬を希望される方も受け入れが難しい場合もございます。薬を指定して強く処方を要求する方も薬物依存の可能性があり、当院での治療ができません。

✔拒食症などの摂食障害、アルコールなどの依存症、万引きなどの嗜癖行動などの治療できる体制ではありません。

✔未成年の診療は基本的に行なっていません。

✔すでに当院に通院されている方のご家族が受診を希望される場合、お引き受けできるケースとできないケースがあります。

夫婦関係でもめている場合の配偶者、親子関係で葛藤がある場合の親または子などはお引き受けできません。

弁護士が係争中のお二人を同時に弁護できないのと同じように両者の立場にたってご支援することができないからです。

 

✔土曜日は大変込み合います。初診後間もない方や、おりいった話がある方、家族面談など特別な診察時間をご希望の方は土曜日を避けていただきますようお願い申し上げます。事前にお伝えくだされば、医師が必要と判断した上で時間調整させていただきます。

 

✔上記の「他の機関」は特定の機関を示していません。保険医療機関に限りません。

お電話でご相談内容をご専門とする他の特定の機関をご紹介することもありますが、

それぞれの機関にはそれぞれのポリシーがありますので、当院で他の機関の受け入れ状況は分かりかねます。

ご自身でお探しいただき直接ご相談していただくようお願いしております。

 

初診でボタンの掛け違いを少なくし、同じ方向を向いて治療を共有していけるかどうか、大変重要なことです。

どのようなご希望があるのか、詳しくお聞かせください。当院を安全基地とされる方とそれが難しい方がいらっしゃると思いますが、当院の安全基地に入れなかった方も当院以外の安全基地があるはずです。がっかりしすぎないでいただきたいと思います。

こちらで対応できないのは、あなたのせいではなくて、当院の対応能力の限界によるものです。

当院を安全基地とされた方には家族同様の思いやりを持ってお役に立ちたいと心より思っています。

どうぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

院長

 

 

 

 

 

 

 

8月 6, 2019

パニック障害講座。

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担当することになりました。

内容はこれから考えます。

何か知りたいことがありましたら、

クリニックに直接お電話ください!